ワンパンマン ~日常ショートショート~   作:Jack_amano

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夏の夜の―――

 何時もより遅い夕食前―――俺は寝っ転がってマンガを読んでいた。

 

 今日の夕食当番はジェノス。

 別にいいって言ってるのに、こいつは何もしてやれない俺なんかの為に、おはようからお休みまで『提供はライオンです』ってぐらい家事をしようとする。

 で、妥協して当番制にしてみたわけだ。

 ジェノスからしてみれば、家事なんかするくらいだったらその時間、手合わせしてくれって事なんだろうけど、キャメルクラッチ決めて、つい、首を抜いちゃって以来どうもその気にならん。

 申し訳ないが、相手がサイボーグのジェノスでよかった。普通の奴なら俺は殺人者だ。

 あんまり煩いから、ちょこっと相手してやっても、手を抜くなってうるせーし。

 なんか、俺はマジな時と力抜いた時との落差が顔に出るみたいで、すぐジェノスにバレてキレられる。

 っつーか、大体、お前が望む通り俺が本気出したら瞬殺だっつーの。

 

 そんな事を考えている横で、黙々とジェノスは出来上がった料理を運んでくる。

 あ、こいつまた俺の席、上座に作ったな。窓際はテレビが見づれぇっつのに。

 

「先生。夕食の用意が整いました。」

「おう、サンキュー」

 モヤシと青菜の巣ごもり卵、モヤシと鳥むね肉のバジル炒め、野菜の切りくずコンソメスープ、それに白米。

 月末でモヤシのエンカウント率が高いが、俺と違って洋風なのが嬉しい。

 俺一人ならぜってーバジルなんか使わねぇ。

 あ~ぁ俺も明日のモヤシ献立考えなきゃ。今月、あまりの暑さに扇風機使っちゃったし、日頃食べないアイスなんて物も買っちゃったからな~。

 

「あ」

 急にジェノスが声をあげ、遠い目をして部屋の隅、俺の背後を見つめる。

「どうした?(ゴキ)か?」

 俺の問い掛けにも、箸を揃えようとした手を止めたまま、静かに俺ではなく、俺の後ろを見ていた。

 

 ???

 

 怪訝そうな俺に気づき、ゆっくりとフリーズを解くジェノス。

 

「いえ、この部屋、たまにそちらの隅だけ温度が下がるんですよね。原因を解明しようと、色々分析してみたのですが、赤外線も電磁波も感知できなくて…… 」

「 へ? 」

 なんの話し??

 

「ネットで検索してみたのですが、事故物件ではないようですし… なんでしょうねぇ ほんとうに 」

 おま、事故物件って――― 俺はここに3年近く住んでるんだぞ?

 

「あ。こう言う話し、お嫌いでしたか?」

 何時もと同じ取り澄ました顔なのに、ジェノスはニヤリと嗤ったような気がした。

「いや、好きとか嫌いとか、そう言う問題じゃねーから!!」

 

 背後の闇が 一層濃くなったような気がした。

 

 

 でも引っ越さねーからな!!(心の声:金ねぇーし!)

 

 

 

 

 

 




昨日、シリアス書いたら心が疲れちゃって、反動で書きました。

ツッコミ師匠と天然弟子。
サイボーグだからサイタマにハリセンで突っ込まれても大丈夫(?)。

部屋の怪異は心霊現象なのか、はたまた弟子の捏造なのか?
もしかする、残念忍者のせいかもしれません。
でもまぁサイタマは気付かなかったわけですから―――――

オチが無くてすいません。

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