俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、再開発

 

 久し振りにロキに会ったが、やはり以前増やした最大値より少し縮んでしまっていた。

 だがそれでも僅かな膨らみは視認できるし、童女のような寸胴ではなくなっている。具体的には、膨らみと膨らみの間に谷間を見てとれるようにはなった。頑張れば、だが。

 そして、以前に作り替えて脂肪が薄くなった場所に再び脂肪がつき、また胸に脂肪を寄せることができるようになったと思ったので来たらしい。

 なるほど、確かにしっかりと定着しているし、他の部位の脂肪もやや厚めになっている。術と技術で身体の脂肪を胸と尻に寄せているわけだが、ないものを増やすのは無理だからな。ぽっちゃりしていれば胸や尻に回してやることもできるが、全く肉が無いと……なぁ?

 と言いつつ今回はできそうなのでロキを施術室に誘い込み、全裸にしてから施術用の服を着させる。どうせ後で脱がせるんだが、特殊な油やら薬品やらで着てきた服をドロドロのぬちゃぬちゃにするわけにもいかないからな。

 あと用意するのは、擂り潰した豆のスープと一時的に術を受け入れやすくする薬を混ぜたオリーブ油。薬のせいか何故か薄桃色をしている上にやや甘い匂いがするし、薬の副作用で一時的に触覚が敏感になるようになってしまっているが、あった方が楽なのは間違いない。

 ちなみに実験は俺の信徒の一人を拾い上げて行った。胸が小さいのが悩みだったらしいが、今では結構な胸を持っている。それ以降、不思議なことに熱心に俺に祈る奴が増えたんだが……まあ、ちょくちょく拾い上げては練習台にして地上に返している。

 そしてさらに胸を大きくしたいと願う者が俺を熱心に信仰するようになっているんだが、これに関してはある意味で無限ループのようなものだろう。神と違って人間には俺の薬と術はよく効くし、変動しやすい人間なら定着率もかなり高い。当然ながらその体形を保つ努力をしなければどんどんと体形は崩れていくんだが、一度整えた以上は再びその体形になりやすくなる。つまるところ、太りにくく痩せやすくなるわけだ。限度はあるが。

 

 そんなわけでロキには脱いでもらい、薬のたっぷり混ぜられた潤滑油を塗り付け、鳴いてもらった。初めて会った時のロキの胸の大きさを1ロキ、ロキの理想の大きさを100ロキとすると、今回の施術前のロキの胸は15ロキ、施術後は45ロキと言ったところだろうか。以前に比べてかなり技術が確立されたから効率よく施術ができるし、恐らくだが定着率も上がっているだろうと思われる。まあ、こういったものは基本的に秘術に分類される。なにしろ不老不死であったりする神格に対して外側からその形を変えることができるのだから、そう言われたところで何らおかしい事はない。実際秘術ではあるわけだし。

 なお、しっかりと全身揉み解されたロキはちょっと他人に見せられなさそうな顔で荒い息をついている。俺が男だったらちょっと襲いたくなっていたかもしれないと思う程度にはエロいし、もしもここにアフロディテがいればじゅるりと生唾を飲み込んで少し拗ねたヘファイストスにつねられていただろうと思わせる程度の色気がある。

 まあそれもここにそいつらがいればという仮定の話だし、実際にそいつらがここにいない以上はそんなことは起きるはずもない。

 とりあえず、ロキが起きたら色々と食っていってもらうとしよう。全身のかなりのところから脂肪を持って行ったから、さっさと食わせないとせっかく集めた脂肪がまた分散されかねん。それはいくらなんでももったいないからな。

 


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