俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、一柱きり

 

 誰もいない。ヘファイストスは新しく作った新居に帰って行ったし、ギガース達はタルタロスで畑を耕している。キュクロプス達はヘファイストスの鍛冶の助手としてついて行った。

 つまり、今、この家には俺しかいないと言う訳だ。

 今までずっと一緒に暮らしていた相手が突然居なくなると、どうにもこの家が広く感じるようになって仕方がない。寂しい、と言う気持ちを久し振りに思い出した気がする。

 まあ、人間だった頃から割と人外染みていたので一人でいることには慣れているんだが、突然だとやっぱりな。

 

 いつまでも寂しがっていても仕方ないので、今日はまた色々と作ってみることにする。暇潰しの技術に長けているとも言えるかもしれないが、要するに単なる一人遊びのようなものだ。

 今回は、鍛冶、製作、そして電子の神としての権能を使って物を作る。具体的に何を作るかと言えば、昔のゲーセンなどによくあるアーケードゲームの一種だ。俺の知っている物で言えばストリートΦターやバーチャ□ン、そして一番はまったのは世紀末バグゲーと名高いえ~C北斗の拳だろう。

 そう言ったゲームを再現するのだが、正直かなり昔のことで全てを覚えているわけではない。覚えている限りはバグまで完全再現するつもりだし、極一部のバグではないが連発すると喧嘩になる仕様も再現予定。具体的にはバグ昇竜だな。あれ仕様なんだよ実は。悪用すると落ちてこなくなるだけで。

 

 まあ、それだけだとつまらないだろうからmugen方式であとからキャラクターや戦場を突っ込めるようにしておこう。きっとその方が面白くなる。

 基本のキャラクターは……やっぱカンフーマンか。mugenと言ったらカンフーマンは絶対に必要だよな。少なくとも俺はそう思う。それから他にも色々とキャラクターを追加して、基本は北斗だが隠し要素の開放でmugenにするのも面白い。最終的には画面の中のキャラクターではなく、立体映像でも出せるようにすればより面白いことになるだろう。オタクを量産することになるかもしれないが、平和が一番だ。

 なお、万が一オタクを量産したとしよう。そうなると、いつか宗教関係で争いが起きることはわかり切っていることであるわけだ。その際、大切にしている物を馬鹿にされ、壊されでもすれば―――それはそれは恐ろしいことになるだろう。切れたオタクは怖いぞ? 何するかわからないからな。

 

 ……オタクの量産のためにはサブカルチャーが必須。いや、必須かどうかはわからないがとにかくあった方が良いのは間違いない。今の時代、はっきり言ってできることが非常に少ない。暇潰しの方法が食う寝るヤるくらいしかないほどだと言えばその時間の有り余りっぷりが理解できるかもしれない。とにもかくにも、ひたすら暇なのだ。

 だからこそ、こういったサブカルチャーは恐らく広まっていくことだろう。残念なことにその内容は俺が今まで読んだことがある小説や見たことがあるアニメ、漫画などに限られるが、それでも何もないよりはましだろう。内容は今ならすべて思い出せるしな。

 ただ、俺の場合名作も駄作も山のように読んでいる。そして、基本的に現代の一般人の知識量は一部この時代の神の知識を遥かに超えている所がある。それも、神である以上早々死なないので人間なら死んで当然という所でも平気で生きて帰ってくるから退場させるのにはそれなりの理由が必要で……やっべほとんど使えねえな。

 となると、ここはやっぱり恋愛系か? この時代だと男同士の恋愛と言うのは割と普通に存在するからネタとしてガチな物になってしまうから難しいんだが……それでも異世界転生物とかそう言う事前に最低限の知識が必要な物に比べればまだ気軽に楽しむことができるだろうか。

 

 いや、その前にやることがある。飯だ。食わなくても死なないし食っても太らないが、美味い物はストレスの軽減に大いに役に立つ。サブカルは良い物だが、料理もまたいいものだ。

 


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