∞→0・ストラトス   作:さんばがらす

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書き溜め放出……

時間が無いお…


現状のセツメイ

自ら説明を買って出たエックスがまず束に説明する。

 

『まずタバネ。ゼロは未来の地球から来たんだ…』

 

エックス曰く、未来といっても、確定した未来ではなく、可能性世界の一つなのだとか。

ちなみに、束がISを開発した時点で、その未来へいたる可能性がほぼなくなってしまった。ということも話した。

 

また、彼の世界は深刻なエネルギー不足で、省エネのために、何の罪もないレプリロイドをイレギュラー(犯罪者)と認定し処分を繰り返していたという。

ゼロは、その風潮に異を唱える科学者が指導者を勤めるレジスタンスに在籍、体制に抗った。

 

そして、ようやくその科学者によってエネルギー問題が解決されよう、というときにゼロは重大な損傷を負い、束の元にやってきた。

 

ということだった。

 

「そんな説明じゃ、束さんは納得しないよ?」

 

そう、この説明には、具体的な科学理論を全く読み取ることが出来ない。

 

『そう来ると思ってたよ…』

 

エックスはため息をつき、続ける。

 

『サイバー空間、って知ってるかい?もしくは、それに順ずる仮説とかでもいいんだけど』

 

「コンピューターやコンピューターネットワーク上の仮想空間のこと?」

 

『そう、そのサイバー空間…それが仮想空間なんかじゃなく、別位相の世界なんだよ』

 

そこから語られる話は、天災の束をもってしても、荒唐無稽といわざるを得なかった。

 

ゼロやエックスのいた未来では、ありとあらゆるものにコンピュータネットワークが繋がっていた。

当然、それに応じてサイバー空間というものも倍々式に増えていった。

 

たとえば、冷蔵庫のサイバー空間は冷蔵庫の形をし、建物の総合管理端末のサイバー空間は建物の形をした。

また、壁を流れるネットワークケーブルや飛び交う無線にも、サイバー空間が存在し、それらはその電波の届く範囲すべての視覚的情報をサイバー空間に投影した。

 

そしてあるとき、サイバー空間は現実の世界とほぼ変わらない景色になった。

 

そして人は、この世界を自由に往来できるプログラムを作った。

 

―――サイバーエルフ

 

妖精と銘打たれた彼らは、サイバー空間を介して現実世界に干渉し事象を捻じ曲げることが出来た。

 

 

『サイバーエルフには、人工的に作られた存在と、ボクみたいに元レプリロイドの精神体…いや、人格プログラムか……それがサイバー空間に残留した存在と二種類ある』

 

前者は一度現実に干渉すると死んでしまうが、後者にそれは当てはまらない

 

「つまり、エックス君がサイバーエルフで、サイバー空間越しに束さんのPCにメールを送った、っていうのはわかったけど、それじゃあこの世界とエックス君たちの世界が繋がる理由にはなっていないよね?」

 

『それは、ISのコアネットワークが広大なサイバー空間を形成して僕らの世界のサイバー空間に干渉を始めたからだよ』

 

サイバー空間を、現実世界という星に纏わり着く大気のようなものとたとえるとわかりやすい。

 

異なる星(現実世界)の大気(サイバー空間)が広がりすぎて一部融合したのだ。

 

『だから、サイバー空間越しにメールも送れるし、ゼロをこの世界に転送することも出来たってわけさ…転送はこっちの世界でいうと『量子化』と『展開』って言うのかな?』

 

荒唐無稽だが、現にゼロはこちらに転送している。

信じるしかない。と束は思った。

 

「じゃあ、この世界にゼロくんを送り込んで、私に直させて、目的は達成したんじゃないのかな? そしたら、さっさとこの世界から出てって欲しいんだけど」

 

そうだ。ISの開発者である束にとっては、ISが無用の長物と化すであろうレプリロイドの存在など邪魔でしかない。ましてや、未来の、滅びかけた世界の技術となれば、悪用された場合、この世界がエックス達の世界と同じ末路をたどる可能性があるからだ。

 

『残念だけど、それは出来ないよ』

 

束の意見に、エックスは搾り出すように言った。

 

「理由を聞いてもいいかな?」

 

『ああ―――』

 

ゼロは最後の戦いに赴く際、一匹の相棒とも言えるサイバーエルフを連れていた。

クロワールと名付けられた彼女はあらゆるサイバーエルフの能力を模倣し、サイバーエルフを殺すことなく能力を行使できる。という破格の性能を持っていた。

 

彼女はゼロの死に際、己が命のすべてを使って彼をこちらへ転移させ、そのまま息絶えてしまった。

 

『だから、送り返そうにもエネルギーが足りないんだ。ボクのエネルギーもいまはほとんど残ってないし、こうやってコンタクトが取れるのも、後数回が限界なんだ。だから……

 

彼を頼む』

 

そういって、彼はゼロに向かって話し出す。

 

『ゼロも、無理に戻ろうとしなくても大丈夫だ。エリアゼロも、シエルも、皆前に歩き始めている。だから君も、この世界でゆっくりと前に進んで欲しい。あと、彼女(クロワール)からの遺言だけど』

 

―――ゼロ、あなたに『平和』がどんなものかを知ってほしい……私の代わりに

 

だってさ。と付け加え、電話が切れた。

 

残されたのは、仏頂面の戦士と、先が思いやられるとばかりに額に手を当てる研究者のみであった。




捏造設定ばっかですいません。

でもわたくし的には、かなりマジで考えてたりするので、でぃすられるとメンタルががが。

次回:平和と戦い

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