「おい!まだか!?こっちもそろそろキツイんだぜ!?」
「黙ってなさい!あの感じを見るにかなり集中しないといけないはずよ!」
すると2人が抑えていたフランに異変が起きる。これまでは
「....まずいわね....魔理沙!!気張りなさい!!」
「....キャッハハハハハ!!どうしたの?全然固くないじゃない!」
そういうとフランは空中に手をかざし力を込める。すると手を中心に禍々しいオーラが立ち込める。
「キュッとして.....ドカーン!!」
ガラスが割れるような音とともにパチュリーと魔理沙が維持していたバリアがいともたやすく破壊される。
「おいおい!なんだあの力!?」
「翡翠は....まだ無理そうね。」
パチュリーは冷静に状況を分析していた。翡翠は間に合わない、フランは抑えられない。ならするべきことは1つだろう。
「魔理沙....迷っている暇はないわ。」
「お前....まさか....。」
「フランを....殺すつもりで打ちなさい。2対1、状況は決して悪くない。」
「.....わかったよ!!」
魔符 『スターダストレヴァリエ』
星型の弾幕がフランに向かって飛んで行く。もちろん、弾幕ごっこ用ではない、魔理沙の本気の弾幕だ。だが、魔理沙は実践経験が浅い。本気の弾幕なんて打ったことはない。
「弱い....弱いよ白黒の魔女さん!!....名前....なんていうの?」
「魔理沙!!答えなくていいわ!弾幕に集中しなさい!!」
「へー魔理沙っていうんだ...。魔理沙!私たちお友達ね!一緒に遊ぼうよ!!」
そういうとフランもスペルを発動させる。禍々しいオーラが手に集まり、赤色の光を放つ。
禁忌 『レーヴァテイン』
紅い炎を纏った剣がフランの右腕に創造される。
「魔理沙なら受け止めてくれるよね!!」
「魔理沙!!避けなさい!!」
「くっ!間に合わ....」
フランが炎の剣を振り下ろした瞬間、フランの右腕から剣が
◆
「音がしたところはどこかわかる?」
「えーっと...あそこの地下!図書館よ!」
レミリアと紫は図書館へと向かう。ちなみに紫の能力では座標や特定の場所の景色などの情報が必要なため、図書館には一気には飛べないのだ。
「急ぐわよ!」
とてつもない速さで廊下を進む。すると前に人影があった。
「誰だか知らないけど、ここは通せないわ。この先はパチュリー様がいる図書館....ってお嬢様までどうしたんですか?こんな
ブチッ
「ちょっと紫!?....こ、小悪魔も謝りなさい!!」
「え?やだなーお嬢様!なんでこんな
ブチブチッ
「覚悟は....いいな?」
紫は自分の究極のスペルを発動させる。
紫奥義 『弾幕結界』
小悪魔の周りに紫と青の弾幕が現れる。それは避けられないほどの凄まじい密度の弾幕だ。
「くたばれ。」
ゆっくりと小悪魔に弾幕が近付いてくる。
「ひ....ひ....ひええええええ!!!」
◆
「え?あれ?剣が.....消えた?」
「な...にが起こったんだぜ?」
全員が振り向くと、そこには緑のオーラを纏った翡翠が立っていた。
「2人とも、休憩しておいて。あとは私がやるわ。」
どやああああ!!スーパーサイ◯人っぽいだろ?かっこいいだろおおお!!....とまあめっちゃ高いテンションは置いといて、実はこれは魔力と霊力を混ぜた....名付けて!!翡力だ!!テンション置いてねえじゃん。というツッコミは知らん。
まぁ、この翡力を纏うことで、
フランの狂気の部分にだけ攻撃を当てられる。
「はあああああああ!!」
私はありったけの力を込め、スペルを発動させる。
心符 『ガイストソード』
私の手にまばゆい光が現れ、黒光りする鋼の剣が出現する。私は、それをフランへと振り下ろした。
「そんな剣じゃ私のバリアは....ひぐううっ!!」
フランは痛みに顔を歪める。だが当たったはずのフランの肩には傷一つ付いていない。
「どうして!?」
「パチュリー様!フラン様は何者かに取り憑かれています!」
「....なるほどその取り憑いている存在だけを切るということ
ね....。」
フランが大勢を立て直し、拍手をしながら翡翠へ賞賛を送る。
「やるじゃないか、そこの人間。まさか精神にだけ効果のある剣があるとはな....。」
姿までは私でも見えないが、声は男の声だ。人間でいうと20代〜30代くらいの声。
「だが!次、動くと....この体を吹き飛ばすぞ?」
「「「!?」」」
全員が目を見開く。パチュリーが疑問を相手に投げかける。
「ちょっと待って。そんなことしたら憑代としての体が消えてあなたの魂が輪廻の輪に入ってしまうんじゃない?」
笑いながらドヤ顔で絶望する私たちの顔を眺めてくる。
「甘いなぁ....私はいくつも憑代である体を持っている。....つまりいくら死のうとも生き返るのだよ!」
「そんなこと....不可能よ....普通は魂が削れていくはず....。」
名前がわからないのでヤツと呼ぼう。ヤツの手に禍々しいオーラが集まっていく。
「この体は素晴らしい....特にこの能力がなああ!!」
かざしていた手が閉じていく。このままでは私たちが....。
「まずは....その緑の髪の小娘だああ!!消えろお!!」
口を歪め私に照準を合わせたヤツは手を完全に閉じた。
「薄汚い声と言葉遣いで大切な妹の体を使うな。カスが。」
誰にも気づかれないスピードでヤツの背後を取ったお嬢様!速っ!!ファインプレー!
「ぐっ!貴様1人の攻撃など!その前にこの体を吹き飛ばしてやるわ!!」
「あら、私1人なんて誰が言ったの?」
そういうと緑の髪をなびかせながら日傘を持った美人が飛んできた。
「うちの弟子に何してんだ。ゴミめ。」
2人が同時にスペルを唱える。図書館を中心にものすごい地響きが発生する。ぶっちゃけ立ってられない。
紅符 『スカーレットマイスタ』
幻想 『花鳥風月、嘯風弄月』
「ぐ、ぐあああああああああっ!!!」
大きすぎて耳が痛くなるほどの爆発音がした後、フランの姿はなくなっていた。
紅魔郷編はあと1、2話で終わりです。そのあとはほのぼのとした話書きます。最近シリアス多いし。