俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の巫女、招き入れる

 

 戦いが始まる。それは邪神を信奉する狂信者と、生き神を信奉する神官たちの戦いだ。邪神の名はゾーク・ネクロファデス。生き神の名は……その代によって大分違うが、当時の(ファラオ)が生き神として奉られる。

 ある意味では宗教戦争のような物だが、現状ではどうやら神官団に天秤が傾いているらしい。王の召喚したオベリスクの巨神兵と対等に殴り合うディアバウンドと呼ばれる精霊獣に、突然横から魔導波が襲い掛かる。大きなダメージを受けたディアバウンドは壁をすり抜けて姿を消そうとするが、それを神官シャダの精霊であるZ・E・R・U・Aによって妨害される。

 うろたえている隙に叩き込まれたオベリスクの巨神兵の拳によってディアバウンドは吹き飛ばされたが、瞬間的に螺旋波動を放ってオベリスクからの攻撃の威力を抑えると同時にZ・E・R・U・Aの特殊能力を振り払い、そのまま逃走していった。

 その場に狂信者はいないが、狂信者がどんな顔をしているのかは簡単に想像できる。発狂するほど怒り狂い、その直後に神からの試練と自身を納得させて恍惚の表情を浮かべているだろう。狂信者と言うのは変態が多くて困る。極たまにではあるが、性的な意味以外の変態すらいるのだから救いようが無いな。本当に。

 そんな救いようの無い狂信者にいいように使われているディアバウンドと言う精霊獣に軽く残念な物に向ける念を送り付け、そして俺はいつもの通りに店を開く。

 

 ……だが、どうやら今日はずいぶんと変わった日のようだ。この世界に存在しているにも拘らず存在していない何者かが、俺の店にやって来たのだ。

 流石に俺の結界は超えられなかったようで壁をすり抜けてこようとして思いっきり頭をぶつけたようだが、それに関しては自業自得だ。

 人数は恐らく五人。声からして男が三人で女が……ん? どっちだこれ。女っぽい声の奴が二人いて、片方はまず間違いなく女だろうがもう片方が微妙だ。気配的には男四人の女一人ってところなんだが、俺にも読み違えは割と普通にあるからな。

 だが、ここまで近くなればまあまず間違いはないだろうと思われる。外にいるのは男が四人に女が一人、ついでにほぼ全員が時間軸的には未来の記憶を持っているのも会話の内容から聞き取れる。ついでに四人は日本人、あるいは相当長い間日本に暮らしている。

 どうやらこいつらも俺と同じように招かれてもいないのにこの世界に来た存在らしいが、力自体はそこまで強くないな。精神力だけはそれなりに強いようだが。

 

 ……まあ、悪意はないようだし、一応招き入れてはおこうかね。

 




 
 今回のバクラ

アテム「おいバクラ。本当に大丈夫なんだろうな?」
バクラ「たりめーだ。俺様を誰だと思っていやがる」
アテム「病人」
バクラ「 」

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