俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど?   作:春の雪舞い散る

36 / 70
ガハマさんのバースデー… 私の為に一日空けてくれないかな?

 

 

 ③  ネコ派の雪乃は犬が苦手

 

 

 気のせいかな? 遠くから犬の哭き声が聞こえてきてアタシ達に近付いてきてるような…

 

 雪乃の顔が青ざめ震えてる…

 

 犬、苦手なのかな? 雪乃… えっ?

 

 お腹に軽い衝撃が走り驚いてその衝撃の元を見たら

 

 「 ミニチュアダックスフント? 」

 

 そう思ってたら飼い主らしき女の子の声がした

 

 「 す、すいません… リードを離しちゃって…… え、八重ちゃんと雪乃ん? 」

 

 そう呟く結衣に

 

 「 気ぃ付けろよ?でなきゃどんな事故に遭うのか知れたもんじゃないからな 」

 

 犬の頭を撫でながらそう言うと

 

 「 あ、うん… 二人で来てたんだ… あたしは何も聞いてないのに… 」

 

 そう呟く結衣に

 

 「 そりゃそうだろ? アタシは沙希が急にバイト休んで家に居るからポッカリ空いた今日、小町とわんにゃんショーに来てたし雪乃は一人で結衣も今あった

 

 ここにそんな事情を知らん彩加が来たら

 

『 やっぱり奉仕部の三人って仲良いよねっ♪ 』

 

 ってゆーぞ? 」

 

 そうアタシに言われ苦笑いしながら

 

 「 確かに彩ちゃんの言いそうなことだし端から見たらそう見えるんだね… ところで今は何してたの?」

 

 そう聞かれたから

 

 「 少し前まで、本屋で雪乃に参考書の相談してたんだよ… 進路希望を国公立大学も視野に入れようかって迷ってるからな? 」

 

 雪乃にはまだそこまでは話してないけど、結衣があまり突っ込んでこないだろう話題だからそう振ってみたら案の定

 

 「 あははははっ、八重ちゃん… もうそんなことを考えてるんだ? 早いね… 」

 

 なんて呑気な事を言うから

 

 「早いヤツはそれこそ物心つく頃から考えてる… 身近なとこじゃ隼人

 

 アイツの希望は知らないけど周囲は弁護士か医者のどっちかを期待してるんじゃないの? 」

 

 そうアタシが言うと

 

 「 あ~っ… うん、隼人君はずっと前から考えてたんだよね… 」

 

 そう話題がそれてホッとして

 

 「 そんな事を話しながら小腹が空いたな… あっ、カマクラのエサってあんま残ってないよな?

 

 そんな事を思い出して買いに来てたわけ 」

 

 そう言って買ってきたばかりのキャットフードを見せ

 

 「 で、結衣はの方はどうしたの? 」

 

 そう話し掛けると

 

 「 あたしはサブレ… その子の名前なんだけどトリミングが終わる頃だからお迎えに来てたんたよ 」

 

 そんな事を話してる時だった

 

 「 八重ちゃん、ガハマちゃん、ひゃっはろーっ! 」

 

 そう叫びながらアタシに抱き付いてきた陽乃さん

 

 ( 貴女の夢と希望がつまったアレに埋もれて息がつまりそうなんですけど? )

 

 そう思ってたら雪乃が引き揚げてくれたから

 

 「 うん、その夢と希望がつまった大いなるそれがアタシの天敵であるの改めて認識したよ… 」

 

 そう言って真っ赤な顔でゼーゼー言ってる涙目のアタシは悪くない

 

 「あらあら、お姉ちゃんって貴女になにかしちゃったのかしら?」

 

 そう言われたけどその言葉はアタシの耳には届かないけど仕方無いよな?

 

 悪気なくてもマジ窒息するって思ったんだからさ

 

 そんなアタシを見ながら仕方無い… そんな表情を浮かべた雪乃がアタシの耳元で

 

 「 そんなに睨んでも貴女のは大きくならないわよ? 」

 

 そう言われて溜め息を吐き

 

 「 あ~っ、悪い…持病が出たみたいだな? 色々お世話になって感謝してます 」

 

 そう尋常に挨拶すると

 

 「 ちゃんとお礼が言えて偉いわね? そんな貴女にご褒美よっ♪ 」

 

 そう言って棒着きキャンデーを一袋くれたから結衣と食べてる

 

 そんなアタシの頭を撫でるその人に向かい雪乃は

 

 「 そんな事より今度はいったいなんの用なのかしら? 」

 

 そう苛立ち気味に言う雪乃に

 

 「 イヤだな~っ、雪乃ちゃん… もうすぐ私のアレだって知ってるクセに? だから八重ちゃんのスケジュールを押さえに来たに決まってるじゃないの? 」

 

 そう言われた雪乃が苛立ち紛れに叫ぼうとするのを

 

 「 雪乃、これでも舐めて落ち着いて… でなきゃ勝てる戦も勝てないよ? 」

 

 そう言ってにかっ、と笑うと

 

 「 口の中に物を入れて話をするのは行儀悪いって言ってるはずよ? 」

 

 そう言って溜め息を吐く雪乃は大きく息を吐いて

 

 「 仕方無いわ、八重さん… 来月の七日も予定を空けて欲しいのだけどよろしいかしら?」

 

 そう雪乃に言われて

 

 「 あ~っ、バイトは休んでもいいんだけど夕方は川崎家の七夕に誘われてるんだけど?

 

 遅くとも暗くなる前には行きたいからそれまでで良いならだけどさ 」

 

 アタシがそう答えると

 

 「 だそうよ?後は姉さんが妥協できるかできないかなのだけと? 」

 

 そう雪乃に言われた雪乃の姉さんは

 

 「 じゃその分早い方は平気なのかな? 」

 

 「 ん~っ… あんま早すぎても困るかな? 多分親父と母ちゃんは普通に仕事だろーから朝ご飯用意してお弁当渡したいし妹の朝ご飯と昼ご飯も用意しておきたいから六時前はちょっとね… 」

 

 難しい顔をしてそうアタシが答えると

 

 「 あははははっ、まさかそんな早くないよ? と、言うか八重ちゃん何時起き? 」

 

 そう聞かれて

 

 「 四時だけど変? 」

 

 そう聞いたら

 

 「 いや、全然変じゃないから安心してよっ、じゃあ七時に八重ちゃん家に迎えにいくから用意しといてよ?

 

 ん、じゃあお姉ちゃん用事済んだし満足できたからもう帰るねっ♪

 

 八重ちゃんも当日楽しみにしてるからねっ♪ 」

 

 そう言われて

 

 「 ご期待に応えられたら良いですけどね 」

 

 そう言って去っていく陽乃さんを見送るアタシ達だった

 

 

 

 「 あ~っ、そう言えば八重ちゃんに頼まれてたお店の名刺のデザイン考えてきたんだけどどうかな? 」

 

 そう言われて

 

 「 ん、見せてみて… 」

 

 そう言って受け取り眺めてみて

 

 「 うん、さっすが結衣っ! 期待以上だよっ♪ アタシじゃこんな可愛いくデザインするの無理、お礼に今度なんかおごるよっ♪ 」

 

 そう言って笑ってるのを見て溜め息を吐いてる雪乃の事は気付いてない

 

 

 日曜日は川崎家で蒼空とけーちゃんと過ごし大志にも勉強を教えた

 

 そして結衣の誕生日当日、お昼は結衣のママに話して結衣のお弁当を作らせてもらい食べてもらった

 

 事情を話して小町と大志に蒼空とけーちゃんを連れてきてもらい事情を知らない結衣の為に雪乃のケーキが焼き上げてアタシはあまり好きじゃないサプライズパーティー

 

 アタシからのプレゼントはサブレの首輪…

 

 「 って結衣、それサブレのだからね? 」

 

 自分の首に巻こうとする結衣にビックリしたアタシがそう言ったら

 

 「 そ、それくらい知ってるしっ! 」

 

 普通に考えて人間の首に収まるサイズじゃないよね?小型犬用なんだからさ

 

 それとミトンにクッキー

 

 雪乃はエプロンとミサンガで

 

 「 途切れない友情を願いたいわ… 」

 

 と、そう言って

 

 「 そしてこれは八重さんのよ 」

 

 差し出されたそれを受け取り紙袋から出すと中から出てきたのはパステルオレンジのカジュアルな感じのエプロン

 

 「 あ、ありがとう…アタシまで… 」

 

 そうお礼を言うアタシ達

 

 みんなで一緒にケーキを食べまず小町と大志が塾に行きアタシも一足先に蒼空とけーちやんを連れて帰ることにしたんだ

 

 こうしてアタシと雪乃の秘密のミッションは無事成功に終わったんだ?

 

 因みに、今日雪乃から貰ったエプロンは川崎家で使っている


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。