女神様と召使いの転生物語   作:血濡れの人形

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七ページ目 マイハウスにて

~騎竜王国 マイハウス 台所~

 

少し前に見つけた家を購入したあと、ドールは台所で料理を作っていた。

 

「しかし、案外いい物件が見つかったな。

 

まあ、それはそれとして、飯、あの女の子の分はあっさりしてる方がいいのかな?」

 

ドールは一人、そう呟くと、小麦粉を取りだし、麺を作っていく。

 

「それならうどんだな、肉ものっけりゃ問題ないだろ。付け合わせに天ぷらも作っておくか」

 

そう言いながら、ドールは野菜や肉を取りだし、食べやすいサイズに切り、揚げていく。

 

「そういや、この世界って調味料が貴重なんだったな。次からそれをうって収入源にするか」

 

そう言いながら、麺を茹でている間に、うどん用のつゆ、そして、天ぷら用に塩を用意する。

 

「さすがに子供の前で酒は飲めんからな、とりあえず調味料棚にぶちこんどこう」

 

そう言うと、ドールは酒瓶を取りだし、そのまま足元にある棚に入れる。

 

「おっと、このままだとふやふやになっちまうな」

 

と言いながら、ドールは麺をお湯から取りだし、水を使って冷やす。

 

「器はこれでいいか」

 

そう言うと、ドールは大、中、小の器を取りだし、麺を入れ、つゆをかける。

 

「これで、冷やしうどんの完成だな」

 

ドールが作り終わり、そう言うと、絆の、

 

「目が覚めたよー!」

 

という声が聞こえる。

 

「わかった!ちょうどいい、飯出すからリビングに連れてきてくれ」

 

「了解なのだ!」

 

ドールは絆の返事を聞き、お茶を用意したあと、うどんの器を持ち、そのまま運んでいく。

 

~騎竜王国 マイハウス リビング~

 

中に入ると、もうすでに、絆と少女が座っていた。少女は落ち着かないようで、まわりをキョロキョロ見ている。

 

「絆、台所に天ぷらがあるんだが、取ってきてくれるか?」

 

「天ぷら!わかった!取りに行ってくる!」

 

「つまみ食いするなよ?」

 

ドールがそう言うと、絆は目をそらす。

 

「・・・食ったかどうかは分かるからな?そしたら、絆の天ぷらが俺とこの子のお腹の中に入るから」

 

「わかったよう、それじゃあ、取ってくるね!」

 

絆はそう言うと、そのまま扉を開けたあと、天ぷらを取りに行く。

 

「はぁ、さてと、とりあえず聞きたいんだけど、君の名前は?それと、どの器で食べたい?」

 

ドールが聞くと、少女はビクビクしながら、

 

「天野、閃華です・・・えっと、小さいのでいいです」

 

「本当?遠慮してない?って、そうだな、前もって言ってないんだし、これが普通なのか」

 

ドールは閃華の言葉を聞き、そういったあとため息をつく。

 

「閃華ちゃん、俺達は君を奴隷としてではなく、一人の人間として見てる。

 

だから変に命令もしないし、君が意見することに問題もない。

 

なんならわがままをいってくれて構わない。

 

遠慮する必要もないし、捨てるなんてこともする気はない。

 

今は何をいってるかわからなくていい。

 

だけど、これだけは覚えておいてほしい。俺は君を買った。

 

だが、一人の人間、いや、うちの家族として君にはいてほしい。

 

それで、しつこいかもしれないけど、もう一回、今のを踏まえた上で聞く。

 

君はどの器で食べたい?」

 

ドールの言いたいことがいまいち分からなかったのか、閃華は首をかしげるが、少し考えたあと、

 

「あの、大きい器でもいいんですか?」

 

と、聞いてくる。

 

「もちろん、閃華が好きなのを選べばいいよ」

 

グー

 

ふと、そんな音が聞こえる。

 

「あ、あはは、流石に天ぷら持ってきてからおあずけの時間が長いかなぁ~なんて」

 

その音の発信源である絆は、そう言いながら天ぷらの方をジッと見てる。

 

「えっと、中くらいのでお願いします」

 

その中、閃華はそういい、絆の方を見る。

 

「私は大きいので!」

 

「そんじゃあ、間接的に俺は小さいのだな、よし、トッピングしまくろう(一人五個の天ぷら)。そんじゃあ、頂きます」

 

「「いただきます!」」

 

ドールの言葉に続き、絆達もそういったあと、そのまま食べ始める。

 

「そういえば、ドール、七味ってある?」

 

「おう、七味以外にも一味もあるぞ。閃華も使うか?」

 

ドールはそう言いながら、二つの赤い容器を取り出す。

 

「七味って何でしょうか?」

 

「これを少し入れると美味しくなるんだよ!」

 

そう言いながら七味を入れる絆から容器を受け取ったあと、

 

少し入れようとするが、蓋が緩くなっていたのか、逆さにした直後、中の七味が全て閃華の器の中に入ってしまう。

 

「あっ」

 

「はは、やっちまったな。どうする?器、交換するか?まだ俺ならいける量だ」

 

そう言いながら、ドールは器を閃華に差し出す。

 

「えっと、その、すみません・・・」

 

「きにすんな。絆に比べれば問題無さすぎる量だ」

 

そう言いつつ、ドールは閃華の食べていた器を取り、少量だけ七味を移す。

 

「ほら、食べな」

 

「はい・・・ありがとうございます・・・」

 

閃華は申し訳なさそうにしながらも、渡されたうどんを食べ始める。

 

~召使い、女神、獣人少女食事中~

 

「ごちそうさま」

 

「ごちそうさま(でした)」

 

全員が食べ終えたあと、ドールは器を全て片付けたあと、閃華の方へ行く。

 

「閃華、話したくないなら良いんだが、その傷、一体どこでうけたのか聞いていいか?」

 

ドールがそう聞くと、閃華は少し驚いた後、

 

「・・・なんでですか?」

 

と、聞いてくる。

 

「まあ、いろいろと事情があるんだよ。相手の方も、やったからにはやられる覚悟あるだろうし」

 

ドールの最後の方の言葉がうまく聞き取れなかったのか、閃華は首をかしげるが、

 

「まあ、そのくらいなら」

 

と言って、話始める。




ミスって全く関係ないの投稿してました!すみません><

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