俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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竈の女神、次もハメた

 

 ハメ技スキルは恐ろしいな。神相手にしてもここまで簡単に相手をハメることができるとは。いや、俺はベルじゃないから実際にはスキルもステータスも何もないんだが、ベルにできることで俺にできないことが存在しない時点でなぁ?

 

 まあそれはそれとして、相手は最後となるホルス神。隼の頭を持った太陽神にして最も偉大と言われる神格。太陽と月の眼を持つ天空の神。

 そんなホルス神は。

 

「……orz」

 

 図書館エグゾの前にあっさりと敗北していた。いや、今回のは図書館じゃなくても誰でも敗北するだろう。まさか何もしていないにも関わらずいきなりエグゾディア関連の五枚が最初から手札に揃っていたとか予想できん。冗談のつもりで言ったら偶然当たったとかそのくらいだろうよ。

 真面目にやれ? やなこった。真面目にやったら第一世代と第九世代のデュエルみたいになんだろうが。話にならねえよ。当然だが、こっちが第九世代であっちが第一世代な。

 

 それはともかくとして、エジプト神話の神々に決闘(ディアハ)で勝利した俺はエジプト神話圏をある程度自由に動くことができるようになった。自由に動くことができると言っても地上においては神格としての力は基本的に使えないんだが、それはおよそどこでも変わらんから問題ない。

 だが、どうもこの世界の地上は大分特殊なようで、人間の心の中にはほぼ例外無く魔物、あるいは精霊が住んでいるらしい。それは神ならば簡単に見ることができるし、人間であっても特殊な道具があれば問題無く扱うことができるらしい。ただ、心の中の魔物を抜き出されたり、あるいは殺されたりした場合、その人間は死んでしまう。傷付いただけならばゆっくりと治って行くようだが、死んだらそれまで、らしい。

 また、感情や実力によって魔物や精霊は強くも弱くもなる。俺の感情によって強くなったり弱くなったりと言うのはわかりやすいな。

 

 そして、この世界に行くにあたってベルにも魔物を仕込むことにした。と言うか、ベルの在り方から勝手に作られるようだが、そうして作られた魔物は……まあ、流石は神の依り代だと言いたくなる程度にはぶっ壊れた魔物だった。

 

 

 モウヤンのカレー屋

 MAHOUTUKAI族

 カレー属性

 攻撃力0

 守備力0

 この魔物は攻撃対象として扱われない。この魔物が場に存在している限り、自軍全ての存在の魂力はターン毎に現在の最大値まで回復する。上限が無い場合、バトル開始時の量が適用される。

 また、呪いや毒などの悪性の状態異常を全て回復し、そのターンに死亡した存在を蘇らせる。

 破壊あるいは除外された時、キレる。

 

 

 反則すぎィ。

 これ使ってどうやって負ければいいんだろうな?

 まともにやってたら早々負けんぞこれ。神同士でやっているテーブルゲームならまだやりようはあるだろうが、現実に魔物同士で戦うとなるとマジで攻略法が見つからん。

 

 そして、キレるとこうなる。

 

 

 怒れるモウヤンのカレー屋

 MAHOUTUKAI族

 カレー属性

 攻撃力500000

 守備力500000

 この魔物が場に存在する時、相手は攻撃できる魔物全てでこの魔物を攻撃しなければならない。

 この魔物は相手に攻撃された時、相手の攻撃力分攻撃力が上昇し、相手の守備力分守備力が増大する。

 この魔物の召喚者は自分のターンの攻撃を放棄することで、魔物ではなく敵召喚者を直接攻撃することができる。直接攻撃による減少値は怒れるモウヤンのカレー屋の攻撃力と同値となり、その攻撃は防御・減衰・無効化されない。

 

 

 カレー屋って強いんですね。つい敬語になるくらい驚いた。まったく、俺から何を読み取ればこんな化け物のような魔物が出てくることになるんだ? まったく理解できない。

 カレー屋……メソポタミアで開いたな。

 攻撃守備500000……これはわからん。

 カレー属性……カレーだし仕方ないか。

 MAHOUTUKAI族……魔法使いですし? 戦士でもあるんだがカレー作りは錬金術系だからやはり魔法使い系だろ。

 効果については……まあいくつか納得できるところもある。ってこれ何もおかしくなくね?

 

 


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