やはり俺がおとしものを拾うのはまちがっている。   作:yoshikei

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「お兄ちゃーん。小町先にいくよー」

「おーう」

 

ガチャ…バタン

 

 小町が中学へと先に出掛ける。

 

「さて、俺も支度して行くか」

 

 俺はそう言って、自分の部屋に戻り制服へと着替える。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 高校へ行く支度が終わり、時間もいつも出ている時間に近くなってきた。

 

「行ってきまーす」

 

 俺は家を出て自転車にまたがり、総武高校に向かった。

 

 

 

「で、イカロス」

「はい、なんでしょう。マスター」

 

 俺は自転車をこぎながら、後ろにいるイカロスに声をかけた。

 

「なんで付いてきてるんだ?」

「マスターの命令をいつでも聞けるようにです」

「帰れ」

「分かりました」

 

 イカロスはそう言って、家の方向にに飛んでいった。

 

 

 

「あ、ヒッキー。やっはろー」

 

 校門の前につくと、由比ヶ浜が挨拶をしてきた。その挨拶っていつでも使えるのかよ……。

 

「ああ、由比ヶ浜か」

 

 由比ヶ浜にそう言って、校門を抜けようとする。

 

「ねぇ、ヒッキー。後ろにいる人ってだれ? なんか飛んでるんだけど」

 

 由比ヶ浜にそう言われ、慌てて後ろを向くと

 

「マスター、どうしましたか?」

 

 イカロスが飛んでいた。

 俺はイカロスの手首をつかみ、学校を出た近くにある路地裏に入った。

 

「おいイカロス!」

「はい」

「俺は家に帰れって言ったよな?」

「一度、帰って再度ここに来ました」

「はぁ」

 

 俺は多きなため息をついた。

 

「家に帰って、俺が帰るまで待機。いいな」

「………はい」

 

 イカロスはそう言うと、家に飛んで帰っていった。

 イカロスの返事の前の変な間が気になったが、すでに見えなくなっているので、気にしないことにした。

 

 

 

 放課後になり俺は帰ろうとしたが、由比ヶ浜に捕まってしまった。

 

 

ガラガラガラ……

 

 

「よう」

「やっはろー」

 

 俺と由比ヶ浜はそう挨拶をしながら部室のなかにはいった。

 

「こんにちは由比ヶ浜さん。それと、そちらの方は依頼人かしら?」

「おい、俺も一応部員だぞ」

「あら、そうだったかしら」

 

 雪ノ下はキョトンとしながらそう言った。

 俺はいつもの席に座ると、どうしても家にいるイカロスのことが気になってしまった。

 

「なあ、雪ノ下」

「どうしたの? 比企谷君」

「今日は早めに帰りたいんだが」

「あら? どうしたの? 比企谷君から珍しくただならぬ用事がありそうな雰囲気が出ているのだけど?」

「いろいろとあってな。家がちょっと大変なんだ」

 

 俺がそう答えると、由比ヶ浜はなにか気になったようで、話に乗ってきた。

 

「ヒッキー、何かあったの?」

「ああ」

「それって、今日の朝、登校してきたときにいた女の人?と関係があるの?」

「まあ、そんなところだ」

 

 そうだった。由比ヶ浜はイカロスのことを一回だけ見たんだった……。

 

「女の人?」

 

 雪ノ下が由比ヶ浜の発言を聞き逃さなかったようで、女の敵を見るような目で俺を見てきた。

 

「あなた、とうとう誘拐を…」

「してないからな?」

 

 ひどい言いがかりをかけてきた。

 

「まあ、いろいろとあったんだよ」

「わかったわ。今日はもう終わりにしましょう。ただし、比企谷君の家に行かせてもらうわ。本当に誘拐していないのか確認する必要がありそうだもの」

 

 雪ノ下はそう言って帰る支度をはじめた。




こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
さて今回、ようやく奉仕部メンバーを出すことができました。
次回はとうとうイカロスとの接触です。
今後ともよろしくお願いします。

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