そして既に炎上汚染都市は終わっている驚愕。
ついでにそのせいで某グランドアサシンがカルデアにやって来ていると言う意味不明さ。
あと主人公君の鬼引き。(酒呑も茨木も関係ない)
ありとあらゆる意味で、カオス……!
竈の女神、均す
神と悪魔の境界を曖昧にした上で、とある神の権能から作った悪魔を放ってから暫く。俺は久し振りに自分で作った世界を見ることにした。
……そして、放置しすぎたことを若干後悔した。
俺の作った人間や動物達はあえて不完全な形に作り上げておいた。失敗するし怪我もする。病になったらあっという間に死ぬし、時間の経過だけでも老いて死ぬ。そう言う存在を作ったはずだった。
それはそのままだったのだが、なんとその生物達は加速された長い年月の中で自分達の身体を作り替え、生きていくのにより適した形に構成を変えていた。
例えば、森ではなく平原に住むようになった猿のような生き物の一部は俺のよく知る人間のような形に。他の様々な獣も、元の獣としての特徴を残したままに人の形に近づいた。森の深部に暮らす者はその多くが強く獣の形を残した半獣人のような形であったり、狭いところを通ることが多い者は種族的に背が小さかったりと、様々な特徴を持った様々な種族に変わっていた。進化していた、と言うのが最も正しいだろうか。
ともかく、知らぬ間に俺の世界がファンタジーになっていた、と言う話だ。
そしてもう一つ。力も弱いし権能も無いが、この世界から生まれた神がいる。自然が力を得て形を取った精霊も生まれる可能性があるように整えたからそこまではあり得る話だと思ってはいたが、まさか自然に対しての信仰が全て俺に入ってくる中で新たな神格が生まれるとは。人間はこれだから面白い。
……しかし、人の住み家は地上、精霊の住み家は世界そのものと定めたが、神格の住み家は定めていなかった。まあ、新しく作るとしようか。
それと、食材になる動植物を放している世界も覗いておくとしようか。あっちはこっちと違ってかなり精密かつ厳格に作っておいたから進化や退化はあまりしていない筈だが、一応な。
元々が地球の変わり行く気候などに適応できずに死に行く定めだった種族を集めた場所だ。老衰を迎えた者や種族毎にあつめた物を食物として俺に捧げることでその世界で生活し、生き抜くことが許される世界。ぶっちゃけると自然界において老衰で死ぬような事はまず無い。老衰を迎える前に捕食される事が非常に多い。なにしろ自然界の出来事だからな。仕方無い。俺が欲しいのは信仰であって生贄ではないからこそできる取引だな。その点テスカトリポカとは仲良くできそうにない。あいつは信仰を生贄と言う形にして表すようにさせている。仲は悪くはないがけして良くはない。お互いに関わらないようにしているだけだ。
……いや、ギリシャでも生贄を捧げる系の話はいくらでもある。と言うか宗教的に生贄がない宗教の方が珍しかったりするんだが、俺は生贄として人間を捧げられるくらいなら料理された牛でも出される方が好みだ。エロ方面にはあまり興味ないし、食人の癖など持ち合わせは無い。見せしめ以外に生贄を求めるとすれば、それが間違いなく必要な時に限定される。かつてのトロイアのようにな。
……まあ、俺の作り上げた世界に新たな文明が現れたと言うのは悪いことではない。少々俺の意思が強めに出てしまっているようで、知性のある存在は大体人間に似た形をしているんだが……まあ、それは問題とは言えない単なる事実だ。悪いことではない……と、思いたい。
さて、それじゃあ適当に拾ってくるか。何の権能も持たない未熟な神格だろうと、鍛えてやれば力は着く。俺はこの世界においてはおよそ全能だが、完全に全能な存在にはなるつもりはない。ほぼ自動で世界の運営はできているから全能になる意味もない。必要ないならやらないのが俺のやり方だが、やった方が後々楽になるならやっておくことにしている。俺には向いていない権能もそれなりにあるからな。その辺りは押し付ける感じでな。