小噺集   作:畑の蝸牛

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スペシャルサンクス・ウィキペディア。今回、真面目。めっちゃ真面目。


アノマロカリス

アノマロカリス、という生物をご存知だろうか?

男子なら図鑑で見て「なんだこいつ!?」と笑ったり驚いたりした事だろう。女子は「なにこいつきもっ」と大半の人が言う中で、「そんなに気持ち悪いかなぁ」と思う子が居た事であろう。

 

名前を検索してもらった方が早いのだろうが、ここはどうか私の拙い文章に付き合って欲しい。アノマロカリス(以下、彼とする)の容姿を説明するのは非常に難しい。なぜなら、私たちが見た事あるであろう生物に、一致している点が無いように思えるからだ。強いて言えばエビに似ている。けれども、あくまでどちらも甲殻類であろうという一点だけである。

 

実際、彼は「分類不可能生物」である。

 

という主張もある。節足動物に近いが、異なる点も多く、学者の間でも意見が別れるらしい。私は専門では無いので詳しくは無い。上記は全て適当に拾ってきた物だと思ってくれていい。

 

所詮は話の掴みに過ぎない。

 

私は生物の専門では無い、と言った。……化石や古代生物を研究するなら地学の分野になるのか?まぁいい。それすらも曖昧なのか私だ。妙にもったいぶってしまったが、私の専門は歴史だ。何がどうなったら歴史の専門家がアノマロカリスに思いを馳せるのか、こうして筆をとったのか。

 

それは、誰も信じないような事を遺しておく為だ。

 

この文書がある事で誰が助かるかは全く分からない、だが記さずには居られなかった。記せなくなる前に、地球とサヨナラする前に、書いておかねばならない。

 

奴らの基準が知ったことでアウトなのか、それとも世間に報せることがアウトなのか。私の知識は答えを出せない。

 

だって、歴史には宇宙人との対談記録なんて無いんだもの。

 

NASAは宇宙人と密約している、などの噂があるが、私には甚だ疑問である。NASA、地球側は宇宙人と何らかの取り引きをすることにメリットを感じるかもしれないが、果たして宇宙人もそうだろうか?

 

もう既に、それこそ人類が始まる前の前に、自分たちの手下を、地球に送り付けて居ると言うのに。

 

そう、私は彼、アノマロカリスこそが宇宙人の尖兵なのでは、と疑っている。異議があるのなら彼にはここまで出向いて無実を主張して欲しい。最も、地上にノコノコとやって来る時点で「犯人はワタシだァ!!」と言うようなものであるが。

 

私はその時、天体の歴史について調べていたところだった。いや、この言い方は的を少し外す。正しく言えば、天体に対する人類の思想だ。曰く、旅人は北極星を見て自分の方角、行き先の方角などを知り得ていたらしい。今の電気に脅かされた夜では、実行不可能でロマン溢れた旅だったことだろう。

 

そういう類の話を収集し、何かしら統一性や普遍性が無いものかなどと思っていた訳だ。ひと段落ついて、どうするものかと思った時、前髪を引っ張られるような、そんな気がして、開かれたままの本の隅っこに目をやった。

 

「アノマロカリス、太陽系の小惑星帯を形成する、小惑星のひとつ」

 

とあった。

 

パンドラという娘が渡された箱の話を私は思い出した。




続き希望は何らかのアクションをくれ。頑張るから。

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