さて、色々あったがなんとか泊まる所を確保することができた。明日からはここを拠点に王都の様々な所を見て回ることにする。情けは人の為ならずと言うが、まさか道案内でもしてもらおうと思って連れてきた娘がここまで役に立ってくれるとは思わなかった。
「
「セトぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ちなみに今は決闘に混ぜてもらっている。相手が全部召喚を終わらせたところでクリボー→増殖→はさみ打ちでデュオスとか言う精霊を破壊し、そこから一体一体の攻撃力は高くないものの数十数百と言う数のクリボーによって一方的にボコられた結果が今の悲鳴だ。
ちなみにだが、今この場は死屍累々だ。神官団と呼ばれるほぼ全員が一方的にボコられている。やはりルール無用のデュエルでデッキを使うのは反則臭いな。
倒した相手は適当にその辺りに積んでおいたが、その所為で余計に敵意を向けられて居る気がする。気のせいかどうかは知らんがな。
それと、ホヒ(仮)が白目を剥いている。少々荒らしすぎたかもしれないが、決闘を申し込んできたのはあっちからだし、俺には落ち度はない。あるとすればルールの方にある。
ルール設定が少々どころでなく甘く、俺を相手に自由にやらせすぎた事がそもそも間違いだと言える。俺程度でもつけこめるんだから、俺より質の悪い奴ならもっと凄まじいことをやってのけるだろうさ。
俺は基本的に善性だからな。性格が悪いと言われることも多いが、俺以上に質の悪い奴などどこにでも居る。俺の場合はとれる手段が一般的な奴より遥かに多いからこそそこらの奴よりえげつない手を取れるのであって、全く同じ量しか取れる手を用意できないのならそこそこ程度しかできはしない。準備こそ俺の本領だ。準備段階で差をつけないと勝てる相手は多くないからな。
なにしろ、そもそも俺は竈の女神。天空やら大海やら冥府やらを司っている奴等と比べて神としての格は劣るし、一度に発することができる力の総量も多くない。多少の工夫で改善はしたものの、生粋の戦闘脳な奴等には敵いそうにない。
はっきり言って俺は真正面から何の小細工も無しに戦いになったらインド以外であっても人間の英雄に負けかねない。スカアハも、油断したら普通に俺の敗けで終わるだろうし、そもそも受けに回らなければいけない状態になった時点で俺は凄まじく不利になる。
だからこそ基本的に受けに回らないように気を付けて立ち回っているし、ついでにアポロンが俺のところに入り込んでこれたのもそれが原因の一つにあったりする。油断大敵、と言うやつだ。
……しかし、こいつら相手に究極封印神エクゾディオスを出したのはやりすぎだったかもしれんな。いや、正直なところ予想外だったんだが。
エクゾディオスの効果は『自分の墓地にいる通常モンスターの数×1000ポイントの攻撃力を得る』だ。ここで注目してほしいのは『自分の墓地にいる通常モンスター』と言うところだ。
……俺は、ギリシャ神話の竈の女神であり、同時に死と病の神でもある。それは世界を越えたことで一部の権能が制限されている筈なんだが、日本神話で得た境界の神の権能が働くことでそう言った縛りを一部無効化してしまっている。
要するに何が言いたいかと言うと、俺の事を信仰していた奴等の中に居る英雄やら魔術師やらを除いた一般人及び普通の働き蜂や働き蟻などの数×1000がエクゾディオスの攻撃力に常時加算されている訳で……。
桁がな。やばい。一万とか十万とかそんなもんじゃない。二乗しても足りない。
まさか、こんなことになるとは……正直思っていなかった。エクゾディオスの効果範囲が広すぎる。マジでどうなっているのか理解できん。ついでに少々どころではなく反則臭い。
反則じゃあないんだがな!
今回のバクラ
バクラ「クソが……だが俺は修正を諦めたりはしねえ! ゲームマスターとしての誇りにかk」
ミチィッ!
バクラ「突然現れた30kgのダンベルが俺様の右足の小指をォォォォォっ!?」