俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど? 作:春の雪舞い散る
戦うっ! 男達はっ♪
① アタシですら苦情をいーたくなるレベルの臭いなんだよ、お前らっ!
「 大岡、戸部、大和…お前ら三人ってさ、マジに物凄く汗臭いんだぞ? 全く… 少しは自覚して気を使ってくれよなっ!
教室にいるのはお前らだけじゃないんだからな?」
そうハッキリと言葉に出したのはアタシだけなんだけど優美子だって顔がひきつってるし姫菜と結衣もフォローの言葉が見付からないから
「 これでも喰らいやがれえーっ! 」
と、三人に向けてファブリースを照射してから
「 隼人みたく香水とかまでは香水が苦手なアタシは言わんけど制汗剤くらい使えよな? 」
思わずそう叫んだアタシは間違ってない証拠に女子はみんな拍手した
そう、これに関してはアンチ八重筆頭のサガミンですらアタシを支持しているんだから三人がいかに汗くさいかってことの現れだろう
「 んで、大和んとこは二回戦どうなったん? 」
と、一回戦をすでにコールドで勝ち上がってる野球部の状況を聞いたら
「 七回コールドで勝った 」
そう答えたから
「 お~っ… すげーじゃん、このまま勢い乗って甲子園まで行っちゃう? 行っちゃうの?
アタシもどこぞのヒロインの真似して 「 八重を甲子園に連れていって 」 って言っちゃったりしてな
隼人、プロ野球のチケット買うなよ? そーゆー意味なら千葉ロッテマリンスタジアムがあるんだからわざわざ兵庫県まで行く理由がわからんからな 」
そう馬鹿話を交えて言ったら
「 あぁ、もちろん狙ってるさ… 甲子園、先輩達の悲願でもあるからな
だけど…そうだな、それなら甲子園開催は夏休み期間中だからもし甲子園行きの切符を手に入れたら臨時のマネージャーをやってくれないか? 」
そう言ってどこか遠くを見ていた大和がアタシを見てそう言ったから
「 そうだな、頑張ってアタシを甲子園に連れていって見せろよ?
それと、これ…まぁ、そのぉ… なんだな? お疲れさまって奴だから食ってくれよ? 遠慮は要らんからさ… アタシが作ったヤツで申し訳無いんだけどな 」
そう言って彩加じゃ食べきれなさそうなサイズのドカベンを渡すと
目をしばたかせ
「 貰って良いのか? 」
そう聞いてくるから
「 まぁ、高校生のアタシにゃこんくらいしか思い浮かばんかったからな… でも、お前に頑張れってエールを送りたい気持ちに嘘はないからな… 次も頑張れよ 」
そう言って苦笑いを浮かべると
「 スッゲー羨ましいじゃん、大和っ♪ 料理上手で有名な八重ちゃんの手作り弁当が頑張れって応援のエール代わりならかなりの奴が欲しがるんじゃねぇの? 」
と、無責任に言っちゃたよ… アタシ知らんからな?この先の嫌な予感しかないこの展開をアタシには何もできんつかしたくねぇ展開が見えてるんだけど…
彩加の笑顔が怖い、あとアタシを睨む彩加の黒笑みが怖い… 大事な事だから二度言いました
お昼休みに一緒にお弁当を食べるアタシ達だけど大和が旨そうに食べてくれるのを見てホッとしてると
「 ナ、ナニ… 何なの? 」
大岡、戸部、隼人はもちろん姫菜と結衣に優美子までアタシを見てるからそう聞いたら
「 連休の時食べた八重ちゃんの味付きご飯のおにぎり思い出しちゃって大和君が羨ましいなぁ~って思っちゃっただけだよ 」
そう答えると
「 でも、彼氏の戸塚君はそのお弁当を毎日作ってきてもらってるべ?戸塚君、マジ幸せもんだわぁ~っ♪っべぇ~、まじやっべぇ~っしょーっ♪ 」
戸部がそう言って喧しいくらい… いや、優美子に叱られた
「 戸部騒ぎすぎ、ちょっとは静にしろしっ! それと結衣、アンタは誕生日に作ってもらったじゃん? 」
って戸部叱られ結衣は突っ込み入れられてたね
② 後方支援部隊の奉仕部
奉仕部にもその手伝いの要請が来たらしいがアタシは忙しいから手伝わず結衣と雪乃がメインで事に当たっている
更には野球部にも女子のマネージャーも入ったからアタシがマネージャーやるって話は立ち消えになりアタシ自身もでしゃばらずに彩加に集中する事にした
毎試合応援に行きベストフォー入りの団体戦
男子シングルスも、順調に勝ち進んでいるのでこちらもかなりの注目度を浴びている
ただしこちらはアタシと彩加が二人三脚で頑張ってきてるのは有名な話だから変にちょっかい掛けてくるヤツはなかった
この頃になるととある人に内職を紹介してもらったとかで平日の出勤数を減らしたのでアタシも川崎家訪問が減った
なので月曜日は女子マネ居ないラグビー部の大会が終わるまでヘルプで入ることにして…
水曜日はこの頃知り知りあった柳楽君と言う男子生徒実家の柳楽流薙刀術の道場に通い始めたんだよね
そしてベストエイト入りを掛けた五回戦は強豪習志野高校との試合は白熱の投手戦らしく延長かと思われた九回裏
相手ピッチャーの失投を逃さずに捉えたセンターの長原先輩が三塁打
続くセカンドの仁科って言ったかな?がスクイズを決めて決勝点になり勝ち抜きとなった
その翌登校日に弁当を渡すとその事を話して
「 二人にも順番で労いの弁当を作ってやってもらえないだろうか? 」
そう頼まれて
「 あーっ、作るのは構わんがアタシは二人の所属クラス知らんぞ? 」
そう答えると
「 二人には俺が渡すから大丈夫だ 」
そう受け合ってくれたから
「 ン…リョーカイした、因みに好き嫌いはナンかアンの?」
そうアタシが質問したら
「 極端に甘くなきゃ特に好き嫌いはない 」
と、の事だから
「 そっか… なら明日明後日で大和に渡しゃ良いんだな? 」
そう確認を取ったら
「 あぁ、それでお願いしたい 」
そう言って頭を下げるから
「 あ~っ、そんな事気にするよっか次も頑張ってくれりゃ良いんだからな? その為のアタシなりの応援ナンだからさっ♪ 」
そう答えてこの話題が終わったと言わんばかりに授業の支度をするアタシだった
えーっと… 誰だっけ? まぁ、細かい事はどーでも良いや…大和に頼まれたお弁当喜んでもらえたらしく
「 お陰で他の連中も八重の手作り弁当を目指して燃えてチームの士気が上がってる 」
そんな事ゆーから
「 んな、大袈裟な事を… が、喜んでくれたんなら何よりだ 」
アタシが苦笑いでそう言うと
「 八重ちゃんのお弁当美味しいんだからもっと自信持とうよ? 」
そう彩加に言われたんだけどはっきり言って自信をもってどこを目指せば良いのかよくわからんのだけど…
中途半端な自信はすぐに自惚れに変わるんだから始末に悪いだけだ
ましてや、自我の安定しないアタシは調子に乗らないと言い切る自信ナンか微塵もないんだからな…マジ気を付けないとヤバい
だから、その彩加の言葉にはあまり同意しかねるアタシには
「 善処する… 」
と、しか言えなかった