現在、西暦にして紀元前1800年ほど。そう考えると、これから行ける神話は限られる。何しろまだ文明が始まっていなかったり、確立していない神話もあるからな。神話として確立していなくとも神の存在する神話だってあるんだが。
まず、日本神話。神は生まれている筈だし、国産みもそろそろできているはずだ。あれは時代考証が難しいが、少なくとも神が産まれ、国が産まれてから数百年ほどして人が産まれている。日本において古事記として残っているのが西暦にして七百年代頭によるものだとされているから、とりあえず神はいるはずだと予想する。
次に、ローマ神話。建国神話はもう少し先の筈だが、それ以前の神話が存在している。ギリシャ神話の神格と同一視されることも多いが、同一視されない神も存在する。近場ではあるし、割と簡単に行き気ができそうなのが売りだな。
そしてケルト神話……だが、これについてはパスしたい。一番面白そうである大英雄の時期がまだ来ていない。1800年ほど早い。それに、ケルト神話はその多くの口伝が失われ、文字が無かったせいで残っている物が神話のほんの一部しかないことで有名な神話だ。なにが起こるかわからないと言うのは面白くもあるが、あそこの神話には神殺しの英雄がいる。具体的には影の国の女主人などだな。
あとインド神話。行く気無いからパス。まず間違いなく性に合わない。
中国神話……これは正直宛にならないから無視する。自分を必要以上に大きく見せようとしないと生きて行けない文化とか本当に怖すぎる。お隣の泣く子は貰いが多いを実践する国並みに怖い。
あと……そうそう、現代まで続いていなかったアステカ神話やマヤ神話辺りも面白そうではある。なにが起きるのかわからないと言うのもまた旅の楽しみと言えるだろう。
と言う事で、ここに籤を作ってみた。日本神話、ローマ神話、アステカ神話、マヤ神話、そして出してはいなかったが北欧神話とエジプト神話の六本の籤がここに入っている。次に行くところをこの籤で決めようと言う訳だ。
ただ、この籤は俺が作った物だ。だから、俺は柄だけでもどの籤に何と書いてあるかがわかってしまう。そこで一度目を閉じ、祈り、構え、引く。引いたもので一度中身をかき混ぜ、戻し、もう一度引く。これでまず間違いなくランダムになるはずだ。
……何だったか、確かこんな感じのネタが一つ……ああ、そうだ、感謝の正拳突き一万本だ。毎日一万回、感謝の正拳突きをしてみたらその拳は音を超え、おっそろしい魔拳が出来上がっていたとか言う話だったはずだな。
流石に今回までそれに肖るつもりは無いし、そもそも意味が無い。態々一回のために一万回とか、間違いなく狂気の沙汰だ。しかもそれで加速されるのがくじ引きの速度とか、役に立たないにもほどがある。
そう言う事で、俺は普通に引くことにする。まあ、結局のところどこもそれなりに面白そうだし、どこになっても問題は無い。……いや、まあ、北欧神話だけは若干問題があるような気もするが、門など使わず直接転移すれば大丈夫なはずだ。あの神話でギャラルホルンが吹き鳴らされるのは世界の外側から敵の軍が大挙して押し寄せてきた時だけの筈だからな。
がしゃがしゃとかき混ぜて、一本取って、またがしゃがしゃとかき混ぜて、戻して、もういちどがしゃがしゃとかき混ぜて、それからようやく一本を選ぶ。
それから目を開けてみてみれば、俺の手の中には一本の籤。さて、今度はいったいどこに行くことになるのかね?
そう言う事で、活動報告にてアンケート実施
しません。