能力の限界を見極め損ねた結果、ちょっと火達磨になったが火から土を生み出して自身を再生した結果、髪の先がちりちりに焦げたくらいで無事に生きている。突然圧縮状態を解除された結果、擬似的な超新星爆発が目の前で起きた時は本気で死ぬかと思ったが、俺はまだまだ無事に生きている。本気で死ぬかと思ったけどな。
……しかし、太陽炉を作るのはいいが、失敗の度にあんな爆発に巻き込まれていては大変だ。最終的には意図して暴走させてやることにしたが、やはりきつい。肌がまだチクチクする。あと髪が焦げて変な臭いがする。
それはそれとして新しい太陽炉だ。一度暴走させたのをなんとか制御を取り戻したら、なぜか俺が考えていた以上の火力が出るようになったのでそのまま続けている。今では中心部が水素とヘリウムの混合気体から重金属にまで成長している。神の力と言うのは筋肉のように少し無理して使えば超回復するらしい。なるほど、神に脳筋が増えるわけだとこっそり納得。
そして重金属を核にした太陽炉を作れるようになったので、今度は
だが、最近は権能ばかり鍛えている気がする。もう少し肉体や魔術なども鍛えておいた方が良いかもしれない。相手は巨神。戦闘においてはあちらに一日の長がある以上、こちらはその経験をひっくり返せるだけの自己鍛練の密度を実現しなければいけない。なんとしてでも。
……そこで役に立つのが知識……と言うか、思い込みの力だ。厨二病的な解釈やそれに対する思い込みで神は強くなれる。竈の女神である
俺は竈の女神。竈は家の中心であると考えられていたことから家庭の守護者とも扱われている。この場合の家庭とは、同じ家に住む家族やその財産を指しているため、竈自体も家に含まれる。つまり、俺は俺自身に対して守護の加護をつけることが可能と言うわけだ。これで直接的な防御力は確保した。
次に、相手の攻撃を逸らしたり受け流したりと言う間接的な防御力を得る。技術としては中華拳法の化勁や聴勁、
そして攻撃。竈は動けないが、その内部の熱量は凄まじい。つまり、そのエネルギーを極力無駄にしないように当てる技術が一番竈の女神には合っているだろう。つまり、寸勁あるいは無寸勁などの隣接距離からの重い一撃が一番だと思われる。これも要練習だが、恐らく化勁の練習に合わせる事ができるだろう。力の流れを操る技術の総称が化勁だからな。できるはずだ。多分。
最後になるが、何より逃亡力。速度だけでは足りない。体力があれば良いと言うわけでもない。あらゆる場所を踏破する方法が無ければいけない……のだが、何しろ俺は竈の女神。動かないことが得意な俺が逃亡するには、自身の足で走るよりも魔術等を使った方がいい。もちろん体力はつけるし逃走の練習もするだろうしぶっちゃけ仙術系統の縮地に似た技術を覚える予定だが、なんにしろ体力は大事。ゲーム的に表せばHPではなくスタミナの方。HPもHPで大事だが、普段から何かをするならばスタミナの方が重要になってくる。
まあとにかく、基礎力を上げていくことにしよう。神の力なしで純粋に魔法を使うための下準備として神の力と魔力の区別はつけたし、その次に気とも区別をつけることができた。残念なことに太公望や大上老君はいないので仙術は完全に独学となるが、今のところ時間はまだある。なにしろ
流石に水を直接扱うのは属性と本質的に難しいと思うが、蒸気としてならば扱えるだろう。今更だが、非常に殺害に特化しているとしか思えない。土に火を混ぜれば溶岩になるし、水を使おうとすれば灼熱の水蒸気。工夫を重ねれば生産にもなるが、武器に薬物の製作などなど……実に恐ろしい神だなヘスティアは。一番怖いのは厨二病の無駄に高いリーディングスキルかもしれないが。
さて、それじゃあそろそろ良い頃だろう。本番用の太陽炉の核として
神器【ヘスティアの炉】
神世にて作り上げられた連なった炉。その温度は太陽と等しいとされ、ありとあらゆる金属を溶解させることができると言う。
中心部にはヘスティアの父親であるクロノスの使う武器でもあったアダマスが使われており、アダマスの名の通り、この炉の炎は永久に落ちることがない。
この炉を十全に使いこなすことができるのは、製作者である竈の女神ヘスティアのみであるとも言われている。