俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、武器を打つ

 

 目指すはAC北斗○拳のフルメンバー合成。使えそうな技は使えるようになり、使えない技は別のもので埋める。基礎はトキ。発勁や無想流舞、当て身を基本としてちょくちょくレイや聖帝等の技も使っていきたい。打撃斬撃射撃を全体的に修め、可能ならば有情拳も使いたいところだが神の経絡が人間のそれと同じかどうかはわからないし、同じだったとしても効果まで同じかわからないし、そもそも秘孔がどこにあるのかわからないので難しいだろう。残念だが諦めることにした。残念だが。

 

 そう言うわけで無想流舞、通称ナギッを習得。移動が楽になるのはとても良いことだ。逃走にも使えるしな。腹の中から一撃するのは良いが、それであのクロノス(クソオヤジ)が死ぬとは思えない。なにしろゼウスが生まれて育つまで、ギリシャ神話においてウラノスを去勢して主神の座を奪って座り続けていた怪物だ。天空の化身であるウラノスを相手にたかが大地一つ分で一体どうやって勝利したのかはわからないが、どう考えても勝てる勝負ではない。

 しかし、クロノス(クソオヤジ)は勝って見せた。ならばそこにはそれなり以上の工夫や策略があったわけで、今の俺に対してそういった策もなしに居てくれているならばなんとかできそうだが、何もなしで真正面からあたるのはどう考えてもバカのやることだ。俺自身、かなり無茶苦茶やってなんとか不意の一撃を最大限の威力で叩き込めるようにしてはいるが、それで終わるかどうかはわからない。終わってくれれば嬉しいんだが、そんな簡単に終わるようならウラノスを相手にして勝てるわけもない。

 ……太陽炉、もういくつか連結しておくか。高温炉と低温炉、中温炉の三つを用意して、用途別に使えるようになればいいなと思う。流石に太陽炉で料理なんてしたら、あっという間に炭に変わって食えたもんじゃなくなるだろうしな。噴き出したフレアが何故か一番温度が高く、黒点が最も温度が低い。低温炉は全体が漆黒の黒点太陽炉。中温炉は通常の太陽炉。そして高温炉はフレアとして出てきた高温高エネルギーの炎を結晶化して核として使えれば理想的。高出力のアダマスの太陽炉の特に高温な部分だけを使うことができれば役に立つはずだ。何にかは知らないが。

 ……ついでに自分用の武器でも作ってみるか。幸いにして材料はいくらでもあるし、時間だってたっぷりとある。体格に合わせて短剣二刀か、あるいはクロノス(クソオヤジ)と同じような鎌に鎖でもつけるか? 運命な聖杯戦争の五次ライダーみたいな釘剣を短剣に変えるのもありだろう。その場合には拳を振るう邪魔にならないようにナックルガードなどはつけないで、簡単に投げ捨てられてすぐに回収できるようにしておきたい。

 ……数がいるか? なら作ろう。明らかに目に見えるだろう鎖のついた短剣と、よほど注意しなければ見えないような細い細い糸のついた短剣と、何もついていない短剣。隠し場所は……まあ、あてがある。漫画的表現で言えば、四次元谷間とでも言うのだろうか? 武器の隠し場所には良いと思われる。

 ……中国拳法と言えば暗器は付き物だからな。細い針のような暗器も良いが、通常の武器を暗器のように隠し持つと言うのも良い。特に鎖分銅や鎖鎌等のトリッキーで練習なしでは使いにくくて仕方ないような武器が好みだ。その点で言えば大鎌なんて言う実用性ほぼ皆無の厨武器を使うクロノス(クソオヤジ)はよくわかっているが、クロノス(クソオヤジ)は絶対に殺す。武器の趣味が似ていようが何だろうが殺す。最低でも再起不能までは持っていく。絶対だ。神話で語られていたように自分の鎌で去勢させてやる。ついでにその鎌の柄で掘ってやる。ありがたく思うが良いさ。

 

 さて、それじゃあまずは簡単なものから作っていくとしよう。何にも繋がっていない短剣だが、アダマスと言う超硬度の金属を使うとなればそれだけで難易度が頭おかしいレベルまではね上がる。まず人間が作ることのできないものだが、俺は神だ。時間はたくさんあるし、材料も数多い。大地の神の中に居るのだから、適当に持ち出せばそこそこいい鉱石に変わるのだ。使わない理由が存在しないな。

 まあ、初心者が完全に独学でやっていくのだから、初めからいいものが作れるなどとは思わない。この身体が神の物でなかったらそんな非効率的なことはできなかっただろうが、今の俺は神だ。不可能ではない。

 だが、まずはそのための道具を作ることから始めよう。初めに必要なものは、鎚と金床。その二つがあればある程度加工することはできるようになる。初めは作りたての炉にアダマスを放り込んで溶かし、焼いた土で作った分厚い器に注ぎ込む。上手くいけば簡易な金床はできるだろう。

 そして同じように鎚を作り、さて、製作開始と行こうか。

 目指すは未だ存在しないヘパイストス。かつては雷と火山の神であり、その後に権能を変えて炎と鍛冶を司るようになった、ヘスティアの甥。届くかどうかは努力と気合次第。やるだけやろう。どこまでも。

 


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