ベルと名乗る俺の背中には、
だが、もしもこれを人間に刻むとしたら、問題になるだろうことがいくつか予想できる。
一つ目は、こうして加護を刻んだ人間と刻んでいない人間の間にできる圧倒的とも言える差。刻んだ人間の中でも、レベルが上がっていく度にどんどんと差は開く一方。これでは間違いなく差別が起こる。
二つ目に、加護を刻んだ後の話だ。加護を刻まれた人間に、もう神は用済みだとばかりに行動されては困る。一度刻まれただけで後は勝手に強くなられると、最悪その力で世界がやばい。実際、
そう言う訳で、解決策を用意してみた。
まず、一つ目の方。これはステータスやレベルが上がるのに必要な『経験値』の量を上げればいい。それでも差は間違いなくできるだろうが、同時に努力が報われる微妙なラインだ。差別している暇があるなら鍛えろ。きっとひっくり返せる。
そして二つ目。ステータスの成長やレベルの上昇を、神の監視下でしか行えないようにすればいい。アークTheラッドのように戦闘中でも行動で経験値が入ってレベルが上がる方式ではなく、経験値を溜めてからその経験値を肉体の方に反映させるかをこっちで決める方式にすれば、少なくとも強くなるためには神から離れることはできなくなる。
この方法を取れば、まあ少なくとも神が自分を信仰あるいは信奉する眷属に殺されると言うことは無くなるだろう。勿論この方法に問題が無いと言う訳では無いが、それでも今のよりは大分ましになるはずだ。
俺は自分の背中を見ることはできないが、
そうして見てみたステータスは、結構な物になっていた。
神造人間完成型試作一号機『ベル』
Lv.32
力:S980 耐久:F324 器用:SSS3288 敏捷:H138 魔力:SSS3012 幸運:SS 耐異常:SS 疑似神格:B 料理術:SSS
《魔法》
【カマドガミ】 ・ヘスティアの意思を受けて行動する。常時発動。
《スキル》
【
【
世界はどうやら俺にとことん美味いカレーを作らせたいらしい。良いだろう、その喧嘩買ってやろう。とことん美味いカレーを作って世界をカレーで埋めてやる。
……まあ、それは流石に冗談として、最近どうも身体能力が上がってきてやばいと思ってたらこんなことになっていたらしい。……32、と言えば……確か、俺が店を開いてからここにきてカレーを食べ、常連となった神の合計数が32だった気がするな。なんだ? もしかして神が常連になるとレベルが上がるのか? まさかそんなことは無いと思いたいが、とりあえず今度見てみよう。常連を増やしてその結果レベルが上がったら、もしかするともしかするかもしれない。
まあ、流石に無いだろうけどな。