俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の巫女、乳を盛る

 

 俺が人間であった頃には様々な情報が溢れかえっていた。本当かどうか怪しい情報も多かったが、間違いなく事実だろうと思えるもの。試したら事実だったものなど、物は様々だ。

 そんな中で、俺は一つ事実らしいと思える情報を持っている。

 

「ぁ……んんっ!」

「はい次これ飲んでー」

「な、なんや、これぇ……っ」

「豆乳にまあ色々と混ぜた特製の飲み物? 結構エネルギー高いのに吸収がいいから脂肪がつきやすくなるんだが、マッサージで血行を弄ってちょいちょい手を加えれば脂肪がつく位置を限局することができる。簡単に言うと腰回りには脂肪を付けないまま胸とか尻にだけ脂肪を付けて大きくできる訳だ」

「はぁんっ!?」

 

 悶えるロキ(関西)の口にストローを近付けると、ロキはなんとかそれにぱくりと食らい尽く。粘度の高い特性ドリンクをちゅうちゅうと吸い込もうと頑張っているが、マッサージ(意味深)のお蔭か力があまり入らないらしく吸い込めていない。仕方ないので若干水を加えて混ぜてもう一度渡すと、今度はちゃんと飲んでいく。今度からはこのくらい薄めた方が良いらしい。俺は学んだ。

 さてマッサージマッサージ。何で俺こんなことできるんだろうな? もしかしてこれも地母神とか豊穣神とかの権能のうちなのか? 植物とかの成長だったら豊穣で間違いないと思うんだが、胸の成長まで豊穣の権能として扱っていいのか微妙なところだ。別の権能なのかもしれんが、じゃあ実際にはどれが働いてるのかと聞かれても俺にはわからん。考えたこともないからな。

 ……しかし、揉んでてあれだがかなり板だな。胸とか乳と言うより肋骨だ。前後のわからない服を着ていたら普通に前と後ろを間違えそうだ。男でも女でもあるせいか態度がかなりボーイッシュだし、男物の服を着ていたら性別を間違える奴が続出するんじゃなかろうか。

 と言っても、こうしてそうした現状の改善に協力してるんだからちゃんと『男っぽい服を着た女』として認識されるようにそれなりの努力を払おうと思う。背中と胸の見分けの付け方が顔の向きとか足の指がどっちを向いているかとかそういうのじゃなくてもわかる程度には。

 

 ……ただ、神格と言う存在は自身の司るものを完璧にこなすために自身の身体を司るものを十善に行えるように固定する。戦争や戦乱を司るならば、筋肉が多く脂肪が少ない身体になりやすい。ロキは戦乱こそ司らないものの、名前からして終焉を司る存在ではある。要するに、何かを作る側か壊す側かで言えば間違いなく壊す側であり、そう言った存在は男性であるならば筋肉の鎧で全身を覆った逞しい男であることが多く、女であるならば司る物が軍略などでもない限りは脂肪は薄く、代わりに筋肉が付きやすい物なのだ。極一部例外はあるが、戦いと美の両方を司る女神などそうはいない。そしてロキは美を司ってはいない。つまり、燃料として大量に食べても通常は筋肉になるばかりであり、脂肪がついたとしても真っ先に燃やされることになる腹部に集中しやすいと言う事だ。俺とは逆だな。俺は筋肉は付きにくいし脂肪が乗る時には胸から乗って腹回りから落ちる。勿論落とそうとすれば胸からも落とせるがな。

 そんな考え事をしつつも手は止めず、ロキの……胸腹部をマッサージしつつ脂肪がつきやすい物をどんどんと取らせる。腹回りに付くはずの物を胸に持ってきてそこで止めるのは自分の身体でないと少々難しいが、まあできなくはない。暫く続ければちゃんと胸に多少は肉のついたスレンダー美女になるだろう。今だとまな板だとかロキ無乳とか言われても何の反論もできないレベルだからな。比較対象にドラム缶出されても涙を呑むしかできない。胸から腹にかけては特にな。

 ……腰はほっそいんだが、尻も胸もうっすいんだよな。馬に化けた時によくもまあ誘惑できたもんだと思わせられる。

 

 ……あ、ビクンビクン身体が跳ねた。ではもう少し続けるとしようか。オイルマッサージ系のエロAVのような光景だが、求めているのがそっちの方向だからな。仕方ない。

 やろうとすれば本当にそっち系に堕とすのもできなくはなさそうだが、こいつを相手にそれをやると後々面倒事が降りかかってきそうで気が引ける。と言うかやりたくない。今だけの関係とさせてもらおうか。

 




 
 ロキのヘスティアに対する呼び方がドチビからおチビに変更されます。

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