私ともやしとメイド長と   作:てんな

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今回は翡翠視点ではありません。タイトルに入ってるのに全然出番がないあの人視点です。



私にとっての妹

私の名前は十六夜咲夜。レミリア・スカーレットお嬢様の完全で瀟洒な従者で、十六夜翡翠の姉だ。

突然だが私の話を聞いてほしい。3日と6時間と48分前に翡翠がお嬢様の命令で修行に出かけた。期間は、聞いてみたところ1()()()の修行だそうだ。

 

「1ヶ月も待てるかああああああ!!!」

 

「?....誰かいるのかしら?」

「気のせいですよ!師匠!」

 

.....危ない危ない、気づかれかけた。現在私は太陽の畑、修行場の遠く離れた草むらに隠れている。え?仕事はどうしたって?そんなもん知らん。

 

「それよりお願いします!修行の続き!」

 

ああ、愛する妹の頑張る姿はかわいい。...言っておくが私はシスコンではない。ただ、妹思いの良きお姉ちゃんなのだ。次にシスコンって言った奴は殺す。

 

「そうねえ....じゃあ次はスペルカード....いわゆる必殺技を作ろうかしら。」

「やった!スペルカード作るの楽しみだったんだよねー!」

 

あー翡翠かわいい。.....風見!てめー翡翠にくっつきすぎだ!!....あっ!頭撫でてんじゃねえ!撫でていいのは私だけだ!

 

「じゃあどんなのにしようかなぁ...。あ!師匠みたいに花の弾幕にしようかなぁ。」

 

翡翠!やめとけ!私みたいなナイフにしないか?殺傷力があるだろう、花より。

 

「それはちょっと物騒じゃないですか?」

「....ちょっと何よ、美鈴。今忙しいのよ。」

 

私の同僚で門番の紅 美鈴だ。3日前からずっと迎えに来る。しつこい。....あと今こいつ私の思考を読まなかったか?

 

「絶対忙しくないですよね?....お嬢様が早く連れ戻して来いって。」

「嫌よ。今、妹の成長の過程をじっくりと....。」

「なら私も見ます。」

 

と言って私の隣に座る。....なんで一緒に見るのか分からない。たいして翡翠と面識があるわけでもないのに。

 

「くそっ!風見め!無理やり翡翠に師匠なんて呼ばせやがって!」

「え?嘘でしょ?翡翠ちゃんなら自分から師匠って呼びそうですけど....」

「いいや!無理やりよ。多分催眠魔法の類ね。パチュリー様を呼んでくればよかったわ....」

 

なぜか美鈴が苦笑い。なんだその生暖かい視線は。....おっと、翡翠の初スペカのようだ。

 

『翠符 エメラルドフォーカス』

 

一点集中型のスペカのようだ。鮮やかな緑色の大小様々な弾幕が風見めがけて飛んでいく。やっちまえ!

 

「上出来よ。」

 

風見が不敵に笑う。前が見えないくらいの砂煙が舞った。かなり威力は高いっぽい。風見は無傷だ、チッ。そのまま消し飛べばよかったのに。

 

「....帰るわよ!美鈴!」

「あ、やっと帰ってくれますか。大変だったんですよー、咲夜さんの持ち場も仕事するの。」

「....はいはい、ケーキ5個。これでいいでしょ?」

「ごちそうさまですっ!」

 

またサイフが軽くなる約束をしてしまった。....3日も館を開けてたんだし、そのくらいはいいか。というかケーキ5個は食べ過ぎだと思う。太るぞ、美鈴。

 

「〜♪」

「あれ?珍しく機嫌いいですね?咲夜さん。」

「....珍しくは余計よ。」

 

鼻歌をうたいながらご機嫌に帰宅する私。翡翠が頑張っている姿を見ただけでもう満足だ。....でも何だか嫌な予感がする。何かを忘れているような....。

 

 

 

 

「ほう....なかなか度胸があるじゃないか。3日も仕事をサボって、ノコノコこの館に戻ってきたわけだな?」

「い、いえ、お嬢様、これは監視といいますか....。風見様が手を出していないかと.....。あははは。」

 

本当に殺気がやばい。こ、怖い....。しまった、せめて2日にしておけばよかった....。

 

「これから翡翠が帰ってくるまで......みっちり仕事だー!!」

「は、はいいい!!」

 

1ヶ月も仕事....まぁ翡翠も頑張っているだろう。よーし!私も頑張るぞ!....ただ、美鈴が1ヶ月間の休暇をもらい、私がその分の仕事をするのには、解せなかった。

 

 

 

 




咲夜さんをシスコンにしてしまった....。シスコン咲夜さんを書きたくてこの設定にしたようなもんです。


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