俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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ホヒ(仮)、練習する

 

 最近、お師匠サマの模擬決闘での勝率が凄いことになっているようです。

 一番は間違いなく神官シャダ。全特殊効果封印からの連続攻撃は、反撃の余地の一切を奪い取る。その上あの攻撃力は最早反則に近い。

 神官シャダ対他5神官の戦いでもよほど上手くやらない限り神官シャダの精霊には勝てそうにない。そのため最近は模擬決闘で神官シャダは自分の精霊であるZ・E・R・U・Aを禁止されるほどだ。

 二番目に強いのが、千年輪を無くしたお師匠サマ。千年輪の邪念を封印していた魔力を精霊に回し、そしてカレーの力でさらにパワーアップした。精霊を出している間だけ髪が金色になって目が白目になるようになったけれど、その理由はわからない。

 ちなみに私はそんなお師匠サマの精霊との相性が抜群らしいので、王宮に普通に入ることを許されている。これからはこっそり入ってこっそり出るなんてことをしないでいいのは楽……かな?

 それから神官セト。結構カレーを食べているはずなのに、神官セトの精霊であるデュオスはカレー・マジシャンにもカレー・マジシャン・ガールにも、当然だけどZ・E・R・U・Aにも及ばない。カレーを食べるときにカレーに集中していないのかもしれないね。わからないけど。

 後はまあ、少し前までの私だったらきっと凄い強いんだろうと思っていたけど、今のお師匠サマと神官シャダを見ていると何となく物足りない感じがする。行きつけのカレー屋さんにいるキサラさんなんてもう本当に凄いからね。色々と常識がおかしくなっても仕方ないんじゃないかな? わからないけど。

 

 そして私は今、出せるようになったばかりの精霊と一緒にお師匠サマと模擬決闘をしています。

 

「魔導波!」

「魔導波!」

 

 カレー・マジシャンとカレー・マジシャン・ガールの間で魔導波が衝突して、あたりに衝撃波が広がる。威力はほぼ互角。少し前まで精霊を見ることもできなかった私の精霊が、こうしてお師匠サマの精霊の攻撃と相殺できるくらいの威力を出せるっていうのは中々凄いことだと思う。

 お師匠サマの精霊は高速で移動を続ける。その動きはしっかりと洗練されていて、お師匠サマが精霊をしっかりと使うことができているってことがよくわかる。

 けれど、半人前なら半人前なりにできることはある。動くことや反応の殆どを精霊自身に任せて、私は攻撃やどうしても必要な時に魔力を送ったり不意打ちを受けそうな時に念でそれを知らせたりすることで何とか渡り合うことができている。お師匠サマと違うのは、私はまだ精霊魔導士としては半人前で、ちゃんとした形で精霊に力を送ることができないと言う事。その辺りはまあ、これから何とかしていくようにする。

 

「暗黒魔連弾!」

 

 ! 連撃!? そんなことができるのか!

 なんとかカレー・マジシャン・ガールに避けてもらってから、私は今の攻撃を思い出して真似る。呪文の内容もよくわからないけれど、私は呪文以外で様々なことを行う魔術師のような存在を良く知っている。

 だから、ちょっとどころじゃなく複雑だけれど真似だけならできる!

 

「暗黒魔連弾!」

「ぬぅ……!」

 

 ……と言っても、真似できているのは『連射する』所だけ。一発ごとの威力は魔導波とそう変わらない程度だし、連発するせいで反動が大きくて狙いも定めにくい。これは私用に何とかしないと私が足を引っ張ることになりそうだ。

 けれど、知識が足りない。見様見真似ではどうしても限界が来るし、何とかしてたくさん知識を得ないと……。

 

「……今日はここまでだ。これ以上は結界が持たん」

「はいお師匠サマ!」

「……強くなったな、マナ」

 

 髪が金色になっている間は口調も少し乱暴になるけれど、そうでない時は普通に優しいお師匠サマ。私は、これからもっと強くなって、いつかお師匠サマの後を継いで立派な神官になってみせます!

 




 
 今日のバクラ

「あ、猫だ……いっぱいいるなぁ……よしよし」

(蒸す!すっげぇ蒸すぞここ!? あまりに蒸しすぎてちょっとどころじゃなく気分が悪いぜ……うぇっぷ、吐き気がしてきたぜ……身体ねぇのにな!)

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