女神様と召使いの転生物語   作:血濡れの人形

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九ページ目 潜入!どっかの貴族宅

~とある屋敷前~

 

「・・・見張りが二、二人とも傭兵かなにかだろ。戦闘慣れしてそうだし、何より隙がない」

 

「それじゃあ、眠らせる?」

 

絆の言葉に、ドールは、

 

「いや、絆の能力で殺す。絆、あの二人をこの石と共有させて」

 

といって、ひびのはいった石を絆の方へ渡す。絆は、その意味を理解したのか、苦笑いし、

 

「さらりとエグいこと考えるね」

 

と言いながら、その石に能力をかける。

 

「よし、そしたら、近くにいる通行人の足元に転がしとk「やっといた、というより、もう潰されてる」あっはい」

 

見てみれば、見張りが二人とも潰れて、バラバラになっていた。近くを通っていた犬は、驚いたのか大きな声で鳴く。

 

「・・・通行人も、石を踏んでしまっただけで、人殺しの手伝いをしてしまったなどと思うまい」

 

「それ、私に指示したドールの言っていい事じゃないよ?原因は間違いなくドールだし」

 

「それいっちゃあ終わりだよ。まあいい、行くぞ、ここの一番偉そうなのを消す」

 

絆の呆れを込めたようなセリフに、苦笑いでそう言い返した後、ドール達は屋敷の中へと足を踏み入れた。

 

~屋敷内部~

 

「・・・人の気配が無い?」

 

「いや、一つだけある。とはいっても、ギリギリ人間の域なだけで、後一歩踏み外したらもれなく人外だな」

 

ドールは苦笑いを浮かべ、絆の方を見る。

 

「うん、それはいいんだけどさ、後ろにスケルトンがいるんだけど、どうする?」

 

「え?」

 

絆の言葉に驚き、後ろを向くと、

 

そこには二体のスケルトンが、なにかに引き寄せられるようにゆっくりと歩いていた。

 

「? なんだか様子が変だな」

 

通常、スケルトン等の死霊系の魔物は、生き物の魂を求めさ迷っている。

 

なので、人間や動物が近くにいる場合、優先してそちらを殺そうと襲いかかってくるのだが、

 

「気が付いてない・・・?いや、それよりも、あの方向には人間モドキ(勝手に呼んでるだけ)がいるはず・・・」

 

「・・・もしかして、集魂の儀式をやってるんじゃないかな?あれならあの行動にも納得できる」

 

「はぁ?あれって禁呪だろ?こんなところでやろうもんなら直ぐに気付かれて捕まるはず・・・」

 

ドールがそんな声を出している間にも、スケルトンはゆっくりと歩いていく。

 

「・・・考えてても仕方がない、とりあえず後をつけるぞ」

 

「了解」

 

結局、ドール達は少し距離を開けた状態で、ゆっくりとついていくのだった。

 

~大部屋前~

 

スケルトンが部屋の扉を開け、中に入る。少しだけ開いた扉の方から、なにかが腐ったような臭いがする。

 

「・・・絆、俺、あの中に入りたくないんだけど」

 

「・・・私なんだけどさ、でもたぶん、入らないと進まないよ?むしろ中の奴が強化されるかも」

 

ドールはそれを聞いて、扉の前にたった後、

 

「知ってるよ・・・しゃあねえ、男は度胸、全ては入ってから考えよう!」

 

といって、扉を蹴り飛ばす。

 

「扉壊すなっ!」

 

思わずそう叫ぶ絆の言葉を無視し、ドールは大部屋の中へと入っていくのだった。


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