ワンパンマン ~日常ショートショート~   作:Jack_amano

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すいません。
~日常ショートショート2~として発表していたのですが、短編集が作れると知って切り替えました。
これからも一話完結ショートストーリーを垂れ流していくつもりなのでよろしくお願いします。




浪漫

「で、どうだね。サイタマ君に師事した感想は」

 機器の操作をしながら、クセーノ博士が聞いてくる。

 俺がサイタマ先生の弟子になりたいと相談した時、博士は、俺が外の世界に目を向ける事はとても良い事だと喜んでくれた。

「そうですね。強さは体を鍛えるだけでなく、精神面を鍛える事でも強くなる事は可能だとおっしゃって下さり、自分でもまだ強くなる余地があると気付かされて感銘を受けました」

 強くなる。

 そのためにヒーローとして高みを目指して生活する。

 その気持ちを継続して持ち続け、努力する事で自分のレベルを上げていく―――  そんな事は考えた事もなかった。

「傍で観察していると、先生の言葉の一つ一つが教えに満ちていて、内弟子になってよかったと、自分は間違っていなかったと思います」

 メンテナンス中、大体いつも喋るのは俺、博士はいつも優しく相槌を打ってくれる。

「それはよかったのぅ」

 こうやって博士の定期メンテナンスを受けている時、俺は嫌でも思い知らされる。

 パーツを一つ一つ外され、頭だけになっても痛みも感じずバラバラになった自分の身体を眺めている俺は、もう人間ではないのではないか?と

 でも、そんな俺を先生は当たり前のように人として扱ってくれた。

 機械仕掛けの俺を、先生のように普通に人間として扱ってくれる人は実に稀だ。

 機械仕掛けといえば―――

「そう言えばこの間先生が―――」

 

 

「お前さ、足からジェット出て飛べるの?」

「出来ません」

「指からマシンガンは?」

「出ません」

「奥歯にスイッチは…」

「ありません。」

「Bパーツが飛んできて、合体とかは―――」

「出来ません」

「腕が飛んでロケットパーンチとか―――」

「無理です」

「ファイナルフュージョンで巨大ロボと合体とか―――」

「ありません」

 

「なんだ。本当に普通なんだな」

「 …… 」

 

 

 人として扱ってくれる割には無茶をいうなぁ先生は。とは思ったが、

 先生程の強者になると、俺と普通人の違いなどあまりないのかもしれない。

 普通の人の強さが1で俺が50だとすれば、先生は1000。それほど先生の強さは次元が違っている。

 リスザルとニホンザルが人からみたら同じサルであるようなものだろう。

 

 俺の話しを黙って聞いていたクセーノ博士が、嬉しそうに手を擦り会わせて振り向いた。

「パーツが飛んできて合体?腕が飛んでロケットパンチ?ふぉう!男のロマンじゃな」

 

  あれ?博士?

 

「ふぉう!血がたぎるのう!!」

 

  クセーノ博士??

 

 後日、俺は博士から、アームズモードという名のアタッシュケース型Bパーツを手渡された。

 空中で変形し、両腕に合体装着することによって、格段に威力を上げるというものだ。

 

  ……博士、俺は一体どこに向かうのですか?

 

 

 

 




調子に乗って第2弾。

クセーノ博士登場です。この後、博士はロケットパンチの製作に成功しました。
次は巨大ロボットか?!

ジェノスあやうし!!




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