女神様と召使いの転生物語   作:血濡れの人形

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十ページ目 VSオーガ戦 その1

~大部屋~

 

中に入って、まず一番最初に目に入ったのは、大量のバラバラになった死体と、

 

それを貪るように喰らっている、巨大な男?の姿だった。

 

「これは・・・オーガか?」

 

その姿は、頭部に短い角が生えていて、筋肉は異様なまでに盛り上がっている。

 

『GURAAAAAAA!』

 

オーガはドール達に気が付いたのか、叫びながらドールに向けて走り始める。

 

「ドール!あの角の長さなら、私達だけで簡単に殺せる!行くよ!」

 

「承知した!」

 

ドールはそう言うと、オーガに少し近付き、

 

「拳ノ型『虚撃』」

 

と呟き、オーガを攻撃する。オーガは、危険を感じたのか、腕を前にして、防ぐような動作を取る。が、

 

ゴシャ

 

という音をだし、オーガは上へ飛ばされる。

 

「絆、もしかしてこいつ、まだ意識あんの?」

 

そう言いながら、ドールは上げている片手を下げ、再び構え直す。

 

「それだったら奇跡だね。術者なら意識は死んでておかしくない感じだけど」

 

絆がそんなことをいっている間にも、オーガは立ち上がり、攻撃を仕掛けてくる。

 

「確かになっと」

 

ドールはそう返すとオーガの攻撃を避け、

 

「拳ノ型『双撃』」

 

脇腹の辺りに二発攻撃をするが、

 

ゴン

 

という音を出し、ドールの攻撃は、オーガの脇腹ではなく、腕によって防がれてしまう。

 

「防がれた!?」

 

『グルァァァ!!』

 

ドールが驚いた一瞬をつき、オーガはドールの頭部へ拳を当てる。

 

ドゴン

 

という音をたて、ドールは壁に叩きつけられる。

 

「ドール!」

 

絆は、ドールの近くへ走り、そのまま怪我の具合を確認した後、

 

「なに油断して攻撃を喰らってるの!ドールがいないと私何も出来ないんだよ!」

 

といって、ドールの頬を引っ張りつつ、回復魔法を使う。

 

「ちょ、痛い痛い!頬が千切れるから!」

 

ドールはそう言いながら、地面をベシベシと叩き、降参の合図を送る。

 

「はぁ、それで、少しは落ち着いたかな?」

 

それを見た絆は手を離した後、ドールに問いかける。

 

「あぁ、もう大丈夫だ」

 

「ならよかった」

 

絆はそれを聞き、満足そうにニコリと笑みを浮かべた後、そのまま横に転がる。

 

そして、ドールもそれに会わせて絆とは逆の方へ転がる。

 

ドゴン

 

直後、先程までドール達がいた場所へ、オーガの拳が降り下ろされていた。

 

「絆、屋敷のどこかから武器を取ってきてくれ!」

 

ドールはそう言いながら、ドールは即座に立ち上がり、足元のあるであろう魔方陣を探し始める。

 

「分かったけど、その間に死なないでよ!」

 

絆はそう言うと、部屋から出ていく。

 

「はっ、誰がやられるかってんだ」

 

そう言うと、ドールは床の一部にある魔方陣を見つけ、腕を下ろした状態で、

 

「三分だ、その間にそこの邪魔な陣壊して、貴様の進化を止めてやる」

 

と言い、そのままオーガに向けてゆっくりと歩き始める。

 

『GURAAAA!!』

 

それに反応するように、オーガは大きく声を上げるのだった。




前回スケルトンが出てきたのに説明入れてなかったので、それも追加で!

スケルトン
人が白骨化したものに、悪霊等がとりついたもの
その肉体の生きていた当時の道具を使い、人を攻撃してくる
殺した人間の人数によって、少しずつ肉をもち、最終的にはゾンビになる

オーガ
今回出てきたオーガは下級のオーガと呼ばれる部類
オーガは角の長さによって強さが変わる
下級は1~4cm程、中級は4~8cm程、上級は8~12cm程
それを越えると再び角が短くなり、代わりに本数が一本から二本へと増える
それは、妖鬼と呼ばれる種類で、これも、下級、中級、上級に別れる
それの上位個体で、神鬼と呼ばれる最高位の魔物がいるが、
これは魔物ではなく、魔神に分類される
昔、勇者を殺したのも、神鬼と言われている
オーガの中級は、多少の知力をもち、上級になると罠を使ってくるので、
単独で倒すには様々な準備が必要となる

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