俺は竈の女神様   作:真暇 日間

226 / 330
竈の巫女、知った

 

 花拳繍腿。どれほど派手でどれだけ美しくとも、中身が無ければ使えない。花粉も蜜も持たない花は、どれだけ美しく、どれだけ人の目を惹こうとも、結局のところでき損ないでしかない。

 実のところ、日本刀もその部類に入ることが多い。美しく、そして技術を持つ者が振るえば鉄兜すらも両断することのできる日本刀だが、戦いとなれば日本刀よりも槍の方がよく振るわれた。その理由こそが、間合いの差と使いやすさであった。

 日本刀は確かに良いものだ。美しく、切れ味もいい。しかし、三人も斬れば血糊や人の脂がべっとりとこびりつき、切れ味は見る影もなくなってしまう。それに比べて槍ならば刃がなまくらになっても思いきり振り回せば十分に敵を殺すことができる。それに、刀よりも長いのでより効率良く敵を殺せるし、刀と向き合うことになっても相手をしやすい。戦場において刀を使うのは敵の首を切り落とす時くらいだと言われていた理由はそこにあるのだ。

 

 まあそれは兎も角、突然現れた恐らく二十世紀終盤あたり出身だろう少年少女+1に話を聞いてみたところ、この世界のどこかに彼らの友人が居るらしい。で、その友人の手助けをしに来たらしいが、恐らくそれは王の事だろう。一人顔がそっくりな奴が居るようだし。まず間違いなくこいつらはあの王の味方なのだろう。

 そう言う訳で、この世界の終了条件、つまりどちらかの勝利条件を聞いてみたが、王の失われた名前を知り、そしてあの王に伝えればいいらしい。ちょいと遠見の術で王の名の記された石板を覗いてみたが、古代エジプトの文字は読みにくいな。読めるが。

 ちなみにだが、日本語に無理やり当て嵌めて言うならば『アテム』と言うらしい。態々無理やり当て嵌めなければ発音もできない名前だが、これは恐らくエジプトの神格の名前から来たものだろう。少しだけもじった神格の名前知ってるし。

 まあ、これがゲームと言う事が分かったので俺は手は出さないようにしておこう。もう手を付けちゃった部分は仕方ないが、これ以上はな。

 だからと言って、目の前でカレーを食っている神官を追い出したりはしないぞ? 店をやるのはいつも通りだ。手を付けた部分扱いだから大丈夫。

 つい最近、ターメリックドラゴンがなんか分裂してクミンドラゴンが増えたし、キサラに任せたとしてもこの店はしっかり守って行けるだろう。もう少し待ったらまた新しいのが増えたりするかもしれないが、時間はあまりないからな。

 

 そんじゃまあ、遊びに行くとしようかね。

 




 
 今回のアテム

アテム「神の攻撃!ゴッド・ハンド・クラッシャー!」
狂信者「マ・ワ・シ・ウ・ケ……」
アテム「 」
狂信者「ガソリンはお好きかね?」ラセンハドー
アテム「ぐぅぅっ!?」

アテム「おい獏良こいつ強すぎだろ」
バクラ「お前んところのが言うな馬鹿野郎」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。