喰い荒らされた世界で・・・   作:水無月 蒼次

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ツバメ アラン 訪問

俺が眠り初めてから一時間後

 

『ブーーーーー』

 

呼び鈴がなっている。

 

俺は返事をする

 

「ふあ~あ、入ってくれ」

 

『はい』

 

ドアが開き入ってきたのはツバメだった。

 

「どうかした?」

 

「いえ、やっぱり誘導に参加してもいいですか?」

 

「それは君がってことかな?それともアランが?」

 

「両方です」

 

「アランにはもう言ってあるんだけど。自分のやりたい方に参加してくれ。俺はこれに関して強制することは出来ないし、したくないからな」

 

「ありがとうございます」

 

「今回は俺も戦場に出る。囮ぐらいなら神機が無くても出来るからな」

 

「囮ですか、それって物凄く危険なんじゃ・・・」

 

「ああ、無茶苦茶危険だ。それでもやりたいんだ。大丈夫だ死にはしない。俺は蒼次を動かしているとき戦場の全てを把握している。俺のことは気にせずアランのフォローを頼む」

 

「はい……」

 

「どうした?なんか歯切れが悪いが。言いたいことがあるならハッキリ言ってくれ俺は鈍いからそうそう気づかないぞ」

 

「いえ、オペレーターが戦場に出ていいのかちょっと疑問に思っただけです」

 

「いいんだ、オペレーターだって外に出たいさ」

 

『緊急連絡、第一防壁に小型アラガミの群れが強襲第二部隊は至急出撃してください』

 

小型アラガミが攻めてきたらしい

 

『ブーーー、アランです』

 

「入ってくれ」

 

ドアが開きアランが入ってきた。

 

「俺は、やっぱり誘導をやる」

 

「そうか、なら良かった」

 

「ん?良かった?」

 

「良かったんだ」

 

「特に理由は無いが安心した」

 

「こっちとしては不安でしょうがないんだけどな」

 

「俺が戦場に出ることか?」

 

「そうだ。なんで非戦闘員が戦場に出るんだよ、犬死にして終わりだって」

 

「もしも、俺が死んだら後のことはリンクがやる。何の問題もない」

 

「いや、問題大有りだ。隊長が犬死にとか聞いたことないぞ。ツバメからも何とか言ってやってくれ」 

 

「考え直しては頂けないでしょうか?」

 

「悪いが支部長に専用装甲車を作って貰ったばっかりだ」

 

 

『ブーーー、リンクだが、とうもろこし茹ですぎちゃって食べないか?』

 

「食べる食べる、とりあえず中入って」

 

「とうもろこしはキッチンでいいか?」

 

リンクが入ってきた

 

「リンクさんからも言ってやってください。無茶だって」

 

「えっ、俺?無茶だ、言ったぞ?」

 

「ほら、リンクさんもこう言ってます。考え直して、ヒバリさんの横でオペレーターやったらどうですか?」

 

「アランどうした?やけに必死だな。山澤がなんかやらかしたか?」

 

「次の作戦で戦場に出るって」

 

「出たらいいんじゃないか?」

 

「しかも装甲車でですよ」

 

「いいんじゃないか?俺にはよくわからん」

 

「と言うことだ。俺には考え直すつもりは一切ない。と言うことで俺が死んだらリンク、後頼むな」

 

「おい!面倒事を押し付けるな!」

 

「俺を、死なせたくなかったら頑張って仕事してくれや」

 

「なんで誘導なんて面倒なことをするやら」

 

「それは、被害を最小限にするため……」

 

「俺と蒼次だけでもあのぐらいなら片付く。それこそ物の20分だ」

 

「まあまあ、落ち着けリンク。今回は俺が囮をやりつつ蒼次を操作、リンクは俺の護衛をしつつはみ出した奴の片付けだ、アランは俺と来い、ツバメはヘリで上空から援護射撃。弾が切れたらそのままヘリで待機してくれ。今回の作戦の目的は誘導となってるが、俺は殲滅してもいいと思っている。質問ある?」

 

「何故俺があんたと一緒なんだ?」

 

声を発したのはアランだった 

 

「俺だけだと味気なくてアラガミを釣れないかも知れないからな、先に蒼次と一緒に奴らをフルボッコして奴らの意識をこっちに持ってこい。このときはリンクはどっかに隠れてて」

 

「そう言うことか囮を一緒にやれってことか」

 

「囮だけじゃないぞ。装甲車の運転もだ」

 

「はあ?なんで俺が」

 

「装甲車で移動中にブレード型のお前がどうやって攻撃するんだよ?」

 

「それは、近づいてきた奴を………」

 

「相手はシユウだ、お前が攻撃出来るぐらいまで近づいてきたら確実に装甲車は吹っ飛ばされるし、その時点で作戦失敗だ。だから俺は蒼次を操作しつつオペレーターをやる。お前は装甲車を運転しろ。」

 

「でも俺、運転したことねーよ?」

 

「まあ簡単だ、サイドブレーキ上げて、エンジンつけて、アクセル踏みゃ前に進むだろ、ブレーキ踏みゃ止まるだろ、バンドルきれば曲がるだろ?リンクあってるよな?」

 

「だいたいは」

 

「そう言う事だ、この世界には既に道路交通法は無いからスピード無制限、免許証要りません、その他制限ありません。他の車とぶつからなければOKだ。頑張れよアラン」

 

リンクは出ていった。

 

「アランなんとかなるよ。隊長もこう言ってるし」

 

「まあ、安心しろ。死ぬときは俺も一緒だ」

 

「あんたと一緒かよ」

 

「俺と一緒に車内で死にたくなかったら頑張れ」

 

「隊長、アランのことよろしくお願いします。どうか生きて帰してください」 

 

「俺共々、生きて帰ってくるから安心しろ。ツバメも援護射撃しっかりな」

 

「はい」

 

「さっ、そろそろ任務じゃないか?」

 

『業務連絡 業務連絡 シユウ堕天が予定ポイントから20km地点を通過、作戦の準備に取りかかってください』

 

「さっ出撃準備だ」

 

「りょーかいです」

 

「了解しました」

 

俺たちは部屋を出る


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