Guilty Bullet -罪の銃弾-   作:天野菊乃

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この世で最高に綺麗なもの


【episode31】

「……わかっているの、里見くん。この私に挑むという意味を」

 

 集は静かに息を吐く。

 

「……正しく理解しているよ木更さん。天童式戦闘術免許皆伝の復讐の鬼、『天童殺しの天童』、そして俺の初恋の人だ───ああ、もし神様って奴が本当にいんなら、今すぐその横面をぶっ叩いてやりたい状況だコンチクショウッ!戦闘開始ッ、これより目標、天童木更を排除するッ!」

 

 空になったカートリッジを地面に放る。それが開始の合図だった。

 集が王の力を発動させると、木更が先に仕掛けた。

 木更が地面を駆け抜け、澄んだ声が響き渡る。

 

「天童式抜刀術一の型一番───」

 

 鞘鳴りがして、稲妻のごとき速度で刀が抜き放たれる。

 

「『滴水成氷』ッ」

 

 集が右拳を握ると、螺旋を描く銀色の帯が集の腕部、尺骨神経に沿うように纏わりつき、巨大なドリルを形作ると、耳障りな音を撒き散らす。

 

「『轆轤鹿伏鬼』ッ!!」

 

 天童式戦闘術一の型三番。王の力のアシストによって繰り出された音速の拳が、目に見えぬ斬撃を打ち消す。集は目線を鋭くし、地面を蹴り、拳を振り下ろす。

 

「へえ、熱気を纏ったこれを防ぐの……随分やるようになったわね」

「はっ、褒められても微塵も嬉しくねえよッ!」

「だけどまだまだね」

 

 不意に集の胸元が浅く切り裂かれる。集は空中を蹴り、後方に退避するとじんわりと滲み出てくる生暖かい血液に触れた。

 

「精進なさい、初段の里見くん……前もそう言ったはずよ?」

「……ああ、そんな事も言われたっけな」

「それにこれは機械が沢山取り付けてあるけれど、決して模擬刀なんかじゃない。殺人刀よ。油断したら───死ぬわよ」

 

 これは長年ともに過ごしてきた仲間への情だろうか。木更は集を睨めつけながら言い放つ。

 

「……死ぬのはゴメンだな。だけど」

 

 集は血に濡れた右手を力強く握り締める。

 

「俺は餓鬼の頃一度死んで、更に向こうの世界でもう一度死んでる」

 

 すかさずXDを抜く。

 しかし、トリガーを引ききる前に木更が弾丸の速度で突っ込んでくる。木更には当たらないと思ったのか、集は歯噛みをしながら右手に銀の帯を纏わせて薙ぎ払うように振るわれた刀を防ぐ。

 あの状態から防がれると思っていなかったのか、木更は驚愕の表情を浮かべた。

 

「……『三度目の正直』だ。もう死なねえよ」

 

 鍔迫り合いになりながら、集は木更の足を踏み付ける。

 

「天童式戦闘術三の型九番───ッ!」

 

 僅かにだが反応に遅れた木更は集の体当たりを真正面から食らった。

 

「『雨寄籠鳥』ッ!!」

 

 集の体当たりが木更の急所に入る。しかし、完全に決まったという感覚はない。

 

「里見くん、知ってる?この世にはこういう言葉もあるのよ」

 

 木更はあの体勢から体を反らし、衝撃を和らげていた。

 

「『二度あることは三度ある』って言葉─── 天童式戦闘術一の型五番」

 

 謳うように木更は言葉を口にする。そして、気づいた時にはもう既に遅かった。

 木更の腕に取り付けられたアーマーから空薬莢が排出。音を置き去りにした神速の一撃が集の鳩尾に突き刺さった。

 

「『虎搏天成』」

 

 爪先から頭頂部まで凄まじい衝撃が走り抜け、体が吹き飛ぶ。恐ろしい勢いで店頭の窓ガラスを突き破り、壁に衝突する。

 地面に両手をつき、無理矢理体を起こした刹那、殺気。すぐさま横に転ると地面に落ちたXDに飛びつき、銃口を木更に向ける。だがそこで、彼女の姿が消えていることに気づいてハッとする。

 集は銃を構えたまま転がり込むようにして柱の影に隠れる。

 木更は人間だ。王の力によって夜目が利くようになっているので、集の方がやや優勢。どうすれば木更に致命打を浴びせられるか───

 そんな時、ジェットエンジンめいた音が聞こえ、集は思わず息を潜めた。同時に辺りが一瞬赤くなり、コンクリートがドロリと溶け、集のスーツに付着した。

 

「ぐっ?!」

 

 あまりの熱に呻く集。筋肉を総動員して咄嗟にバックステップを取ると、次の瞬間、木更の追い討ちの兜割り。集がいた場所をコンクリートごと切り裂く。

 木更はそのまま刀を抜くと、浮遊する集の胸部刀を突き立て─── そのまま壁に突き刺した。

 胸に走る凄まじい激痛と肌を焼く超高温の刃に歯を食いしばる。あまりの激痛に食いしばった歯が欠け、視界が暗転しかける。

 口から気味の悪い音がしたと思ったら、ドス黒い血液が集の口から溢れていた。瞼を震わせ、目前を見ると、木更は冷めた表情でこちらを見つめていた。

 

「─── 私の勝ちね、里見くん」

 

 集が僅かに指先を動かそうとすると、木更が刀をさらに押し込んでくる。

 あまりの激痛に思わず叫んだ。王の力が自動的に解除される。瞬間、どっと疲労感と寒気が襲いかかってきて、集は大量の血を吐き出した。

 止まらない出血が、胸から地面に滴り落ちる。

 心臓が刀で貫かれ、肺も焼けている。身体は傷や火傷が出来ているというのに、身体は刻一刻と熱を失いつつあった。

 視界がぼやけ、意識が闇の中に消えていく。暗い昏い深海に身体が沈んでいく感覚。

 嗚呼、俺はここで死ぬのか。

 

『集』

 

 遠ざかりかけた意識に、いのりの声が響いた。数日会ってないだけだというのに、酷く懐かしい感じがする。

 

 ───そうだ、俺はまだ死ねない。

 

 集は熱を発する刀の刀身を掴む。木更がそのまま押し込もうとするが、集の王の力が甦る。

 どこからか力が湧いてくる。集は力だけで刀身をへし折った。

 儚い音が響き渡り、見れば木更は声もなく戦慄していた。なぜ攻撃しないのか。刀が折られたからと言って、戦えないわけじゃない。

 だが目の前で狼狽して立ち往生する木更は、まるで戦意を喪失しているみたいではないか。

 もしかして、と集は息を吐く。

 木更はもしかすると、もう戦えないのかもしれない。『天童殺しの天童』と呼ばれた彼女がかつて手にしていた『殺人刀・雪風』。それがこの世界で『殺人刀・焔光』として生まれ変わったのならば。

 彼女が殺すのに拘った殺人刀が砕け散ったことで、妄執もまた砕け散ったのならば。

 ───千載一遇。これが、正真正銘ラストチャンス。

 みんなを守るために死の淵から甦った。

 自分(桜満集)には、まだ守るべきものがある。

 帰りを待つ人がいる。そう思った時には身体が既に動いていた。

 

「天童式戦闘術一の型十五番ッ!」

 

 刹那、辺りを照らす銀色の輝きに、木更は我に返った。

 

「……ぁ」

「『雲嶺毘却雄星』ッ!!」

 

 空気を畝らせ繰り出されたアッパーカットが交差した木更の腕を抜ける。木更の体は易々と吹き飛ぶ。

 

「天童式戦闘術二の型四番……ッ!」

「……そう、私の……負け……」

 

 集は右足を伸ばしたまま、ゆっくりと直上に振り上げる。靴の裏を天井に向けて、静止。木更の体が重力に従って落下の軌道を描く。木更が力のない瞳でこちらを見た。

 脚部に纏わりついた銀色の帯が複雑な螺旋を描きながらキラキラ輝く。

 集は瞼を閉じる。

 

「……『隠禅・上下花迷子』ッ!」

 

 鉄槌のごとく打ち下ろされた踵落しが木更にヒット。フロア全体に激震が走り、地面が大きく陥没。

 王の力の能力向上によるあまりにも莫大なエネルギーが、木更の体を吹き飛ばし、床に叩きつけられる。

 あたりの店舗の窓ガラスをすべて割り、この場が崩壊するのではと思うほどの衝撃の後、ようやく振動が収まった。

 真下を見ると、喀血しながらフロアに大の字で倒れる木更がいた。

 

「……ようやく、あんたに届いたんだな」

 

 呟きながら、集は思わず膝をついた。

 頭の奥が痛み、目眩、吐き気が一斉に襲いかかってくる。胸元の傷は既に塞がり始めているが、臓器の方はそうもいかないようで心臓が脈打つ度、激痛が集に襲い掛かる。

 よくもまあこんな状態で戦っていたものだと、呆れかえりながら横で倒れる木更を見る。

 最強の剣豪『天童木更』に接近して真正面から潰す。半ばサイボーグ戦士のそれに近い動きをしていた人間と戦っていたことを考えると、分が悪いにも程があった。

 集は膝に手をついて思いっきり力を込めながら立ち上がる。

 口元を拭うと、唾液と混じった赤黒い血が垂れていた。地面に吐いてから、足を引き摺っ、て木更の元に近づく。

 XDを木更の眉間に照準する。

 木更の服はボロボロだった。要所要所に着けられたアーマーは破損、煙を上げている。スーツも破れ、骨も何本か折れているだろう。通常の何倍にも能力が引き上がる王の力の一撃を真正面から食らったはずなので、暫くは思うように体が動かないはずだ。

 木更は音を立てながら息をして、薄目を開けて集を見た。

 

「……なあ、木更さん。教えてくれ。なんで、あんなに俺に固執したんだ?」

 

 集と木更の視線が絡む。勝利の喜びもなく、怒りも悲しみもない。虚しさだけがその場に残るのみだ。

 木更は呻く。

 

「……『天童殺しの天童』の仮面を、剥がした……から」

「……は?」

 

 彼女の言っている意味がわからなかった。

 

「……報いることだけが……私を動かしていたのに……里見くんが……全部……」

 

 奪った、から。その言葉は酷く冷たく聞こえた。

 

「私が……『天童殺しの天童』のままだったら……私はずっと戦えた……私はまだ殺せた……私は死ねた……なのに……里見くんが……」

「……」

 

 集は拳銃を引き金にかけた指に力を込める。

 そして一度頷いて目を閉じた。

 集は銃をホルスターに収め、木更をゆっくりと起こした。

 木更の目が見開かれる。

 

「……なん、で」

「……俺は木更さん、別にあんたを殺したくて戦っていたわけじゃない」

 

 集は目を瞑ったまま、端に置かれた医療キットを見やった。

 

「私は里見くんを……殺そうと……」

 

 集は木更の体を抱き寄せた。鬼神の如き強さを誇り、大きく見えていた彼女の姿は、集の腕の中ではとても小さかった。

 

「……俺はあんたに、これ以上傷ついて欲しくなかっただけだったんだ」

 

 木更の肩が震える。

 

「見ていてもわかった。限界だった。もう心身共にボロボロで、死へと向かっているのがよく分かったよ」

「……まって」

「復讐のために生きているのに、束の間のしあわせが許せなくて」

「……黙って」

「復讐のために生きて。傷付けらるのが怖いから、距離を置いて。そのくせ、いっそ離れる事も割り切る事も出来なくて、木更さん自身の本当の感情も中途半端なまま先送りにしてる……」

「黙りなさい……」

 

 木更が集のワイシャツを握った。しかし、力は全然なく非力な一人の少女のように思えた。

 

「……怖かったんだろ。『天童殺しの天童木更』でなくなるのが」

「───」

 

 木更の息遣いが止まるのを感じた。

 

「……復讐のために生きてきたのに、延珠やティナや色々な人と出会って、段々と変わり始めた自分が、怖くて怖くてたまらなかったんだろ?」

「……知りたくなんて、なかった……!私は『天童殺しの天童木更』でいたかった……!なのに……なのに……!里見くんや……延珠ちゃんの顔が……!どうして……?どうして私の中に踏み込んでくるの……?初めてお兄様を手にかけた時だってそう……!心の中で里見くんたちの顔が出てくる……!頭から離れない……!気持ちが悪い……!これ以上、これ以上私の中に踏み込まれたら……私は……私は……!」

 

 そう呟く木更の姿はとても小さく、幼子のように思えた。だから集は黙って優しく抱き締めた。

 木更の肩が震え、続けて小さく嗚咽を漏らす音が聞こえてくる。

 

「ねえ……教えてよ……里見くん……!」

「……」

「もう私……わからない……なんの為に生まれて、どうすればいいのか……こんなはずじゃなかったのに……人生が狂い始めて、もうどうすればいいのか……分からなくて…………」

 

 目を閉じる。そして、ゆっくりと口を開いた。

 

「───あんたはもう『天童殺しの天童』の天童木更じゃない。一人の少女の天童木更として生きていいんだ。だから、もう───」

 

 ───いいんだよ、ただの天童木更に戻って。

 

 瞬間、何かが割れる音がした。

 木更の身体が震える。

 

「……ぅ……ぁ……っ、ぁあ……っ」

 

 張り付いていた仮面が剥がれ、木更の瞳から大粒の涙が零れた。木更は、集の身体にしがみつくようにして、大声で泣き始めた。

 まるで、惨劇が起きたあの日のように。

 惨劇が起きてしまったあの日、『復讐者』の仮面を被った木更は、それからずっと泣かずに過ごしてきた。十代の少女にとってあまりにも長い月日の間、木更はずっと自分を律し続けてきたのだ。

 集は───蓮太郎は今まで、幾度と木更と会話を交わしてきた。幾度と同じ時を過ごしてきた。

 だがこの瞬間、蓮太郎はようやく、本当の木更の顔を見ることが出来たのだ。

 

「……おかえり、木更さん」

 

 集は子供のように泣きじゃくる木更を抱き締めた。

 

 ───それからどれくらいが経った頃だろう。

 木更は、集にしがみついた姿勢のまま、静かに声を発してきた。

 

「……里見くん、行くのね?」

「……ああ。この戦いを、終わらせないと」

 

 集が呟くと、木更はゆっくりと身体を離し、顔を見ながら続けた。

 

「……だったら、私も連れて行って」

「え?」

「私の体は使えない……だけど……里見くんには……桜満集には……『思いを形にする力』がある……そうでしょ?」

 

 驚いて木更を見ると、木更は泣き腫らした瞳のまま、微笑んでいた。

 木更の胸元が輝き出す。木更は自分の胸元に集の左腕を潜り込ませると、徐ろに集を突き放した。

 瞬間、木更の身体から巨大な結晶が現れ、集の左腕ごと抜き取られた。

 

「だから私の(ヴォイド)を……使って……」

 

 木更は意識が暗転する中、そう言った。

 集は無言で結晶を数秒見つめた後、左腕を天高く掲げる。結晶が剥がれ、形を成していく。

 現れたのは光沢のある黒い鍔。逆棘のように突き出した黒い頭。そして、妖しい輝きを放つ黒い乱刃。その刃は見るものを吸い寄せる魔力に満ちていた。

 

「……ありがとう、木更さん」

 

 集は木更を建物の外まで連れ出し、安全なところに退避させてから地面を蹴る。そして、そこで祈るように手を組んでいたいのりの元に辿り着いた。

 

「……いのりさん」

「集……どうして……っ」

「……来るなって言われたら、来たくなるだろ」

 

 軽口を叩きながら言う集に、いのりは困ったような表情を浮かべた。

 

「……終わらせよう。この無意味な争いを」

 

 集がそう呟いきながらいのりの元に近づいた瞬間───悪寒が走った。

 

「いのりさんッ!!」

 

 そう叫んだ時にはもう遅かった。

 背後から現れた少年がいのりからヴォイドを引き出していたのだ。

 

「はじめまして。桜満集……いや、ここはIP序列96位。その戦闘スタイルから名付けられた通称『黒い銃弾(ブラック・ブレット)』。───元陸上自衛隊東部方面隊第787機械化特殊部隊『新人類創造計画』の里見蓮太郎とお呼びした方がよろしいでしょうか?」

「ッ!」

 

 刀を振るおうとした瞬間、少年がいのりを盾にした。

 奥歯が砕けんばかりに歯を食いしばり、唸り声をあげるが、現実は変わらない。

 

「答えろッ。なんで俺の名前を知っている。そして……IP序列96位の『黒い銃弾(ブラック・ブレット)』、だと?一体なんの事なんだッ!!」

「……自分が何者かを忘れているようだ。なら仕方がない……僕の名前はユウ───そして、ここにいる楪いのりは、イヴ復活のための入れ物に過ぎない」

 

 少年、ユウは意識を失ったいのりの身体に無数のキャンサーで拘束した。

 

「いのりさんッ!」

 

 集は右手を伸ばすが、キャンサーの結晶が集の行く手を妨害する。

 木更の刀でキャンサーを一掃すると、そこにはもういのりの姿はなく無数の結晶が転がっているだけだった。

 

「いのりを何処にやったッ!答えろッ!!」

「───そう怒らないでください。すぐに会えますよ」

 

 ユウがそう言い放った瞬間、銃声。ユウの髪を銃弾が擦過する。

 

最後の銃弾(ラスト・ブレット)……このチャンスを無駄にしましたね、恙神涯」

「涯ッ!?」

 

 振り返ると、そこには随分と変わり果てた姿の涯がいた。身体の半分がキャンサーの結晶で覆われ、立っているのもやっとの状態だろう。

 涯は震える手で銃を握りしめながら呟く。

 

「……ようやくお出ましか……『ダァトの墓守』」

 

 涯の呟きにユウは微笑みを崩さず、空間を引き裂いた。

 

「歌姫を取り戻したければ来なさい、里見蓮太郎(ブラック・ブレット)

 

 集にそう告げると、ユウは空間の裂け目の中へと消えていく。

 

「追え!集!!」

「んなことわかってる!」

 

 集は刀を片手に空間の裂け目へと駆け出し、涯も裂け目の中へとゆっくりと入っていった。

 

 

 ⿴

 

 

 

 ───目を開ける。

 そこに拡がっていたのは『地獄』と言うに相応しい光景だった。

 

 渦巻く街並み。結晶になって消えていく人々。建物は巨大な結晶となり、巨大な塔を形成していく。

 

「今日の日まで、あなたがたが見ていたのはただの虚像……幻影(ファントム)です。『里見蓮太郎(ブラック・ブレット)』」

「どういことだッ!この街で何が起こってやがるッ!!」

「……もしあなたが僕たちのもとにやってくると言うのならば……()()をすべて知った上で来てください。今のあなたにはその資格がない」

 

 ユウが指を鳴らした瞬間、集の意識は肉体から引き剥がされた。

 

 

 そして───目が覚めると、そこには砂浜が拡がっていた。

 見覚えがある、ここはつい最近訪れた大島の浜辺だ。辺りを見回す。

 すると、そこに居たのは───

 

「……涯なのか?」

 

 ───涯を幼くしたような金髪の少年が、浜辺に横たわって居た。




全体の7割がブラック・ブレットになっている気がする。

そう言えばあともう少しで神崎紫電先生のそこそこ回復してきましたよツイートが6周年を迎えますね。

今年、もしくは来年あたりに何かあると嬉しいなと思ってます。

アンケート締め切りました。
星が降るルートですね。

救いは(期限:The Everything Guilty Crown 投稿まで)

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