俺は部屋を出て、二人と別れてから、乗り物関連の格納庫に来ていた。
ちなみにアポロとアルテミスも出撃前はここにある。
「オペレーター用の改造装甲車出来てますか?」
「やあ、君だね。装甲車で戦場に出ようって言うオペレーターは」
そこに居たのはサカキ博士だった。
「はい、自分です」
「いや、面白い事を考えたみたいだから私も微力ながら協力しようと思ってね」
確か支部長は整備班に連絡すると言ったはずだ。
なぜ博士が?
「なぜ私がここにいるのか、疑問に思っているみたいだね」
「はい」
「時間が無いから簡単に答えよう。私が以前作った物の中に君の要望の小型のオペレーター用通信機があるんだ。それを取り付けようと思ってね」
「ありがとうございます」
「それ以外にも追加で対アラガミ装甲をつけたり、してたら時間がかかってしまってね。だけどかなり高性能な装甲車になっているはずだよ」
「出撃できますか?」
「もちろんだよ。すぐに出てくれたまえ。これ、車のキーね」
「ありがとうございました」
俺は装甲車に乗り、エンジンをかける。
そして窓を開ける。
「博士、出口どっちですか?」
「あそこの大きいハッチがそれだ。Nと書かれている方のハッチに向かってくれたまえ」
俺はアクセルを踏みハッチの前に車を進めるとハッチが開く。
「では、いってきます」
俺はアクセルを少しずつ踏んでいった。
暫く緩やかな登り坂が続きやがてハッチが見えてきた。
このハッチも自動で開く
そのあと、何枚かハッチを越えたあとやっと外に出た。俺は車道を一直線に走って外壁のゲートに着くと職員に止められた。
「階級と名前と任務内容を答えろ」
検問だ
「第零部隊隊長山澤 明史特務少尉だ。任務内容はシユウ堕天討伐作戦の前線指揮。で、通っていいか?」
「はっ、お通りください」
やっぱり支部長のお抱え部隊の隊長と言うのはかなり影響力があるな
俺はゲートが開いたのを確認して走り出す。
ナビ通りに走ればOKだ。
サカキ博士達の改造のおかげで操作性は多分一般の乗用車よりもいいし、普通の装甲車より速度も出る。俺は外に出てからは時速100kmで爆走した。『ピーガッ、もしもし聞こえるかい?明史君、聞こえたら返事をしてくれ』
「感度良好です」
『それは良かった。いや、随分ゆっくり走ってるからエンジンにトラブルでもあったのかと思ってね』
これでも時速100kmは出ている。
確かにアナログ式のスピードメーターの右恥には450と書かれているが
『もっと飛ばしちゃって大丈夫だよ。急がないと間に合わなくなるよ?』
「了解、事故らない程度に急ぎます」
俺はアクセルを踏み込む
『ガチャンッ、「事故らないってなんだよ!おいっ!障害物なんて主砲で吹き飛ばしちまえ!」「いや~悪いね、こっちも色々やったから皆興奮しちゃって」』
主砲って言った?
それじゃ装甲車じゃなくて戦車だ
前方に崩れた建物、俺は恐る恐るan object canonと書かれ周囲が警戒色で囲まれた赤いボタンを押す。
車体の前方から物凄い衝撃とロケットが出る。
衝撃で車体は一瞬浮き上がり、ロケットにより前方の障害物は吹き飛び更地になった。
『見たか!俺、特製ロケットランチャーの威力www』
『その近くにabout Aragami canonって書いてあるボタンがあるだろ?それは私が作った対アラガミ用麻痺ミサイルだ。時間稼ぎにはなるだろう』
整備班の話を聞きながら俺はバンドルを切る
そうすること20分程で巨大な竜巻を讃える平原に到着した。
「こちら明史、アラン、応答願う」
『どうした?』
「到着したか?」
『ああ、降下準備完了』
「今から蒼次がお前のビーコンを頼りにそっちに行く」
俺はゲーム機を手に持ち蒼次を呼び出し、アランの反応に向かって走らせる。
「降下開始、ツバメはその場で援護射撃」
『ラジャー』
アランが降下する
降下とほぼ同じタイミングで蒼次がRPGをシユウ堕天に向けて射つ
RPGは真っ直ぐシユウ堕天の下半身に向かって飛び大爆発を起こした。シユウ堕天の下半身は部位破壊を起こし、所々発光するオラクルが露出している。
「派手に行くぞ!」
『了解、喰い荒らす!』
アランと蒼次による攻撃がシユウをボロボロにしていく。