俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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マハード「マナ。お前がこれほどの力を得たのには理由があるはずだ。何をした?」
ホヒ(仮)「えっと……多分、あれだと思います!」


ホヒ(仮)、案内する

 

「うまい……うまい……」←お師匠サマ

「おいふぃおいふぃ」←カレマジガール

「……」モッシャモッシャ←神官シャダ

 

 お師匠サマが私の実力が急に上がった理由を聞いてきたので、とりあえずカレー屋さんに行ってみた結果、凄まじい勢いでのめり込み始めた。既にカレーの皿を六つほど積み重ね、七つ目に突入したと言うのに、食べる速度は下がるどころかむしろ上がっているようにも見える。

 そしてそんなお師匠サマの倍速で食べ続けているのが私の精霊カレー・マジシャン・ガール。三倍速で食べ続けているのが神官シャダだ。あの身体のどこにあれだけの量のカレーが入っているのかちょっと理解できない。食べすぎとかそんな話じゃない。明らかに体積的におかしい。しかも食べても食べても体に反映されないってどう言うことなの……?

 

「おかわりいただけるだろうか」

「ルーだけが残ってしまっている……もう一度ごはんいただこう」

「おいふぃおいふぃ」

 

 と言うか、精霊がごはん食べるってどう言うことなの? 精霊に食事って必要だったっけ?

 世の中理不尽なことばかりだ。この店のオーナーさんがその筆頭だけれど、最近は神官シャダもまた理不尽に染まってきている。私の周りに一般人が居なさすぎて辛い。千年アイテムの力を借りて魔物を操る神官たちが一般人なわけがないから当たり前と言えば当たり前なのだけれど。

 そう言うのもあって、よくわからないままにどんどんとカレーのお皿が積み上がって行く。一皿ずつ片付けないと油で裏側まで汚れてしまって手間がかかるだろうから私は気を付けているっていうのに、いい年した大人がどうしてそんな事にも考えが回らないのだろうか? これもカレーの魔力かな?

 カレーの魔力なら仕方ない。カレーは美味しくて正気を失ってしまうこともあるからね。初めて食べた私のように。

 ……でも、なんでかな。初めて食べたカレーの方が、今食べているカレーよりも美味しく感じるんだよね。思い出補正って奴なのかもしれないし、あの時は凄くお腹が空いていたからそのせいかもしれないけれど、

 ともかく、力を得る前と得た後の違いと言えば、私はここのカレーについてしかわからない。それ以外にもなんだかよくわからない罠に引っかかって砂漠の真ん中に飛ばされたりもしたけれど、あれの後に何かがあったって言う訳でもない。やっぱりカレーが一番怪しい。カレーと言うよりもベルさんが一番怪しい。

 

 そう言う訳で連れてきたんだけれど、どうやら当たっていたらしい。お師匠サマの魔力はどんどんと増強しているようにも見えるし、それに合わせて精霊も変わってきた。

 幻想の魔術師からカレーの魔術師(カレー・マジシャン)へ。幻想の呪縛以外にも様々な効果を得て、さらにお師匠サマの魂力も上昇しているような気がする。気のせいかもしれないけれど。

 




 
 今日のバクラ

獏良「どこに行っちゃったのかなぁ……千年リング」

バクラ(猫くせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!)

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