世界に存在していた魔物を元に迷宮のモンスターを作り、迷宮自体に自動修復機能やモンスターの自動生成機能を追加する。バランスとかは初めのうちは考えず、迷宮としての天井を作らずに後から後からばらまいていく。そうすることで世界中にモンスターが広がり、人間は追い詰められていくことだろう。
そして追い詰められて全体的に絶望感が広まったところで時間を止めて、開始の時を待つ。神々の間に暇をもて余す空気が広がった辺りで、俺の世界にご招待、と言うところだ。
そうすることで神々の存在価値を深く刻み付けることができるし、神々も娯楽を追い求める事ができる。神々に実際に力がないからと言って雑に扱えば神は消えてしまう。そう周知できれば神を一方的に拒絶することはできなくなるはずだ。
そして、俺の世界に行く神の数を多くすることで神からの理不尽も通しにくくできる。なにしろ不満があればその神ではない別の神の所に行けばいいのだから、神の方も人間から一方的に搾取するようなことは無くなるはずだ。無くなってくれなければ困る。
……ただ、身体の性能を人間のそれと変わらない物にするために神が入るための身体を作り、肉体を持つ精神生命体である神はその身体に入って行動してもらう。神の力については身体の方で放出口を絞り、極少量しか使えないようにすれば世界が歪むようなことはなくなる。ついでにその身体から出たら俺の世界から弾き出されるようにして、かつあまり強い神威を使ったら身体が弾け飛ぶようにすれば自動的に違反者を放り出せる。
……よりリアルにするために、賄賂だとかそういうのも多少は通じるようにしてある。なんで俺はそんなところばかりリアルにしようとしているんだろうな。自分のことだってのにマジで意味がわからん。
意味がわからないと言えば、こいつだ。いったい何をしに来たんだろうな、
さらに反射的に無想流舞で追いかけて壁コン決めそうになったがそれはなんとか抑えた。流石に挨拶に対して驚いたから壁コンは無い。驚いたからと言う理由でやっていいのは一発までだろう。そう何発も何発も叩き込むのは間違っている。ダンジョンに出会いを求めるのよりも間違っている。
まあ、ダンジョンである出会いは強敵との出会いやら宿敵との出会いといった全く甘みの無いものが殆どだが、たまに甘いのもあるから問答無用で間違いだと言う気はない。その前に大概死ぬだろうが。
だからこそ運命的とも言えるが、この世界における運命の神は俺だ。まともな運命が残っていると思うなよ?
「で、それはそうと何の用だ?」
「うぐぅ……お、オリュンポス、十二神の座を、譲っていただけないかと思い、推参した次第……!」
「俺は十二神に入ってないから譲るもなにも無いぞ」
この世界においては俺の代わりにハデスがオリュンポス十二神に入っているからな。一時期入っていたこともあったが譲った。
まあ、カレーとかをより上手く作る時間がなくなるからと言ったら満場一致で離れることができたあたり色々あれだよな。カレー中毒怖い。