俺は竈の女神様   作:真暇 日間

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裏切りの魔女、強くなる

 

 ステータスの更新とその内容を聞いて、どうしてあれだけの事をしたのに私の能力が全く上がっていなかったのかを理解した。つまり、更新をしなければ私のステータスは上がらず、ステータス以外の自力の部分は今までと同じかそれ以下の伸びしか見せないのだ。つまり、私が伸び悩むのは当然のことだと言う事だ。

 それを解消するために、私は背に刻まれた加護を示すそれをカラシニコフへと見せる。少女にしか見えない背の小さな、しかし胸だけは大きい男装の少女の指が私の背をくすぐるように撫で、同時に加護を受けた時のあの感覚と、私が今まで必死に積み上げてきた経験値が混ぜ合わさり、新しい物になって行くことに気が付いた。

 

 ほんの数十秒。それだけの時間で、私の身体は凄まじく変わり果てたような気がする。

 これで、いったい私はどこまで強くなることができたのかはわからないけれど……少しは復讐に近付くことができたのだと思う。

 

 

 

 名前 復讐系魔法少女メディア★リリィ

 Lv.1

 力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力:SSS10002 魔導:SS

 

 

 《魔法》

 【神代魔術】

 およそあらゆる魔術を使うことができる。詠唱はそれぞれ変わる。

 

 

 《スキル》

 【復讐者(アヴェンジャー)

 ・復讐対象を相手にする時ステータス上昇

 ・復讐を諦めない限りステータス及びレベルが上がりやすくなる

 ・復讐を諦めない限り死ににくくなる

 ・復讐を諦めた時、および復讐を遂げた時、このスキルは消滅する

 ・復讐心を強く持つほど効果が上昇する

 

 【魔力を上げて物理で殴れ(マジカルノウキン)

 ・魔法系のステータスの伸びに対して絶大なる補正

 ・魔法系以外のステータスが伸びなくなる

 ・魔法系のステータスが全てのステータスを兼ねるようになる

 ・魔法系ステータスに補正

 ・あらゆる行為が魔法系ステータスの伸びに繋がるようになる【隠し効果・メディアには見えない】

 

 【呪詛(ヒトヲノロワバアナフタツ)

 ・他者に対して様々な呪いをかけることができる

 ・呪いが解かれた場合、呪いをかけた者に同種二倍の呪いが降りかかる。

 ・適切な方法で掛けなかった場合、効果は減少する

 ・穴二つを回避し続けていると時々凄いことになる

 ・負の感情を持っていると効果が上昇する

 ・このスキルを保有したまま無念の死を遂げた時、魂全てを燃料として呪詛を掛ける。【隠し効果・メディアには見えない】

 

 

 

 ……まあ、うん。初めが0だと言う事を考えればずいぶんと伸びがいいのね。もしかしたらもっと伸びは良いのがいるのかもしれないけれど……と言うか、アルカイオス辺りはきっともっと伸びがいいんでしょうね。

 

「……なかなか伸びたな。一月でオール10000と考えたらもうお前人間じゃないクラスだ」

「ふん……アルカイオスには負けるでしょう?」

「まあ、今のお前は生存特化だからな。戦いになったら勝てんだろうよ」

 

 ……わかってはいるけれど、まだ私は届かないらしい。それが悔しい。悔しい。悔しくて悔しくて仕方がない。

 アルカイオスはゼウス神の子。そんな存在でもオリュンポスの神には届かない。つまり、私が復讐の対象とするイアソンを守るヘラ神の守護を抜くことは出来そうにないと言う事だ。

 ああ、悔しい。ああ、憎らしい。神と言う存在はどこまで行っても憎らしい。本神でもないのにこうして私に劣等感を植え付ける。なんて憎らしい。殺したい。

 あ、いえ、ヘスティア様とヘカテー様は別です、はい。

 

「で、もう少しでレベルアップもできそうだが、もう一周行っとくか?」

「………………………………はい、お願いいたします」

「そんな絶望感と悲壮感溢れる表情を浮かべる必要は無い。安心しろ、今のお前は間違いなく強くなっているよ」

「本当ですか?」

「無論だ。ああ、ただし身体の使い方には気を付けた方が良いかもしれん。いきなり強くなると調整が難しかったりするらしいからな」

 

 私、魔力以外のステータスは上がってないんですけどね!

 

 


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