3ヶ月ぶりの更新です。待ってる人いるか知りませんけどお待たせしました。
言い訳するとしたら仕事に疲れたいとだけ言っておきます。ほんとあの先輩意味変わんな…何でもないです!
それでは本編どうぞ
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「雪乃ちゃんやっほー!」
「姉さん、突然来るのはやめてちょうだい」
「だってチャイム押してもぜんぜん出てくれないんだもの、心配しちゃった」
「…それで今回は何の用事?」
「そんな嫌そうな顔しないで、プレゼントを持ってきたんだから」
「これは?」
「ソードアート・オンラインだよ」
「雪乃ちゃん最近元気ないからさ、これで気分転換でもしたらどうかな?」
「ゲームで気分転換できるなら簡単よね…」
「このゲームは他のゲームとは違うらしいよ? 物は試しにやってみたらどうかな?」
「…由比ヶ浜さん、比企谷くん」
「…リンクスタート」
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「はぁ…」
比企谷君…もといハチマン達と別れて始まりの街のアインクラッド開放軍の自室に戻った。さっきのようなことは今回が初めてではない。私が前線に出るようになり顔を合わせるようになってからずっとだ。本当は彼とちゃんと話がしたいのだけれど彼と会うと、正確には彼とアスナさんやイロハさんが一緒にいる(それもかなりの高確率で)ところを見ると最初に言おうと思っていたことに反して彼の事を罵倒していまう。
コンコン
「ユキノンさん、ちょっといいですか?」
「どうぞ」
入ってきたのは2人、軍のリーダーの1人シンカーさんとその付き人のユリエールさん。私の上司に当たる人達だった。
「どのようなご要件ですか?」
「今回のボス攻略で相談したい事がいくつかあるんですが、今大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
さて、切り替えて仕事をしましょうか。
「今の所分かっているのは以上です」
ユリエールさんが現在分かっている情報を説明する。正直言って何も分かっていない。この階層に出現するモンスターから鳥獣系のボスである事は想像が付くがそれ以外の情報が少ない上に不確かだ。二十五層にはいってからしばらく経つのにこれほどまで情報が少ないとは、今まではそんな事は無かった。
「この階層のクエストの進行状況はどうなっていますか?」
「情報屋と軍のメンバーに虱潰しにやってもらっていますがめぼしい情報ははいってきません」
クエストからも情報がはいって来ないとなると考えられるのは2つ。1つはこの階層のフロアボスが大して強く無いから、もう1つは迷宮区の中に何かギミックが隠されているか、って所かしら。
「…キバオウ派の状況は?」
「キバオウ本人はほとんど自室にいます。メンバーに関しては普通に攻略に言っています」
キバオウ…彼は第一層から攻略組として前線に立ち今は軍の片翼を担っている。正直私は彼が信用ならない。何か野心を持っているように見える。
「キバオウ派に何か動きがあったら教えて下さい」
「分かったよ、それとユキノンさん」
「何でしょう?」
「少し休息を取ったほうがいいんじゃないかな?最近前線で攻略したり、軍で働き詰めだろう?」
「しかし、今は二十五層攻略の目の前です。今休むわけには」
「攻略に必要な情報はまだ出揃っていません。ユキノンさんは軍の最大戦力、休める時に休んで下さい」
「…では明日1日だけ」
そう言うとシンカーさんはニコリと笑いユリエールさんを連れて部屋から出ていった。…彼女のところにでも行ってみようかしら。
翌日、私は軍の本部から少し離れた軍が管理する建物に来た。ここは鍛冶スキルや裁縫スキルといった生産系スキルを持つプレイヤー達が住まう建物だ。ここの二階の最奥
に位置するこの建物の中で一番広い部屋、食堂。ここの食堂は軍のメンバーだけでなく一般プレイヤーにも開放されている。私は任務で来れない場合を除き毎日ここに来ている。私達プレイヤーにとって美味しいご飯を食べる事はこの世界で生きる中で一番の幸せだ。しかし私はただ美味しい物を食べに来ている訳では無い。ここにいる彼女に会いに来ている。
厨房に顔を覗かせると数人が夕食に向けて準備を進めていた。その中でピンク色の髪にお団子を作り、夕食の準備を慌ただしく進める少女が1人。
「あ!ユキノン!」
「こんばんはユイユイ」
ユイユイ…由比ヶ浜さんは現実では料理が壊め…絶望的に苦手だったけれど、こっちでは軍の誰よりも美味しい料理を作ることができる。
「…ユキノン今私の事馬鹿にしてなかった?」
「……………気のせいよ」
「今の間何!?」
さ、夕飯にしましょうか。
「ユキノン!?」
「料理スキル持ってないのにユキノンが入れる紅茶は何故か美味しいね!」
「ふふっ、ありがとう」
夕食時の来店ラッシュが終わり客がいなくなって静かになった食堂でユイユイと紅茶を飲んでいた。
「ユキノンは明日も迷宮区に行くの?」
「明日はお休みよ。シンカーさんが働きすぎだって言ってお休みをくれたの」
「じゃあさ!どっか遊びに行こうよ!私も明日は休みだし!」
「そうね、そうしましょうか」
「やったー!」
ユイユイは飛び跳ねて喜んでいた。その度に胸の無駄脂肪が…
「ユキノンなんか怖いよ…どしたの?」
巨乳なんて滅びればいい
「巨乳なんて滅びればいい」
「声出てるよ!?」
あら、私としたことが
「安心して、本心だから」
「安心できない!?」
「ユッキノーン!こっちこっち!」
第一層の転移門前に集合場所を決め集合する事にして時間の10分前に来たのだがユイユイは既に集合場所に来ていた。
「早かったのね、待たせてしまったかしら?」
「大丈夫!私も今来たところだから!」
ユイユイはパステルピンクのカーディガンに藍色のミニスカート、黒のロングブーツと可愛らしい服装だ。
「可愛らしい服ね、似合ってるわ」
「ユキノンのワンピースも可愛いよ!」
私は白のワンピースにキャペリンハットを被っていた。
「私なのだから当然でしょ?」
「あはは…ユキノンは変わらないね」
変わらない…か。何を持って変わらないと言うのだろう。『雪ノ下雪乃』と『ユキノン』は本当に同じなのか。現実で1人強くあろうとした『雪ノ下雪乃』と、このゲームが始まった時1人で蹲り何もできなかった『ユキノン』は本当に同じなのだろうか?…こんな時彼ならどんな風に考えるのだろうと思ってしまう自分がいる。自分から見限ってしまったような物なのにまだ心の奥で彼を頼っている。結局私は彼に依存していただけなのだ。『雪ノ下雪乃』はそれを認めることは出来なかったが『ユキノン』はそれを理解している。やはり『雪ノ下雪乃』と『ユキノン』は違うのかもしれない。
「難しい顔してるけど、どうかした?」
「なんでもないわ。それよりもさっそく行こうかしら」
「そうだね!ところでどこに行くの?」
「第二十二層の森エリアよ。遊ぶのもいいけどボス戦も間近に迫ってるから落ち着ける場所に行きたいの」
「オッケー!ユキノン大変だもんね。お弁当作って来たから今日はピクニックだね!」
「ありがとうユイユイ、それじゃあ行きましょうか」
私達は転移門で第二十二層へと向かった。
「凄いねユキノン!なんか空気が美味しく感じるよ!」
「そうね、でもあまりはしゃぎ過ぎてはダメよ?転んでしまうわ」
「大丈夫大丈夫!ユキノンも心配症だなぁ」
「…あなたのことだからあまり楽観もしていられないのだけれど」
でもまあ、確かにはしゃいでしまう気持ちは分からなくは無い。木々に囲まれ、程よい日差しが入るこの場所はなかなか居心地がいい。娯楽の類いはほとんど無いがモンスターも出ることはなく落ち着ける場所だ。
「もう少し歩いた所に開けた場所があるの。そこでお昼にしましょう」
「もうお昼だもんね、お腹空いちゃったよ!」
10分ほど歩くと徐々に木々が少なくなり開けた空間が見えてきた。それと同時に誰かの話し声も聞こえてきた。声色から察するに男の人のようだ。まあ誰も知らない場所と言うわけではないし、誰がいてもおかしくは無い。
「カーディナルによるシステムの制約は厳しいけど絶対じゃない、だからその隙間を突けばもっと戦闘の幅が広がると思うんだ」
「確かにお前の言ってることは間違ってないだが実際問題かなり厳しいぞ」
「それでもやる価値はあると思うんだどんなゲームにも裏技は存在するんだよ」
「まあ、俺にとってもメリットがあるから手伝うけどよ」
そこにいたのは2人の男の人。どちらも黒色系の装備で統一されていて片方は片手剣、もう片方はダガーを装備していた。ダガーを装備した方には見覚えのある特徴があった。顔は見えないが頭からぴょこんと生えているアホ毛、そしてさっきの声、やはり彼は
「なんでヒッキーがここにいるの!?」
「…ユイユイに、ユキノンか。あとヒッキー言うな」
ボス戦でしか顔を合わせていなかったが半年前はよく見ていた顔比企谷八幡、もといハチマンと黒の剣士ことキリト君がいた。
いかがでしようか?
次の更新はなるべく早く出したいですけどこの時期仕事忙しくのでいつになるか分かりません。
奉仕部3人の関係はある程度構想は考えているのであとはどれだけボリュームを出せるかですね。そろそろ葉山君もだそうかと考えているんですけどこっちはなんとも言えません。
それでは次の更新で。