第一特異点 炎上汚染都市冬木(カレー)
藤丸立香は転生者であった。正直(転生するにしてもFateは辞めときゃよかった……)と思っていたが、それでもまあ転生しちゃったものは仕方がないし一応転生特典らしき物として『使えば使うほど魔力量が上昇する体質』と言うものを持たされていたため必死にやればなんとかなると言うがなんとかなってくれないと困ると思いながら、カルデアと呼ばれた場所で目覚めた時にそこに居た少女───マシュ・キリエライトと話をしていた。
ついでに比較の獣もいたが、自分から逃げようとしないので恐らくなんとかなるんだろうと思いつつ会話を楽しんでいた。
そしてそこから暫くは藤丸立香の知っている通りに話は進み、レフと出会い、所長に怒られ、ロマンと出会い、カルデアが爆破され、マシュを探し出して手を繋ぎ、レイシフトした。
───そこからは、何もかもが違いすぎる英霊達の戦いがあったのだが。
炎上汚染都市冬木と呼ばれていたその地にて行われた聖杯戦争は、いまだに続いていた。それも、多くのサーヴァントが生き残った上でそれぞれの形で戦いが起きていた。
脱落者、0人。サーヴァント数、12体。意味がわからないことにグランドアサシンがこの特異点に召喚されており、ちょっとどころではなく発狂しそうになっていた。マシュが隣に居てくれなければ、間違いなく叫び出していただろう。
あと、一人若いけれど同じ顔が三つ並んだキャスターや、『自害せよ、ランサー』と言われると赤い槍で心臓を貫いたふりをしつつ血糊を吐いて倒れるランサー、身体はカレーでできていると言う詠唱により相手の骨や肉を使ってカレーを作るアーチャーに、宝具の名前がエクスカリーバーやらエクスカリーバー・ガラティーンやらに変わっているセイバー、普通に会話が成立する超理性的なバーサーカーが二人に、子供とはいえ英雄王。まともに見えるのはライダーだけと言う頭がおかしいんじゃないかとしか言い様の無い状況。あと、マシュはカレーを食べてから凄く元気になっていたり、宝具の名前がわかったり、所長は死んでいたけどこちらでカレーを食べたら肉体が蘇ったり、原因と思わしき場所に行くと前回の聖杯戦争での敗北者である二体のサーヴァントと戦うことになってなんかよくわからないうちに熱砂の平原がカレーに侵食されて大変なことになったり、鮭跳びの秘技でランサーと技を競っている最中に現れた死んだ目をした神父が『自害せよ、ランサー』したせいで前のランサーが血の涙を流しながらこっちに文句言ってきたり……。
ちなみに、最後のに関しては俺は悪くない。それだけは言わせてもらう。俺は、悪くない。
ちなみに『自害せよ、ランサー』と言った所で自害したふりをしたランサーの前で前回のランサーが自害したところ、ランサーが起き上がったせいで起きた悲劇なので悪いのはランサー。間違いない。
なんか「俺か!? 俺が悪いのか!? 言峰の野郎が原因だろうがよ!?」とか言う声が聞こえたけど、きっと気のせい。疲れた。
そんなこんなで召喚されていたサーヴァント達と一緒に冬木の大聖杯を守っていたサーヴァントを倒して大聖杯に向き合ったら、いきなり現れたモジャ髪緑教授。そして直後に現れたどっかで見たことのある帽子を被ったどこかで見たことのある少女……と言うか洩矢諏訪子が、突然のセッカツぶっぱからのナギで追いかけてからの壁コンを始めた。なんかさっきから視界にHPバーと七星ゲージが出てきててなんだと思ってたら、なるほどこれか。
しかしレフも流石は魔神柱と言うべきか、反撃をしようとするもそれを読んでいたかのような1F当て身。そしてなぜか突然流れ出すテイルズオブジあべし。なんでだ(白目)。どこから流れてきてるんだ(発狂)。
せんぱーい!と可愛い後輩の声が聞こえるが、ちょっとなかなか戻ってこれそうにない。なぁにこれぇ(白目)。
さらに体力を削り終わったと思ったらレフが魔神柱になって第二ラウンド開始。直後にブーバニブーヘヴィブーテンショーナギセッカツ破顔拳で一撃決めた。星取り上手すぎんだろ一瞬で五個溶けるとか意味がわからないよ(過呼吸)。
まあ、一番訳がわからなかったのは間違いなくレフだと思うけどな。魔神柱状態でラウンド開始二秒で『ちにゃっ!』されるとか予想してなかっただろう。できてたまるかって話だが。
そして決め台詞。
「せめて安らぎを知らず痛ましく死ぬがよい……」
逆ぅぅぅぅぅぅ!? 全てが逆ぅぅぅぅぅ!?
あ、ちなみに頼んだら聖杯は貰えました。やったぜ(白目)。
ちなみに所長はレフが自分を殺したと言う事実に放心して、立ち直って、レフがボコされていると言う事実に放心して、立ち直って、レフが変身したと言う事実に放心して、立ち直って、変身したレフが一方的にボコされていると言う事実に放心して、立ち直ろうとしたところに現れた麻婆神父に愉悦されてなんか大変なことになっている。助けてあげたいのは山々だけど、今はむしろ俺を助けてほしい。でも所長ヘタレかわいいから頑張って助けてあげなきゃ(使命感)。
(自分も余裕があるわけではないのに所長を慰めて……さすが先輩です!)
俺の可愛い後輩がなんだか可愛いことを考えている気がする。誉めなきゃ(使命感)。
あ、それとライダーさんから触媒もらいました。