女神様と召使いの転生物語   作:血濡れの人形

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十五ページ目 朝食後の会話

~マイハウス リビング~

 

あれから、食事を終えたドール達はリビングで何かしらの飲み物を飲みながら、義手について話し合っていた。

 

「閃華、義手を作るのに、ちょっと時間がかかりそうなんだ。主に材料の問題で」

 

ドールがそう言うと、絆が、

 

「ドールなら草からでも作れた気がしたけど、鉄の方がいいの?」

 

と言いながら、ドールの方をジーッっと見る。

 

「流石に草は無理だ。木とかに比べると、圧倒的に耐えられる魔力の量と質が違う」

 

ドールは絆にそう返すと、閃華の方を向き、

 

「でもまあ、できないって訳でもないんだ、だから、閃華に前もって聞いておきたくてな」

 

と言いながら、木材を取り出し、説明し始める。

 

「まずは木材、これは、魔力が多く込められないが、簡単に作れるし、なにより軽いが、

 

魔力が少ないから、動作が少し遅くなる」

 

次に、ドールは鉄を取り出し、

 

「次は鉄、魔力を多く込められないが、作るのにも難易度が高く、重い、ただし、動作が速くなる」

 

そう言うと、ドールは二つを机の上に置き、

 

「動作に関して言うなら、予備の木製の義足があるから、足だけなら確認できる。やるか?」

 

と言い、木製の義足を取り出す。

 

「えっと、それじゃあ少しだけ」

 

閃華はそう言うと、(食事中に説明を受けた通りに)鉄製の義足を取り外し、木製の義足を付ける。

 

「あれ?なんだか違和感が・・・」

 

閃華はそう言いながらに首をかしげる。

 

「それじゃあ、立ち上がってみろ」

 

ドールがそう言うと、閃華はうなずいたあとに立ち上がろうとして、バランスを崩して、片手を地面についてしまう。

 

「あれ?なんでバランスを崩しちゃったんだろう」

 

閃華は、自分がなぜバランスを崩してしまったのか分からず、

 

困惑しているようだったが、そこでドールの説明が入る。

 

「閃華は今、なんでバランスを崩したのか分からない状態だろうから説明するが、

 

そこで、さっき説明した動作の遅さが大きく関わってくるんだ」

 

そう言うと、ドールは黒い板と白い石を取り出し、人の絵の様なものを書きながら詳しく説明していく。

 

「まず、人の行動する時の実際に動かせる速さを1とする。

 

次に、木材に伝わるのが、それに比べて遅い2とする。

 

そうすると、動作を行うにも、1~2という差が生まれてしまう。

 

そうなると、必然的に、バランスを崩しやすく、更に、動きにくくなってしまう、と言うのが原因だ。

 

それに比べると、鉄の方が、1,2っていう、動作の誤差が少ないからバランスを崩しにくいんだ」

 

ドールの説明を聞き、閃華はうなずいたあとに、

 

「つまり、動かすときにうまれる差のせいで、バランスを崩しやすくなってるんですね?」

 

と、自分にわかりやすいようにまとめると、立ち上がり、椅子に座ったあとに、義足を取り替える。

 

「それで、義手は鉄が貯まるまで待つか?」

 

ドールはそう聞くと、閃華は、

 

「はい、お願いできますか?」

 

と言いながら、無い方の腕の付け根に手を当てるのだった。


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