俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、少し怒る

 

 ギリシャ神話に限らず、多神教の神話では好色な神が多い。特に神同士だけではなく神と人間の間に子供を作ることのできる神話だと、一部の神が人間を浚って子を仕込んだり、英雄の多くが神の血を引く存在であったりするのも珍しくは無い。

 ギリシャ神話において特に好色であるのはゼウスであるとされている。しかし、ギリシャ神話において最も子供の数が多い神格は、ポセイドンなのである。

 ポセイドンの子の数は3000と記されている。しかし、古代のギリシャにとって3000と言う数の持つ意味はそれだけではない。日本で言うところの八百万と同じように、無数であると言うことを表す数字であり、実際の数を表しているわけではないのだ。ポセイドンの血を引く子供の数は世界中に存在する川の数に等しいとされ、それぞれの川に一人ずつが宿り、治めているらしい。

 子供の数だけで言うならば原初神の一柱でもあるガイアも相当なものだが、世界そのものを司る神としての一面を持つ原初の地母神を相手に子供の数で張り合えると言うのはもうすでに頭がおかしいとしか言えないだろう。

 

 そして、ギリシャ神話においても子作りの儀式は変わらない。男神女神関係なしに時には単独で子を作ることもあるが、そうして産まれた神よりも男女の交わりによって成された子の方が多いのも確かだし、ポセイドンの子はほぼ全てがそうして作られている。

 そして当然、それだけ子作りができるほどの精力を持っている存在がいて、子供のように自重することを知らない状況で、綺麗なお姉さん(主にデメテル)と長いこと過ごしていればどうなるか……予想するに難くない。

 確かギリシャ神話の中で、デメテルはゼウスとの間だけではなくポセイドンの間にも子を作っていた。それもゼウスと同じように無理強いする形で、だ。

 

 何が言いたいかと言えば……

 

「ヤり捨て前提で女を抱きに走るならせめて相手の同意を得た上でやれって言うすっげえ簡単な話なんだが、わからねえ訳ねえよな?」

 

 実行しようとしやがった馬鹿が涌いたわけだ。ちなみに相手はヘラ。ポセイドンを任せようとしてしまった俺にも責任はあるんだが、本当に襲われる前に気付けて良かった。

 

「えー? 女ってのは子供を作るのが仕事みたいなもんなんだろ? いいじゃん」

「当人の感情やら状況やら相手の能力やらを鑑みた上で当人同士がいいと思えばの話だよ。それもできてねえのにいいわけあるか」

「でも俺も我慢できねえし? じゃあ何か? ロリ姉貴が相手してくれんのか? 俺はそれでもいいぜ?」

 

 …………。

 

「……いいだろう、相手してやる」

「お、マジ? 言ってみるもんだ」

 

 

 

 

「お前にやる気が残ってたらな」

 

 

 

 

 ※以下の音声はイメージです

 

 バトーワンデッサイダデステニー セッカッコー ペシッペシッペシッペシッ コイツハドウダァ ホクトセンジュサツ ナントバクセイハペシッフハハペシッペシッフハハヒカヌッ ムソウインサツジョイヤードゴォペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッペシッ シバッテアゲルドゴォペシッペシッペシッキィンキィンペシッペシッペシッキィンィキィン ソコダッフゥゥザシュッペシッペシッペシッペシッペシッキリサケッソコダッ ナントハクハザンフハハハハクラエィ ホァタァアチョホアタァアチョーテンハカッサツホクトウジョーモーショーハ K.O アンシンシロ、マダヒコウヲツキキッテハイナイ(意訳:こんなもんじゃねえぞ)

 バトートゥーデッサイダデステニーホクトスイブゲキナギッホクトサイハケンミエルハズダアノシチョウセイガナントコウカクケンオウギケッショーシッ マダマダヒヨッコダァ

 

 

 

 

「で、ポセイドン(クソガキ)。ヘラに何か言うことはあるか?」

「ヴぉめんあはいおぇがわゅはっはりぇひゅゅうひえくぁはいゃんれもひまぅ」

「なぁ~にぃ? 聞こえんなぁ? なるほど。謝る気は無いと。じゃあもう一回通しで殺るぞ」

「ヒィィッ!!?」

 

 

 

 ※以下の音声はイメージです

 

 バトーワンデッサイダデステニー トベウリャッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッK.O.ベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッ――――――

 

 

 

 お仕置き無限ループは文字通りデメテルが身体を張って止めるまで続いた。

 そしてこれ以降、ポセイドンは俺を見るたびにびくびくするようになり、ついでにデメテルに本気で惚れるようになったようだ。

 




 
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