海。それは地球に住む人間たちにとって身近な危険地帯であり、同時に神秘の塊でもあり、一部の者にとってはロマンや夢を探すための道であり、謎に満ちた場所であると同時にその謎を覆い隠すベールでもある。
海に触れた人間はその広大さに驚き、あるいは憧れ、時にその存在と一つになろうと身を投げ、または海からの恵みを食み、海と共に過ごしていた。
前世の21世紀においては恐らく最も身近な自然の謎のある場所であり、深海などはいまだに人間の知らない事実で満ちている。人間自身が人間のことを全て知っているわけでもないのだから人間以外に謎が残っていることは全くおかしくもなんともないが、生物分野において深海の生物はその他の場所に生息している生物とは見た目も機能も全く違う独自の進化を遂げているため、とても珍しく、貴重な研究材料とされてきたこともあった。
日本人的に考えれば……グロい魚は大概美味い、と愛されてきた存在でもあるな。同時に、非常に重要な塩の産地でもあった。いくら取っても取り切れないほどにそこにある塩気のある水は、恐らく古代の日本人たちには喜ばれたことだろう。俺はにがりとかが取り切れていないえっぐい塩はご免被るがね。
しかし、そのえぐみこそが海水塩の特徴。量が多ければ食えたもんじゃないが、ある程度までならむしろ風味や旨味となる。日本の料理はそう言った旨味を扱うのが多いのか、実に塩の扱いや製法が上手だ。と言うか、何より誉めるべきは日本人の食い意地だろう。本当にありがたい。日本万歳だ。だが
と言うことで、海と地下水の神であるポセイドンが
……ちなみに俺はそう言うことにはあまり興味がない。度重なる爆発や高熱の環境によって肌には普通に傷が沢山付いているし、両手は最近少し良くなってきたが一時期は
まあ、実は薬品製作によって作ったポーションのようなものやポーションのようなものを混ぜて作ったクリームでも塗って大人しくしていれば古傷も残さず綺麗になったりするんだが、都合がいいので傷は残したままにしているのだ。無いとは思うが、この身は竈の女神であるヘスティアだ。アポロンとかに婚姻を迫られても面倒臭い。無理に迫られたりしたら対
しかし、いったいどんな遺伝の仕方をすれば大地と農耕の神と地母神の間に海神が産まれるんだ? ギリシャ神話において地母神は大地だけではなく人間の住む世界と物理的に繋がっていればその場所も司れるらしいから変ではないのかもしれないが、俺の感覚からするとやはり奇妙で仕方がない。それを言ってしまうと大地と農耕の神と地母神の間に天空神が産まれるのもおかしいのだが、同じ理由でおかしくは無いのだろう。何しろ当時は遺伝の法則なんてものは発見されていなかったし、発見されていたとしても神の場合でも同じ法則が適用されるとは限らないからな。だからこそ神なわけだし。
それに、海と言うのは広大だ。ポセイドンの場合は海神と言う一面が最も有名だが、地下水や河川の水も司れるし、地震を起こすこともできる。
つまり、ポセイドンがその気になればいつでもどこでも天然の温泉を沸かすことができると言う訳だ。超絶便利な権能だとしか言いようがない。暮らしに密着したある意味最高の権能だ。俺も水系統に干渉できうる権能が欲しかったが、今のところできそうにない。水ではなく冷気なら何とかなるし、権能以外なら水だって使えるんだが、権能があるとないとじゃ大違いだからな。