ひぐらしのなく頃に 骨   作:つぶあん仔

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序章
はじまり


ユグドラシルというゲームが有った。そのゲームは2126年に発売され、広大な世界に莫大なデータで構築されたゲームという言葉では手に余ると言っても過言ではないほど自由なゲームだった。まさに革新的であり当時の日本国内では多くの日本人が熱中していた。

しかしそれも昔のこと。

今はもうそのゲームをプレイしている人はほとんどいなかった。たとえどれほど熱中していたとしても多くの人はいつしかそのゲームをしなくなっていった。流行というものは一時的なものである。時代は流れ、人は新しい物に魅了される。その過程で古きものは捨てられるのだ。

 

 

ナザリック地下大墳墓第10階層の玉座の間、モモンガは玉座に腰掛けていた。

そこに掛けられている旗を見てかつての仲間のことに思い馳せる。

多くの仲間達がいた。多くの冒険をした。多くの戦いがあった。

しかしそれはもうできない。なぜならユグドラシルというゲームはもう終わりに近づいていたからだ。本日の0時00分を持ってサーバーがダウンする。

アルベド、セバス・チャン、ユリ・アルファ、ルプスレギナ・ベータ、ナーベラル・ガンマ、シズ・デルタ、ソリュシャン・イプシロン、エントマ・ヴァシリッサ・ゼータがひれ伏しモモンガを見つめていた。

仲間たちが作った仲間〈NPC〉に看取られながらユグドラシルから落ちるのも悪くないなとモモンガは思う。

 

 

11:59:50

 

 

もうすぐユグドラシルが落ちる。

 

 

11:59:55

 

 

明日は4時起きだ。落ちたら寝なくては。

 

 

11:59:58

 

 

目を閉じる

 

 

00:00:00

 

 

 

 

───そしてモモンガは目を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昭和58年6月xx日、古手梨花は死んだ。

しかし彼女は絶望しなかった。

それもまた運命のループだからだ。

 

 

雛見沢村という村が日本にはある。山奥にあり、人口2000人ほどの小さな村である。被差別集落であったことや、ダム建設計画による雛見沢の危機を経て村人たちは強い連帯感を持っている。また古い風習が残っており、村の運営は御三家と呼ばれる古手家、公由家、園崎家の合議で決められている。

そしてそこにはオヤシロ様の祟りというものが5年前から毎年6月19日、綿流しのお祭りの夜に起きていた。

毎年一人が死に一人が行方不明になる、そんな奇妙な出来事が毎年起きていた… 

 

彼女はもう数えるのどが嫌になるほど死んでいた。彼女は昭和58年6月に殺害される運命にあり、その運命のループから抜け出すため何度も「世界」を繰り返して生きてきた。オヤシロ様の生まれ変わりである羽入とともに。

次の新しい雛見沢はどうなるのだろうか。

いや、あまり変わらないだろう。

たとえどこかが変わっていたとしても、運命のループから抜け出せることはなかった。

彼女はもう心の片隅で諦めていたのかもしれない。

しかし───

 

 

行こう、羽入。

彼女は得も知らぬ狭間でそう唱えた。

 

 

───そして彼女は目を開けた

 

 

 

 

 

 




初投稿です
ひぐらしはアニメだけしか見てませんので何か間違いがあったら言って欲しいです

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