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前話の最後の方のハチマンとキリトの会話ですが少し変えました。火力を上げる方法としてスキルコネクトを出そうとしてたんですがよくよく考えたらあれはALOだから出来たわけでSAOじゃ出来ませんでしたね。
『やっぱり私、あなたのやり方嫌いだわ』
『もっと人の気持ちを考えてよ!』
『あいつまだ学校来てるよ、どんな神経してんだよ』
『1人で笑ってる、気持ち悪いね』
『君が傷付くことで傷付く人がいることを考えた方がいい』
『なんで君はそういう方法でしか救えないんだ』
『俺のためにやったんだ、後悔なんて無いさ…』
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「ハチ兄、知り合いか?」
「…まあな」
まさかこんなところでこいつらと会うなんて思っても無かったな。二十二層はモンスターが出ないから攻略組は来ないし、娯楽も無いから一般プレイヤーもほとんど来ない。来るとすれば釣りをしに池のある方へ行くヤツらくらいだ。
「ヒッキー、こんなところでなにしてるの?」
「なんだっていいだろ。あとヒッキーやめろって言ってんだろ、脳みそスカスカかよ」
「ヒッキーはヒッキーじゃん何言ってんの?」
「ゲームの中じゃリアルの話しは御法度だ。半年もこっちにいんのにまだ分かんねぇのかよ」
「ハチマン、それくらいにしてあげて。ユイユイはあまり周りの人と関わっていないの」
「んなの俺が知るか、常識だろ」
ユキノンはともかくユイユイは相変わらずイライラさせてくれる。何もできないくせに人の話は聞かない、フィールドに出たら迷惑極まりないだろうな。
「ハチ兄、今日はここまでにしよう。俺は先に帰る」
「は?ちょっと待て、この状況で置いて行くのかふざけんなよ!」
「でも知り合いなんだろ?これじゃあ俺が気まずいだけだし、ゆっくり話でもしたらどうだ?それじゃ俺はこれで」
あいつ、逃げやがったな。キリトがいないなら俺も用はないし帰るか、こいつらと一緒にいたくもないしな。
「んじゃ俺も帰るから、じゃあな」
「待って」
2人に背を向け帰ろうとするとユキノンに止められた。軽く振り向きユキノンの方を見ると何か決意したような顔をしていた。
「話があるの、少し時間をくれないかしら?」
正直意外だ、俺なんかとは話もしたくないものだと思っていたがそうではないらしい。しかもいつもみたく一方的にではなくこちらの様子見を伺いながら、何かに恐怖しながら、何かに縋るように。それを見てなんとなく気が変わり話を聞いて見ようと思った。
「…少しだけだ」
「ありがとう、手短に済ませるわ」
ユキノンは近くの切株の方を指差し歩いて行く。腰を据えて話したいらしい。やれやれ、少しと言ったが長くなりそうだ。
…何から話そうかしら。ハチマンを引き止めて話をする機会を作ったまではいい。だけどなんて切り出したらいいかが分からない。チラッとハチマンの方を見ると興味なさげに明後日の方向を見ている。
「いつまで黙ってんだよ、話が無いなら帰るぞ」
「…ごめんなさい、話さない訳では無いの。なんて話したらいいか分からないの」
「纏まってねぇらななら止めんなよ、俺は帰るぞ」
「ちょっと待って!ユキノンだけじゃなくて私も話あるの!」
「…めんどくせぇな、手短にしろよ」
「あ、うん、ありがとう。その、なんで来なくなっちゃったの、奉仕部に」
「来なくなったって、来なくていいと言ったのはお前らだろうが。それとも言わなくても分かるだろ的な事を求めてんのか?」
「そういうわけじゃ、無いけど」
「じゃあなんだってんだよ、出来もしない依頼をノリで受けて俺が解決したらやり方が納得いかない?ふざけんなよ。確かに散々備品扱いされてきたがあれはおかしいだろ。こっちは尻拭いしてんだ。労われど責められんのはお門違いだ。別に労われたい訳では無いがな」
あれは一方的にこちらが悪かった。彼だけが依頼の本質を理解し行動したにも関わらず、こちらの不手際を棚に上げ、非難してしまった。あの時に戻れるのなら今すぐ戻ってやり直したい。でもそんな事は出来ないと分かっている。
「…ごめんなさい、許して貰えるとは思ってないわ。あなたにはそれだけのことをしてしまった」
「謝られたってなんも感じねぇよ。お前らがいまさらどうこう言おうと過去は変わんねぇしな。俺は関係を戻そうとは思わねぇしこっちに来て『本物』になりそうな奴らも見つけたからな」
「…キリト君にアスナさんね」
「あいつらの言葉に嘘偽りを感じねぇし命を預けたことだってある」
「私達だって嘘なんか!」
「嘘は付いてないかもしれんが真実を隠しただろ?嘘と一緒だ」
「でもそれは、言いずらかったから…」
「別に言って欲しかったわけでも無いが中途半端に近付いてくるのが一番嫌いだ。裏があると思うからな」
「本当にごめんなさい、ただそれだけは伝えたくて」
「俺は俺のために動いてお前らはお前らのために動いた、ただそれだけだ。いまさら謝られてもどうでもいい」
「それでもこれはケジメよ。私が前に進むために必要な事だから」
「そうかよ、ならこれでチャラだ。不毛な会話もこれで終わり、ユイユイもいいな?」
「う、うん。ごめんねヒッ…ハ、ハチマン」
「んじゃ、俺は帰るぞ」
「ええ、また迷宮区で…あら?」
話に集中していて気付かなかったけれどシンカーさんからメッセージが届いていた。休暇の時は滅多に送ってこないのに…なんですって!?
「ハチマン、無理を承知でお願いがあるのだけれど」
「なんだよ、俺はもう帰りたいんだが」
「キバオウ一派がボス攻略を強行したわ」
「…で?」
「シンカーさんからメッセージが入ってたの。キバオウは自分の派閥のプレイヤーだけで迷宮区へ向かったらしいわ。キバオウを含めたフルレイドで」
「それで?俺に何をしろと?」
「キバオウを止めるわ、それに協力してほしいの」
「断る、軍の内乱に巻き込まれるなんて御免だ。俺にとってもメリットも無いしな」
「じゃあ依頼するわ、報酬はコルでもアイテムでも情報でも。私が支払える限りで」
虫がいいにも程がある。そんな事は分かっているが今キバオウ達を行かせてしまったら多大な被害が出てしまう。それだけはなんとしても避けなければならない。
「俺が受けると思ってるのか」
「思ってないわ、ただ現状ではあなたに頼むのが最上だからよ」
「…その依頼を受けるに当たって条件が3つある。1つ、有事の時の絶対命令権3回。2つ、お前の知っている全ての情報の提示。3つ、俺のやり方に何も言わない。これでもいいならその依頼を受けよう」
「お願いするわ」
「即決とは恐れ入る。だが本当にいいのか最悪の場合キバオウ一派の安否は保証できんぞ」
「全滅されるよりはマシよ」
「そうかよ、んじゃ行ってくるわ」
そう言ってハチマンは駆けて行った。
「ありがとう、比企谷君」
細々しくも何故か頼りがいのある背中を見ながら私は詳細を確かめるべく第1層へ向かった。
「…受けたものの、どうすっかな」
二十五層の迷宮区へ向かいながらどうやってキバオウ一派を止めるか考えていた。そもそもなぜキバオウは攻略を強行したのか。軍が勝手に独自で動けば聖龍連合と血盟騎士団からの糾弾は確実だろう。早く攻略し現実に帰りたい、キバオウはそれを盾に無茶を通すのだろう。しかし突然今までと違うやり方を勝手にするのは他ギルドとの不和が生じ、また他ギルドも各ギルドによる強行にで始める可能性も出てくる。まあ、血盟騎士団は副団長がアスナだし、団長がヒースクリフだから大丈夫だと思うが問題は聖龍連合だな。結構血の気の多い奴らが多いと聞くし、ギルド間戦争にならないとも限らない。それだけのデメリットがありながらなぜ強行したのかが分からない。そもそも軍だけ、しかもキバオウ一派だけでフロアボスを倒すことが出来るのか?人数だけなら他ギルドで1番だろうが個人の実力で言えば血盟騎士団や聖龍連合に一味劣る。…キバオウがそれすら分かっていない大馬鹿か、もしくは
「ボスを倒す確固たる切り札があるのか…」
しかし所詮はキバオウ、いくら策を練ろうとうまく行くとは思えない。ここで大きな被害が出れば今後の攻略に支障が出る。全く、ユキノンも面倒くさい依頼をしてくれたもんだ。
いかがでしようか?
奉仕部の関係がやけにあっさり直って?しまいました。本当はもっとこう、後悔とかそういうのを出していきたかったんですが…
次は2月中には更新したいと思っています
それでは次の更新で