もう一つの箱庭物語 『更新停止 リメイク予定』   作:煌酒ロード

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お久しぶりです
間が空いていて申し訳ありません


太陽への挑戦

「お主ら本当に、太陽に喧嘩を売るつもりか?」

 

瞬間、世界が暗転した。

そして次に俺達が立っていたのは店内ではなく、()()()()()()()()()()だった。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私の名は〝白き夜の魔王〟――太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への〝挑戦〟か?それとも対等な〝決闘〟か?」

 

俺の目の前にいるのは魔王なのだと思い知らされた。規格外なのだと。

しかしそれでもまだ――()()()()()()()()

 

「流石は白夜叉様ってか、自分を表現するゲーム版を持つとは」

 

「素晴らしいわねこの景色。それと力」

 

「・・・もうちょっと驚きましょうよ」

 

呆れたように言う春日部。

 

「ハッ、二回目だが冗談キツイぜ春日部。むしろ()()()()()出来るようじゃなきゃ面白みにかけるだろ」

 

そんな俺の言葉に呵呵大笑する白夜叉。

 

「これくらいと言いおったか。これでのかなりの力を持っていることの証明にもなるのだがの。して、おんしらはどちらを選ぶ?」

 

「ん?ああ、俺は〝挑戦〟で」

 

「あら、いいの?」

 

「まあそうだな。別に今日で帰りますってわけじゃねえんだ。()()()は後に取っておいたって問題はねえだろ」

 

俺の言葉にお嬢様と春日部も納得が言ったのか二人共挑戦を選ぶ。その時に甲高い声が響いた。

それと同時に俺達の目の前、白夜叉の隣に鷲獅子が降り立つ。

 

「お主らの試練じゃが、これでどうじゃ?」

 

そう言って白夜叉が俺たちに一枚の契約書類を見せる。

 

 

『ギフトゲーム名 〝鷲獅子の手綱〟

ㅤ・プレイヤー一覧ㅤ逆廻十六夜

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ久遠飛鳥

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ春日部耀

 ・クリア条件 グリフォンの背に乗り、湖畔を舞う。

 ・クリア方法 〝力〟〝知恵〟〝勇気〟の何れかでグリフォンに認められる。

 ・敗北条件  降参か、プレイヤーが上記の条件を満たせなくなった場合。

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

〝サウザンドアイズ〟印』

 

 

契約書類にはグリフォンに認められろとある。まあ要するにグリフォンと勝負しろとの事で

 

「さて、誰が行く?」

 

「私に考えがあるのだけれど」

 

「奇遇だな、俺もだ」

 

「とてつもなく嫌な予感がしますが・・・、お二人の考えというのは?」

 

「よく聞け春日部。俺はさっき大蛇を倒した。あれは一応ギフトゲームだったよな」

 

「そうでしたね」

 

「そして私は明日、あのエセトラとのギフトゲームよね」

 

「そうです・・・お二人の考えが読めたんですけど・・・一応聞きますね」

 

「「お前(貴方)だけギフトゲームしてないし体験する意味でも行ってきな(きなさい)」」

 

「ですよねー」

 

という訳で春日部に決まった。正直アイツの力も見てみたくはあったからここで見ておくのも悪くないかな。という考えだったのだが、案外簡単に乗ってくれた。

 

「・・・どうも、春日部耀です。初めまして」

 

春日部がそうグリフォンに語りかけた瞬間グリフォンが一瞬瞬きする。

 

「ほう・・・。あの娘、グリフォンと言葉を交わすか」

 

確かに春日部はグリフォンと会話しているようだった。

 

「こういうのはあまり好きでは無いんですが・・・私と貴方で、誇りを賭けて勝負しましょう」

 

春日部はグリフォンを見上げ、迷いなくそう言い切った。

 

 

春日部side

 

「こういうのはあまり好きでは無いんですが、私と貴方で、誇りを賭けて勝負しましょう」

 

私は迷いなく目の前のグリフォンにそう言い放つ。

 

『・・・・・・何!?』

 

少し怒気を含んだ声が返ってくる。彼らは誇り高い種族だと本で読んだことがある。そんな彼らにとって誇りを賭けろという言葉は最高の挑発になるはず。それは間違いでは無かったらしい。

 

「貴方が飛んできた山脈。そこから白夜の地平を時計回りに迂回し、この湖畔を終着点と定めましょう。貴方はそこから飛んでくるまでに私を振るい落とせば勝ち。落とせなければ私の勝ち。それでどうでしょう」

 

私がそう問うと、グリフォンは鼻を鳴らして返す。

 

『確かに、貴様程度の小娘を振り落とせないとなると私の名誉は失墜する。しかし小娘、貴様は誇りの対価に貴様は何を賭ける?』

 

「私の全権を」

 

迷いなく言い放つ。そこに黒ウサギんl声が割り込んでくるが、十六夜さんと白夜叉さんに止められていたので無視して言葉を紡ぐ。

 

「貴方の誇りの対価に私は私の全権を。私が負ければ私を殺すも、生かすも貴方次第。貴方の命令に絶対に服従します。この身を糧にと望めば捧げることもしましょう」

 

『ふむ・・・・・・』

 

考え込むグリフォンを見ながら、騒ぎ立てる黒ウサギの方に目をやろうとすると、後ろには十六夜さんが立っていた。

 

「またデカイ事を言ったな。おかげで黒ウサギが五月蝿いったらありゃしねえ」

 

「それはスイマセンでした。まあ大丈夫ですよ、勝ちますし」

 

「ハッ、上等だ。そこまで言ったからには勝ってもらわねえとな・・・、っと」

 

その時十六夜さんから学ランの上を着せられる。驚いて見上げると、

 

「ソイツは貸しておく。寒いだろうしな、()()()()()()()()()?」

 

そう言って不敵に笑う十六夜さんに私も笑みで返す。

それからグリフォンの背に乗って湖畔を舞う。物凄く寒いし速い。それでも耐えきって湖畔の中心で背から降りる。そして私は、空へと舞った。




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