俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど?   作:春の雪舞い散る

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外伝的な話です
流し素麺


 

 

 ①  けーちゃんの為に

 

 

 陽乃さんの誕生日の次の火曜日、奉仕部の部室を訪ねてきた陽乃さんが

 

 「 雪乃ちゃん、お父さんとお母さんからの依頼、蒼空君とけーちゃんの二人を招いて流し素麺パーティーを開きたいから手伝って欲しいんだって 」

 

 部室に入ると同時にそう言われて例のアタマイタのポーズの雪乃は

 

 「 何をいきなり言っているのかしら… 全く、姉さんときたら… 」

 

 そう呟くと

 

 「 そう言いつつ、蒼空君とけーちゃんの二人に会うのが目的なんだよねうちのお父さんとお母さんの本当の目的はねぇ 」

 

 そう言って苦笑いを浮かべる陽乃さんにアタマイタポーズのまま固まっている雪乃だった

 

 

 

 

 ②  召喚魔法で呼び出せ

 

 

 魔法が使えるわけないが、どう見ても男手が必要なこのミッションに際し… アタシ達は大会で忙しそうな彩加や葉山グループには頼らず

 

 材木、佐東、鈴置、柳楽君に女子だけどどこかで見たよなマッチョガールな一年生でコスプレイヤーのアタシのフアンの花見川咲良

 

 奉仕部の入部希望者で正直言ってこの面子の中じゃ一番便りになる子だ

 

 ネットで作り方を検索して材料の買い出しに行き 

 

 わいわい賑やかな工作タイム

 

 柳楽君と材木座が図面を引きそれは得意らしい

 

 製作中はアタシと雪乃がおにぎりやお茶、クッキーなどを用意して頑張ってもらい

 

 完成後にアタシが働くお店のドリンクチケットを進呈した

 

 

 そして流し素麺実施の当日、参加者が思い思いに料理や飲み物を持ち寄り、メインのソーメンもお中元の頂き物が結構集まり…

 

 調理担当はボランティアスタッフ… アタシに雪乃と花見川の三人で賄い男子達は水と共に素麺を流す役を交代で担当

 

 最初の予定では、あくまでも雪ノ下家のホームパーティーの予定だったらしいんだけどもはやイベント規模にになってしまった流し素麺

 

 ナンでこうなった? ってそう思ってたんだけど蒼空とけーちゃんの笑顔を見てたらどうでもよくなったし雪ノ下夫妻も苦笑いしてる…

 

 つかもう、ここまできたら笑うしかないだろ? ってレベルで人が集まっている

 

 アタシ達には用意できないアルコールの類いは飲む人が各々に持ち寄り

 

 「 益々けーちゃんたちからはなれてくな… 」

 

 そうつぶやいたがそれでも息子の居ない雪ノ下夫妻は蒼空を、娘の居ない葉山先生夫妻はけーちゃんを猫可愛がりして沙希に溜め息を吐かせ娘と息子達に苦笑いをさせていた

 

 

 好評の内に幕を閉じた流し素麺だったけど余程嬉しかったのか、翌日からけーちゃんが保育園でしゃべりまくった結果

 

 沙希を通じて、父母の会から親睦会に使いたいからと貸し出しの打診があり別に断る理由無いから了承指したらそれを皮切りに

 

 うちの親父の会社の納涼慰安会に、町内会の集まりと次から次に貸し出し要請が来てその対応に追われている奉仕部

 

 もちろん無料に決まってるし、それも喜ばれる一因で総武高のイメージアップにもなっていたのでその好評さを見た学校側から

 

 『 材料費を部費で落としてよいから二号機、三号機を作成してみたらどうか? 』 と言われて再び製作スタッフを召集して作成したので順番待ちの期間が短くなったのは言うまでもないだろう

 


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