小噺集   作:畑の蝸牛

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二十五時だしセーフセーフ。すいません真面目にやります。明日から頑張る。あと飯テロ注意。書いててよだれが止まらんでした。


たこやき/たこ焼き

 

 

そもそも、誰が最初にたこやきを作ろうと思ったのだろう。私には不思議でならなかった。どうしてタコを入れようと思ったんだろう、何故イカではダメなんだろう、どんな経緯で球形に至ったんだろう。

 

お祭りでたこやきを買う度に、この疑問を抱いたあの時から。私はずっとこの疑問に困ってきた。毎年の夏祭りでその機会はいつも顔を出した。

 

たこやき資料館、とかたこやきの歴史、みたいなわかりやすいものは身近には無くて、聞いたところで答えられそうな人も居ない。どこにぶつけたらいいのかって、夏祭りの季節の度に思ってた。

 

だけど、別にたこやきがキライとか、そういうことじゃなくて。むしろ好きな食べものトップ10に入るかなーぐらいで。タコを食べない国があると聞いてびっくりしたまではある。

 

きっと、私以外にはこんな疑問を持つ人なんて居ないんだろうけど。たこやき開発者に思いを馳せる人なら、行くところ行けばわらわら居るとは思うけど。

 

そう考えてるうちに順番が私まで回ってきた。

 

「たこ焼き一つください」

「あいよ、300円ね」

 

おじさんに小銭を渡して、私はたこ焼きを受け取る。踊る鰹節ができたてを証明している。とってもおいしそう。おっと、座る場所は…お、あったあった。ちょうど良くベンチが空いている。

 

ベンチに腰掛けて、標的を観察してみる。ソース、マヨ、青のり、そして添えられた紅しょうが。薬味に不備は無いみたい。伊達にたこ焼き屋をやっていないんだね。強いこだわりが香りでわかる。

 

つまようじで少しだけ割る。猫舌な私はそうしておかないと後でツライのだ。ふーふーと息を吹いて冷ます。・・・・そろそろいいだろうか。手を合わせて「いただきます」と口の中で呟く。

 

口の中に放り入れたたこ焼きはそれはそれは美味だった。気づいたら皿が空だった。私は満足と不満足の境界を歩いていた。

 

まぁ、辛うじて満足が勝ったようで。そろそろやかましくなるだろう夏祭りからはオサラバだ。

 

たこやき問題は来年のこの頃までは、セミの幼虫よろしく眠っていることだろう。

 

もし、あの会場に心が読める存在。名前…なんだったっけ?セトリ…じゃないし、ニトリ…は家具だし、まぁいいや。なんかそんな感じの妖怪がいたとしたら、さぞかし私の思考はつまらないものだったろう。そう考えるとなんか罪悪感まで沸いてくる。

 

ということに気付いたのは、夏祭りの次の日。はて、そんな感じの本って最近読んだっけ?私の趣味ジャンルじゃないハズなんだけどなぁ…でも、せっかくの夏だしそこらへんに手を出してみるのもありかもしれない。実に面白そうだな。

 

突発的に行動するのがいつもの私だった。その日もいつものように突発的に行きたいところを決め、速攻で準備して、その場所へと向かっていた。




やはり、ひとりモノローグは文字数伸ばし辛いのかと気付き始めた。ナントカしないとね〜と思う今日この頃。

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