俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の巫女、心配する

 

 かつて世界は一つであった。そう言う奴が居るが、実際のところそんなことはない。多くの世界は確かに繋がっていたが、それでも繋がりを持たない世界も数多く存在していた。

 メソポタミア神話においては冥界も地上も神の居る天も全ては繋がっていたが、しかしメソポタミア神話とケルト神話には繋がりなど全くと言って良いほど存在しない。神話圏同士で独立している二つの世界は、触れることも交差することもなく終焉を迎えたのだ。

 だが、この世界においてはもしかしてもしかするとギルガメッシュが遠征と称してケルト神話圏を目指して進んでいく可能性もあるし、ついでに言うとモンゴルの大英雄であるチンギス・ハーンがギルガメッシュと戦うと言うことも可能性としては存在する。何が起きても全く以って不思議ではない。

 神秘が失われていくのは、ソロモン王が神から受け取った全てを神へと返還した時からだと言われているし、実際に王権を神から受けたとされる国はソロモン王以降には急激に減っていく。否、王権を神から受けたことにしなくとも人間の中で王を決めることができるようになったと言うべきだろうか。

 軍神マルスの子であり、ローマと言う国を作り上げた後に神にまで祭り上げられたロムルス。

 俺の知る歴史において最も有名な最後のブリテンの王、騎士王アーサー・ペンドラゴン。

 西暦2000年を越えても存在し続ける数少ない神授された王権を保有する国、日本。

 まあ、恐らくこの辺りだろう。歴史についてはあまり詳しくないからこのくらいしかわからないが、十分じゃないか? 知らんが。

 

 それはそれとして千年秤が奪われたそうだ。神官シャダがカレーをむしゃむしゃやりながらそう教えてくれた。千年秤を持っていると言う事は、魔力の限りに魔物を召喚できると言う事。そして同時に魔物同士を融合させる能力を使うことができてしまうと言う事でもある。

 元々それなり以上に強い狂信者の精霊と、狂信者が召喚することのできる中でもかなり強い魔物の融合。さて、それはいったいどの程度強くなるのかね。

 ……あと、選ばれた王だけが神の名前を知ってそれを操ることができるって話だが、名前を知ってさえいれば操ることができるなら狂信者が戦ったばかりのオベリスクを呼び出した上で千年秤の力で融合させたら凄いことになりそうな気がするんだがその辺りはどうなんだろうな? 王の持つ千年錘でなければ呼び出せないって言うのなら、逆に言えば千年錘さえ奪ってしまえば神を呼び出して融合できると言う事になる。そんな奴を相手にしたら、いったいどうなることやら。

 こいつらなら何となく勝ってしまいそうな気もするが、一応注意しておいた方が良いかもな。

 




 
 今回のバクラ&アテム

アテム「で、この世界だと融合って数値どうなるんだ?」
バクラ「消費量が二倍になるが数値は乗算だ」
アテム「おま、それ狙って奪ったな!?」
バクラ「リングから行かなかっただけよかったと思いやがれ!」

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