俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、対処する

 

 あいつらの置いて言った権能を核に残留思念を式として動かし、さらに俺自身も内部の監視と様々な調整を行い、中に送り込んだ俺の人間用の身体からさらに式を作ってその世界の中の俺として動かし始めた。それにかかった時間は二月。

 ゼウス達の身体が色々おかしくなっていたが、まあ仕方ないな。忙しかったんだ。

 そのため即座にカレーを食わせたんだが、甦りの速度もまた凄まじかった。カレーの匂いを嗅がせた途端、普通に見ているだけであっという間に再生したからな。しっかりと調きょ……躾けたおかげかカレーに飛び掛かってくることは無かったが、それでも引くほどの勢いでカレーを食べ続けていた。

 

 だが、この世界の人間達にはこのカレーは早すぎる。何しろ基本的にレベルが低いし、精霊の加護を受けてレベルを上げていてもそう高くないし、それ以前に人数が非常に少ない。そうなるように調整した挙句に割とぎりぎりまで時間を進めておいたのは俺だが、まあ元々の世界は何の手も加えられずに極ありふれた普通の日常が過ぎているが、まあ気にしなくていい。

 ただ、あの世界はその世界生まれの神格で俺の眷属神となった奴らが運営しているからちょっとばかし世界の調整が拙いんだよな。速度も遅いし綻びができて慌てて直していることもある。それを何とかしてほしいと俺に連絡が来て、やってやる代わりにまあ色々と貸しを作っているわけだ。

 本来なら貸しとかそう言うのが無かったとしても眷属神は俺の言う事を聞かざるを得ないんだが、俺は強制力のある命令は『直接間接問わずこの世界を崩壊に導くことを行わない』と言う物のみに限定している。それ以外はおよそ自由にさせているが、自分の行動によって起きた問題は自分で解決しておくことも一応言ってある。

 守らなかったらこうなる、と、カレー漬けにしてから半年ほどカレー断ち(させ)た後のとある神格の映像を見せたらしっかりとその辺りを守ってくれるようになったし、守らなかった奴に実際に一度やってからは二度と守らない奴は出なくなった。一罰百戒とはよく言った物だが、厳しくするんだったらそれは必須だよな。

 そして俺は何故か怖がられる。カレーに漬け込んだ奴を縛り付けて永遠であるはずの神の身体が腐敗していくのを見せられながらも痛いとも苦しいとも言わずにひたすらにカレーを求め続けるとある破壊神の姿を見せただけだってのに、なんとも酷い奴もいたもんだ。創造神としては悲しくて仕方がない。

 

 さてそんな訳で、塞がれたダンジョンの穴と塔の神格の代行神の建てた巨大な塔のあるその場所で、俺はこの世界の材料と俺の技術だけで作れるカレーを作ろうか。

 ……勿論、神格相手には今までと変わらない味を保証するがな。

 

 まずは材料の収集だ。材料が無いと流石に作れないからな。世界を回っていいものを引っ張ってくるとしよう。

 


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