女神様と召使いの転生物語   作:血濡れの人形

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四ページ目 プラチナドラゴンからの逃走

~獣の森・南西地区~

 

そこで、とある二人組が、叫び声のようなものをあげつつ、背後にいる『プラチナドラゴン』から逃げていた。

 

「ドール!なんとかしてぇ!」

 

「無茶言うな!そっちこそ何かできないかなぁ、絆!」

 

「できるんだったったら言わないってば!うぅ、うっかりしてた。西側はゼクスのなわばりだったのにぃ」

 

ちなみに、この『プラチナドラゴン』は、『ゼクス』という名前で、十二体の魔王級の魔物の一体である。

 

『チュー』

 

すると、目の前に十匹ほどの黒いネズミが出てくる。

 

「チッ、このタイミングでかよっ!」

 

「うぅ、ダークナイトラットって・・・」

 

この『ダークナイトラット』は、闇耐性と物理防御がずば抜けて高く、かわりに、光耐性が低い魔物である。

 

「耐性が低いのは光!絆!」

 

ドールはそう言いながら、剣を使い絆の方へ行く『ダークナイトラット』を『ゼクス』の口もとに投げる。

 

グシャ

 

直後、そんな音が後方から聞こえる。

 

「わかってるよぉ、『ライトランス』」

 

そして、前方にいる『ダークナイトラット』に向け、絆が白い槍を作り、発射して殺すが、一瞬隙が出来てしまう。

 

「ッ!絆!」

 

「え?うわっ!」

 

その瞬間を狙ってか、『プラチナドラゴン』がブレスを吐いてくるが、

 

それにたいして、ドールが盾を構えた状態で絆を抱き寄せる事で防ぐ。

 

しかし、完璧には防ぎきれず、少し絆の方に飛ぶが、ドールが腕を使いそれを防ぐことで、絆のダメージを無くす。

 

「うへぇ、腕一本殺られちまったよ」

 

「のんきにいってる場合じゃない!とりあえず抜くよ!って、うわっ!」

 

ドールの腕に刺さったプラチナの破片を抜こうとした直後、ドールが絆を持ち上げ、そのまま走りはじめてしまう。

 

「腕治すから止まって!」

 

「んなこと言ってる場合じゃねえッ!後ろにもうきてんだよ!クソドラめっ!」

 

そう言いながら、ドールは背後にいる『プラチナドラゴン』を見る。

 

「って、は?」

 

しかし、そこで見たのは、両手両足、片翼を失い、地面に落ちていく『プラチナドラゴン』だった。

 

「・・・借りは返した。この子はもらっていく」

 

その声とともに、涼華が現れ、ドラゴンを持ち上げ、両手両足、片翼を回収したあと、ゆっくりと去っていく。

 

その手には、小さな剣が握られていた。

 

「・・・この子を治せば、復讐の道具になる・・・でも、まだ足りない、もっと殺さないと・・・」

 

そんな声が聞こえた。それが実際に言っていたのか、それとも、幻聴だったのかは、はっきりとはしなかった。




プラチナドラゴン

全身がプラチナでおおわれており、世界に一体しかいない特殊なドラゴン。

一定期間たつか、鉱石を食べることにより、ブレスに使うプラチナを生成する。

魔王級の魔物、十二体のうちの一体、絶対とも言える防御力を誇る。

ダークナイトラット

魔王級の魔物、十二体のうちの一体の、ダーク・ナイト・ラットの産み出した弱い魔物。

闇属性耐性、物理防御の高い黒いネズミ。

光属性耐性が低く、回復魔法でダメージを食らう。はっきり言うと、初級光魔法で死ぬ。

肉は美味しいらしく、食べると闇耐性と物理防御が一時的に上がる。

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