「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」
「……もう少し早くできるか?」
「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ」
「できるのか……できてしまうのか……やだわぁ……」
とりあえずこのスキルは使わないでいた方が良い気がする。見た目からしてもうあれだしな。一言で言ってやばい。二言で言うとあり得ないほどやばい。三言で言うとYA☆BA☆Iだな。……最後のは何か違う気もするが、気にしない。
ただ、この移動は極々短距離で使うと言う事を考えれば間違いなく速いんだよな。長距離なら転移や飛行、自作のバイクなどなどと言ったもっと速い物があるが、数m程度の範囲ならばこれが速い。理由はわからん。
TASと言えばこれならできるかと思って試したものがまさか本当にできるとは思っていなかったし、できた所で普通ならば走った方が速いはずがこっちの方が速いとは。掛け声無しでやると遅くなるが、再現度が高ければ補正されるのかもしれないな。
「……」ズサーズサーズサーズサー
「やっぱりこれも走るより速い……まさか、できるのか?」
「ナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッナギッ」
「できたよ。しかも超速い上に一時的に上半身のある所を光やら空気やらが透過してるんだが、これはもしや当たり判定が存在していない扱いになるのか?」
「ゲキリュウゲキリュウニミヲマカセナギッツイテコレナギッカカッテクルガイイ」
「なんで今挑発した」
しかもその挑発のせいか俺の身体にも何か宿った気がするんだが。今なら何かをする行動を無理矢理キャンセルして移動しつつ別の行動を取れそうな気がするんだが。ゲージか? ゲージ寄越したのか? 一本分か?
……。
できた。いやまあ元々できたんだが、いつもより楽にできた。なにこれ怖い。ナギ無しトキの真似ができるとかマジ怖い。このスキル自分以外にまで影響するのかよ。
まあ何にしろこれで確定。TASと【ツール・アシステッド・スーパープレイ】は封印だ。気が付いたら参加者全員TASとか恐ろしすぎて見てられない。道行く人々全員移動がスライディングあるいはドゥエドゥエ、または前転だったりZスライドだったりするのは耐えられそうにない。世界の法則が乱れるとかそう言うレベルではない。
……とは言え、実際には流石にそんなことにはならないだろうが。何しろ【ツール・アシステッド・スーパープレイ】はTASが無ければ発動しないし、万が一【ツール・アシステッド・スーパープレイ】とTASが揃っていたとしても実際にそれを使う奴に実力が無ければ大したことはできない。元々できる可能性のあることしかできないスキルなのだから。
そう考えるとあの移動方法はスキル無しでもあの速度が出せると言う事になるが、どうやるんだろうな。一回だけならできなくはなさそうだが、それをタイミング良く繰り返させるというのは非常に難しい。と言うか正直無理。できるかもしれないがやりたくない。間違いなく精神的に疲れる。
それはそれとして、いくつか存在する見覚えのないスキルやらステータスやらも全部試してみるとするか。求道蹂躙とか大殺界とか、内容がよくわからない物だらけだからな。一度使ってみて、使い勝手を確認してから使えそうな時に使えばいい。使い道があればの話だが。
ハメ技? なんとなく意味は分かるし、効果もなんとなくわかる。ついでに言うと恐らく使ったこともある。そうじゃなければ古の神格相手に壁コンとかできなかっただろうしな。
誰にやったか? ティアマトって女だ。世界の裏側でな。