俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど? 作:春の雪舞い散る
■ 足の親指 – – big toe/first toe ■ 足の人差し指 – – second toe ■ 足の中指 – – third toe ■ 足の薬指 – – fourth toe ■ 足の小指 – – little toe/fifth toe
風魔の猫八
アタシは忍猫の八重略して猫八
イヤ、声帯模写できないからね? できたら便利だけどさ
アタシのご主人様は、現代に生きる隠れ里である風魔の里の忍… 風魔のネ小次郎様なんだけど正直言ってアホです
アホ猫と言われているアタシの斜め上をいくアホであるから救いようがない
どうかち長様ネ小次郎様食事抜きと言う罰はお止めくださいませんか? そのたんびにアタシのご飯取り上げて食べてますから意味ないですからね?
まぁ、アタシの食い物の恨みだけは募っていきますけどね… えぇ、それはもうこの恨み晴らさずでおくものか… って思ってますとも
テニススクールに向かう彩加と別れ川崎家に向かうアタシは正直暑さに負けそうだったりする、八月生まれなんだけどね
到着時は大志とコンビニに出掛けてる蒼空とけーちゃんが戻る前に出掛ける沙希に気を付けるように声を掛け見送り三人の帰りを待つ
三人が帰ってきて大志と蒼空は自習でけーちゃんはお絵描きしてるからアタシは三人を見守りながら静かに浴衣を縫っている、花火大会に間に合わせたいからな
沙希が帰ってきたが今日は予備校がある日だから結構遅くなってる
帰るともう10時近いから着替えて寝落ち
暑さに負けながらけーちゃんのお迎えに…一雨欲しいなって空を見上げ睨んだら立ち眩みってナニソレ?
お迎えの時間になりけーちゃん団扇で扇ぎなからよたよた歩く姿は我なが見れたもんじゃないのは自覚してる
…暑さに負けたアタシはスーパーの店先でけーちゃんとアイスを食べてる
けーちゃんはパピコでアタシはジャンボチョコもなか
はぁ~っ…生き返る…
アイスが美味しいぃ~っ♪
アイス食べながら無料のクーラーに当たる…うん、何て贅沢な一時だ
結構な確率でけーちゃんとこの席に座ってアイスを食べるアタシは割りと知られた存在でいつの間にか川崎家の次女的なポジで見られてる
大志も最初ツレに
「義妹さんを紹介してよ?」
そう言われて訳がわからずに戸惑ったって言ってたしな
至福の一時を過ごすアタシに鮮魚コーナーで働くおばちゃんが
「八重ちゃん、良い鯉が入ってるからお父さんアライにして出して上げたら?」
そう声を掛けてきたから値段を聞いて三枚に下ろしてもらい後冷酒を買ってからスーパーを後にしたんだ
川崎家に着くとアタシとけーちゃんとはシャワーを浴びせられてから出された服に着替えるとタキシード着た彩加がいて
「さぁ八重ちゃん…パーティーの時間だよ、皆が待ってるからねっ!」
そう言ってアタシの手を引っ張り都筑さんが運転する車にエスコートしてくれた
車内には雪乃がいて遅れてけーちゃんを連れた沙希が荷物を持ってきた
「あのさ、パーティーって今日はなにも聞いてないけどなんかあったっけ?」
そう言ったら苦笑いし
「自分の誕生日を忘れる人がありますかぁ…」
そう呆れて言われたけどアタシにとっては八の誕生日でしかな上にその八も小町以外の人に祝ってもらっている形跡がないから余計にどうでもいい日に過ぎなかったから
「アタシには八の誕生日としか思えなかったから忘れてた…」
そう言いながら彩加の頭を見てたら
「八重ちゃん、さっきからボクの頭をじっと見てるけどなにかついてる?」
そう聞かれたアタシは
「何もないよ、むしろウサミミがないのが残念だと思ってるかな?」
アタシが残念そうに言うと都筑さんが
「そちらの紙袋に用意してございますよ」
そう言いながら微笑むのを見て
「さすが都筑さん、アタシの考えてる事わかった?」
そう聞いたら
「いいえ、わかっていたわけではなく八重様なら戸塚様のお姿を見てこう思われるだろうと言う推測をお建てしただけでして…」
そう言われてやっぱりスゴい人だなと思いつつ
「彩加、アリスをワンダーランドに誘うのは白ウサギの役目だよね?
だから白ウサギになってパーティー会場に案内してよ、白ウサギさん?」
「「不思議な国のアリスっ!」」
彩加と沙希が言い
「アリスinワンダーランドっ!」
さすが雪乃はそっちかと思い
「アリス、アリスぅ~っ♪」
けーちゃんもはしゃぐ
雪ノ下家に到着し雪乃の案内でパーティー会場に案内されたアタシ達
アタシの為に集まってくれたのはパーティー会場を提供してくれた雪ノ下家に料理作りに協力してくれた沙希とその家族
鶴見母娘に彩加、葉山グループ、材木とたくさん集まってくれた
メインのバースデーケーキはアイスケーキって…沙希スゴいと、ゆーかけーちゃんと話してたの聞いててくれたんだな
うん、素直に嬉しい…そっか、誕生日を祝ってもらえるのってこんなに嬉しい事だったんだな …
アタシはまたひとつ利口になった気がした
余談ではあるけど
「小町ちゃん、ちょっと良いかな?ボクのお母さんが浴衣に姿の僕と八重ちゃんが二人で並んで写る写メ送れって聞かなくてね…ちょっと撮ってもらえる?」
そう頼まれ小町の手により彩加と八のスマホにデジカメで撮られたのはゆーまでもない事だろう
ただ今三時を回ったばかりだから勿論時間は未々早いと言うか早すぎるけど開始前の混雑は嫌だから早めに現地入りしてブラブラしてるだけ
特に欲しいものがあるわけでもしたい用事があるわけでもない
ゲーセン、か…時の流れに従い以前は差の無かったアタシと八の違いが徐々に浮き彫りになってきた
ゲームもそのひとつなんだけど嫌いじゃないし八の習得したテクニックで下手なわけはない
だけどアタシには八みたいには熱くなれないんだよね…
特にアクション系のゲームにはね
彩加と二人、アイスを食べながらベンチに腰掛けてたら
「そうだ、八重ちゃん…せっかくだから浴衣のプリクラ一緒にとろうよっ♪」
彩加にそう言われてカップル専用コーナーに向かったんだ
そしてガイドのアナウンスにしたがい撮影して二人で落書き…
完成したプリクラを見たら改めて思ったんだよね…うん、なんか恥ずかしいけどこれもアタシと彩加の思い出なんだよな?
アタシは仕上がったばかりのプリクラを見ながらそう思った
夏の終わりを感じさせる日が陰り始めいよいよ雰囲気盛り上がって来はじめ取り敢えず小町に頼まれたものと加彩加と二人で食べるものを買い集め会場内を彷徨いてたら
「あれ~っ、戸塚じゃん…今日は妹さんと花火見物?暇ならあたし等と一緒に観ようよっ♪」
そうアタシに対して挑発的な視線で睨む…何て言ったっけ?
あ~っ、そうそう…自称優美子のライバルの女ご一行様なのな、当の優美子からは全く相手にされてないけどな
「お兄ちゃん、先輩さんなの?あのケバさで言えば卒業生?
何にしろ頭悪そーだから友達は選んだ方が良いよ?」
そう言ってヤマカガシに向けた視線を一瞬向けてやったら黙り混み適当にお茶を濁しその場を離れていった
「全く…鬱陶しいやつらだよ…名前知らんけど」
アタシがそー呟くと
「八重ちゃん、八重ちゃんが話してた人は同じクラスの相模さんだよ?」
そう言われて考えてみたんだけどさっぱり思い浮かばない
「相模?……あぁ、思い出した結衣が『さがみん』って呼んでるヤツとその取り巻きね」
どうでもよさそうに言うアタシに
「全く八重ちゃんときたら…」
そう言って苦笑いを浮かべる彩加だった