喰い荒らされた世界で・・・   作:水無月 蒼次

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迷惑メールが来ました。
拓哉を名乗ってます。
ガチな詐欺メールです。
takuya1113-s-j@to.to.softcomk.com
このアドレスからくるお誕生日おめでとうメールに注意してください。


保管庫と自室の元プレイヤー

リンクは保管庫にいた。

神機保管庫ではなくオラクル兵器の保管庫だ。

まあ考えればわかるよね?

 

リンクはアポロの中で説明書を読んでいた。

今回の戦闘でゲーム機でしか操作できないのは問題だと感じて操作方法を調べている。

 

二十分程時間がたった。

 

リンクは額にしわを寄せていた。

比較的操縦はうまい方だと思っているが、これは使いこなせるようになるのにかなり時間がかかるだろう。

支部長の言っていたことは本当らしい。

こんな機体、普通は実践で使用するなど考えられない。

 

リンクはそのままアポロの操縦席でゲーム機をいじる。

 

「ゲームだった時は楽だったなー」

 

リンクはゲーム機の中で任務を発行する。

リンクはその後整備班に声をかけられるまでそこでゲームをし続けた。

 

 

明史は自室にいた

自室で蒼次の装備を点検していた。

 

「やっぱりブラスト、いやスナイパーもいいかもしれないな、いやアサルトとか?」

 

独り言を言いながら蒼次の装備を考えながらバレットを量産する。

更に装備を作りまくる。

 

 

ふとオペレーターの仕事について思い出しノルンのデータベースを見る。

 

そこに書かれていたことを要約すると

・オペレーターの仕事は部隊が戦いやすいように情報を伝える、アダプターみたいな役割

・戦場の神機使いやその他の人間がスムーズに動けるように指示を出す、CPUみたいな役割

と書かれていた。

が具体的なマニュアルはなかった。

やはりヒバリさんに教えてもらうしかないかな・・・

明史はベッドに倒れ込む。

 

コンコンコン

 

ノックの音だ。

呼び鈴があるだろうに。

俺は起き上がりドアを開ける。

 

「よう、引っ越し終わったか?」

 

ドアの向こうにいたのはリンドウだった。

 

「上がるぞー」

 

リンドウさんが部屋に入ってくる。

別に見られると困る物がある訳ではないから気にしない。

 

「リンドウさん何か用ですか?」

 

「さっきは話せなかったからな、ちょっと話でもなんてな」

 

「でも俺から話せることなんてほとんどないですよ?」

 

「お前が住んでたっていう世界の話を聞かせてくれよ」

 

「俺がいた世界ですか、アラガミはいませんでした。でもその分醜悪で貪欲な人間が住んでいましたね」

 

「アラガミが現れる前の世界か・・・やっぱり平和で命の危険なんてほとんどない世界だったんだろうな」

 

「命の危険は無かったですね。その分、歪で欲にまみれてて俺はあの世界が嫌いです」

 

俺は一瞬、自分でなに言ってるのかわからなくなったが続けた

 

「人間というアラガミが闊歩する世界でしたよ。よりよいものを得るために他者を蹴落としより良くするために他者をねじ伏せる。得られるものは貪欲にかき集め、得られないものはどうにかして得られるようにする、離れていくものには食らいついてでも留める」

 

「欲望ねー、お前さんはこの世界にきてよかったと思うか?」

 

「それは・・・」

 

しばらくの沈黙が部屋を漂う

 

「まあ、わからないわな。俺にもわからない。だが俺はここに大事な物があるからなそれを守るためにもここでアラガミを斬り伏せないといけねぇ。大事な物があるうちは戦い続けるさ。お前も死ぬなよ」

 

リンドウは出て行った。

 

「守りたいものか・・・」

 

俺は再びベッドに倒れ込んだ


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