初期設定をよく確認せずに始めたら、ネカマするはめになった・・・   作:yoshikei

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   BMI(ブレインマシンインターフェース)

 

 人の脳と機械を繋ぐものだ。

 これはほんの数十年前までは医療用としか使用されてこなかった。

 

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 技術が確立されたときは、一般家庭への普及、さらにはVRゲームの発足が期待されたが、その希望はすぐに絶たれることとなった。

 理由はBMIを使用した場合の処理が大きすぎたためである。だが、その原因を解決するものがおよそ20年前に一般向けに発売されたのだ。

 

   量子演算処理デバイス

 

 通称 CCP(クアンタムコンピューター)

 小型の外付けハードとして発売されたそれは、スマホと同じくらいの大きさで、スーパーコンピューターと同等以上の処理速度を実現したのだ。CCPはBMI共に爆発的に広まった。

 

 

    そして現在

 BMIによるフルダイブシステムを使用したゲームは、不動の人気を誇っている。

 

 

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 最近話題になり始めたゲームがある。

 それは

 

   Magic Sword Online通称 MSO

 

 最近βテストが終わり、本サービス開始も近いというVRMMORPGだ。

 コンセプトは

 

自分だけの武器を、

自分だけのアイテムを、

自分だけの物語を、

 もう1つの人生と共に

 

というものらしい。

 最近のゲームとしてはありふれたものだった。だが、そのゲームで話題になっているのは、そこではない。

 MSOは今までのVRMMOでは実装されたことがなかった加速システムが搭載されているのだ!

 それにより、βテストの時から応募が殺到し、倍率は10万倍を越えた。初回ロットも予約ですぐに売り切れてしまうほどだった。

 

 そして今、ある一人の学生の物語が始まろうとしていた。「Magic Sword Onlineへようこそ」

 

 白くふわふわとした不思議な空間にテロップが表示され、文と同時に無機質な声が聞こえてきた。

 

「IDとパスワードを入力してください」

 

 俺は指示にしたがい、事前に登録しておいたIDとパスワードを表示された空欄に入力する。

 

「現在、脳波を測定しています。脳波の測定終了後、アバターメイキングルームへと移ります」

 

 その声が聞こえなくなってから数秒後、視界が暗転しさっきとは違う場所へと降り立った。

 

「登録された写真を検出しました。写真を元にアバターを自動作成いたしますか?」

 

 俺は〈Yes〉を選択した。

 

「アバターが完成しました。そのまま使用しますか?」

 

 右上に表示されている時計を見ると、俺をこのゲームに誘った友人との約束の時間が近かった。

 急いでいた俺は、完成したアバターを見ないうちに<Yes>を選択した。

 

「アバターネームを入力してください」

 

 “Riku”と入力した。俺の本名が岩橋(いわはし) ()()()だから、1文字とってこの名前にした。

 

「初期スキルを選んでください」

 

 これは公式サイトのスキル一覧を見て、事前に決めておいたものを選んだ。

 

SP(スキルポイント)0

【付加魔法 Lv.1】【弓 Lv.1】【調薬 Lv.1】【隠密 Lv.1】【回復魔法 Lv.1】【】【】【】【】【】

 

「これでよろしいですか?」

 

 さっとステータスに目を通し、<Yes>を選択する。

 

「それでは、Magic Sword Onlieの世界へ移ります。あなたのこれからに幸多からんことを・・・」

 

 こうして俺はVRMMORPGの中へ入っていったのだった。

 あ、俺VRMMO自体は初めてだ。

 先月やっとBMIを買うための金がたまって、友人にこのゲームのカセットをもらったから、当然か。




こんにちはyoshikeiです。
なろうからこっちにコピってきました。

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