「・・・さっきはごめんなさい。それと、教えてくれてありがとう」
男の首をはねた少女は、振り返りそう言う。
「きにすんな、それで、これからお前はどうすんだ?」
「・・・しばらく旅をする。耳と尻尾さえ隠せれば良いだけだから。それと、お前じゃなくて涼華(りょうか)」
そう言って、絆の方を見て、
「貴女、ほんとに人間?何だか違う気がする」
と言うが、絆は特に表情を変えずに、
「気のせいだよ!」
と言う。
「そう、それじゃ、私はこれで・・・」
そこまで聞いたあと、涼華は去っていった。
「・・・さてと、どうすっか、とくにここの情報」
「諦めて町を探そうよ。お金の価値が知りたい」
「・・・そういや、死体漁れば出てくるかね」
「触りたくないよ?私」
そう言いながら、絆は死体から距離をとる。
「わかってたよ、少し待っててくれ、一分で終わる」
~一分後~
「ふむ、こいつらの持ってる種類は、銅貨、銅板、青銅貨、青銅板、銀貨に銀板、最後に金貨っと」
「・・・あぁ、なるほど」
ドールが全ての死体を調べ終わると、絆はなにかを思い出したようにそう呟く。
「どした?何か思い出したのか?」
疑問に思ったのか、ドールが絆に聞くと、
「うん、この世界についてね」
と、絆は答える。
「・・・あっ」
そして、それを聞いたドールは、そんな声をだしたあと、
「ここ、絆の担当世界か!そういや、金の価値も同じだな、だとすると、金貨の後に金板、白金貨、白金板だな」
と、先ほどえられなかった情報を出していく。
「そうだね、そして、ここはたぶん獣の森の西側、さっきの村は天野の家系の村ね」
「確か、ここを中心に、北西側に帝国、南西側に騎竜王国、東側全体が魔界だったな」
「うん、魔界は魔王、でも今はいないと思う。帝国は帝王ガルム、騎竜王国は騎竜家の誰だたかがおさめてるはず」
そういうと、二人はうなずいて、
「「騎竜王国に行こう」」
と、声をあわせていう。そして直後、
グー
という音が、絆の方から聞こえる。
「・・・」
「その前に、腹が減ったから飯だな、パンとミルクでいいか?」
「うん・・・」
そして、ドールはそれを聞かなかった事にして、絆にたいしてそういい、パンと牛乳を取り出す。
「ほら、あんぱん、食うだろ?」
「もちろん!ミルクとあんぱんは最強!」
絆はそういうと、ドールからあんぱんをもらい、そのまま食べ始める。
「全く、慌てて食うと喉にt「ングッ!」言わんこっちゃない、ほら、大人しくこれでも飲んどけ」
ドールが注意しようとした直後、絆はそんな声をあげるが、ドールは牛乳を絆に渡し、絆はそれを飲み、
「ぷはー、あー、死ぬかと思った!」
と言いながら、牛乳の入ったコップを近くにあった切り株の上におく。
「ハッ、神の死因があんぱんによる呼吸困難とか笑うしかねえ」
「むぅ~、笑い事じゃ無いよ!」
「そうか?案外笑えるし、まずその程度で俺が殺すわけ無いだろ?」
そう言いつつ、ドールはあんぱんをかじり始める。
「そうだけど、なんか納得いかない・・・」
それに続くように、絆もあんぱんを食べ始める。
それから数分後、森の中から何か叫び声のようなものが聞こえたが、それはまた別の話。
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