俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の巫女、強くする

 

 王家の谷と呼ばれる場所がある。そこは名前の通りに王家に関わる場所であり、具体的には数々の王墓がそこに存在している。

 その近くに隠れるようにしてあるのが、盗掘者たちが集まってできた盗掘者の村、クル・エルナ村。今となっては廃村だが、そこでかつては虐殺が起きていたと言う。当時の王であるアクナムカノン王が命じた千年アイテムの製作。その製作のために九十九人の生贄が必要だったため、犯罪者であった盗掘者たちの村を襲って贄とした、らしい。

 とは言え、アクナムカノンがそのことを知っていたかどうかは定かではない。千年アイテムを作ることを命じはしたが、それを作るために贄を必要とするかどうかを知らなかった可能性は十分にある。責任が無いわけではないから何を言おうと無駄ではあるんだが。

 

 さてそう言う訳で、この場所には怨念が大量に存在しているわけだ。人間ってのは実に欲深く、厄介で、自業自得を認めたがらない我儘な存在だな。俺もだが。

 そうした怨霊から怨念を抜き出して、霊体は冥界へ送って怨念自体は純化して精霊の強化に使う。怨霊そのものを使えばそいつが存在している限り際限なくエネルギーの湧き出す炉を作り上げることもできなくはないと思うんだが、それをやると流石に切れられるかもしれんからな。オシリスあたりに。ここでは関係無いかもしれないが、事実上エジプト神話圏の冥界の支配者はオシリスだからな。

 効率は悪いが、それでも冥府を支配する神格を相手にするのは面倒臭い。それはかつてエレシュキガルを相手にした時にはわかっていたし、あの時も正直ギリギリだった。あっちが俺と同じように人間に降りていなかったら危ないところだった。あの時ほど色々と権能をかじっていてよかったと思ったことはない。死の権能のおかげでこっちもあっちの行動に対処できたわけだし。

 そこで、狂化強化された俺の精霊がこちら。

 

 Sin モウヤンのカレー屋

 カレー属性 幻想神族

 攻撃力0 守備力0

 この魔物は攻撃対象として扱われない。この魔物が存在している限り、カレー属性の存在の攻撃力と守備力、魂力の上限が現在値の二倍まで上昇し、最大値まで回復する。上限が存在しない場合、バトル開始時の二倍の値が適応される。

 呪い及び毒と言った悪性の状態異常を無効化し、そのターンに死亡した存在を任意で復活させる。

 破壊及び除外された時、『Sin 怒れるモウヤンのカレー屋』を手札・デッキ・墓地・エクストラデッキ・除外された中のどこかから特殊召喚する。

 

 Sin 怒れるモウヤンのカレー屋

 カレー属性 幻想神族

 攻撃力8000000 守備力8000000

 一度Sin モウヤンのカレー屋が召喚されていなければ召喚・特殊召喚できない。Sin モウヤンのカレー屋が一度召喚されているにも拘らず場に存在しない時、手札・墓地・エクストラデッキ・除外されている中から特殊召喚できる。

 この魔物が場に存在する時、フェイズ毎に相手の魔物は攻撃力と守備力が5000ずつ減少する。攻撃力と守備力のどちらかが0あるいは0を下回った場合、そのモンスターは破壊あるいは除外される。破壊か除外かはこのモンスターの所持者が任意で決定できる。

 この魔物が場に存在する時、相手は攻撃できる全ての魔物でこの魔物を攻撃しなければならない。攻撃しなかった場合、攻撃しなかった魔物一体ごとに魂力(ライフ)を4000支払わなければならない。

 この魔物は相手に攻撃された時、相手の攻撃力の二倍攻撃力が上昇し、相手の守備力の二倍守備力が増大する。

 この魔物は敵召喚者を直接攻撃できる。

 この魔物の攻撃時、相手は魔法・罠・効果モンスターの効果と発動を無効化される。

 

 わぁきょうかされてる。うれしいなぁ(棒)

 ……数千年の王族の妄執やら盗掘者の怨念やらを取り込んだ結果がこれか。まあ、目的は達したし、そろそろ戻るか。

 




 
 今日のバクラ

「……ん? んん? 盗賊王の強化用の怨念が……消えたぁ……!?」
「しかも元々やばい奴がさらにやばくなってやがる!?」
「……効果的にこれゾークよりやばくね? マジで。戦闘になったら負け確じゃね?」
「…………どーにかしてこいつに勝たなきゃならんのか……関わらないようにしても逃げ切れないんだよなぁ……無理くせぇ……」
「……うっ、胃が……」

 オコユビチョウダイ!(ザクゥッ!)

「伊賀ァァァァァァァァァァァァァ!?」

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